
| 豪州は「歌」が好きなのか?過去にも豪州では「ランクルの歌」が公開されたことも |
今の時代、「話題になり」「記憶に残らないと」負けである
自動車のプロモーションといえば、洗練された走りの映像やクールな音楽、美しくカットされたデザインを押し出すのが一般的で、しかし、マツダ・オーストラリアが発表した新型CX-5の新CMはその常識を根底から覆す内容にて大きな注目を集めています。
このCMにて新しいテーマソングを歌うのはプロのシンガーではなく、なんとマツダのエンジニアやデザイナー、そして実際のCX-5オーナーたちで、タスマニア州ホバートにそびえるウェリントン山の山頂にて、彼らが自作のような素人っぽい歌を熱唱するというプロモーションを展開しているわけですね。
一見すると「なぜこんなCMを・・・」と首をかしげてしまうような演出ですが、その裏には競合ひしめくミドルサイズSUV市場で確実に消費者の印象に残るための計算されたマーケティング戦略が隠されていることが明かされており、実際のところYouTubeへとアップされた動画のサムネイルも「CX-5を崇めよ」的なものが使用されているので、「ダサさの演出」はやはり意図的なものであったと考えるのが妥当です。
この記事の要点(30秒でわかるサマリー)
- 異色のCM登場:マツダ・オーストラリアが公開した新型CX-5のCMソングが「韻を踏まない」「クセが強すぎる」と話題に。
- 出演者はなんと「中の人」:制作を手掛けたクリエイティブ機関のもと、マツダのエンジニアやデザイナー、実際のオーナーがタスマニアの山頂で熱唱。
- 狙いは「あえて耳に残す」粘着マーケティング:記憶に残りすぎる楽曲で他社ライバル(トヨタRAV4等)からの乗り換えを狙う。
- 実はコスパ最強?:CMのコミカルさとは裏腹に、オーストラリアでの新型CX-5は旧型よりも値下げされ、全グレードAWD+2.5Lエンジンを標準搭載。
新型CX-5の異色CMが物議。マツダが挑む「耳に残る」新手法とは
開発者が山頂で熱唱?豪マツダのCM「It’s Kind of a Big Deal」の詳細
広告代理店「Clemenger BBDO」が手掛けた今回のキャンペーン「It’s Kind of a Big Deal(ちょっとした大事件)」は、テレビ、SNS、ラジオ、屋外広告、デジタルプラットフォームなど多角的に展開されており・・・。
「韻を踏まない」シュールな歌詞とメロディ
この楽曲の最大の特徴は、キャッチーさや洗練された歌詞を「あえて捨てている」点にあり、ほとんど韻を踏むことがない歌詞には、次のようなフレーズが並びます。
- 「タッチパネルに触れたい」
- 「スペースをあげよう、食料品を載せるもっと広いスペースを」
- 「史上最高の出来だ、古い奴は10代の子供にあげちゃいな」
- 「到着したね、洗練された彫刻のような姿で」
- 「山頂から歌わせてくれ、これがCX-5だ!」

クオリティや歌唱力は決して高いとは言えないものの、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのエイミー・ウェストン氏いわく・・・
「最も製品を熟知している人々に山頂から魅力を歌わせることが、最も自然で記憶に残る方法だと感じたのです」。
撮影スタッフや開発陣の頭から離れなくなってしまったというこの「ダサくて耳に残るフレーズ」が視聴者の記憶へ強烈に刷り込む作戦として機能しているというわけですね。
参考までに、過去にはオーストラリア市場にてやはり素人っぽい「ランクルの歌」が公開されたこともあり(残念ながら今は動画が非公開設定となっている)、同市場ではこういった「等身大の応援ソング」的な歌が受け入れられる傾向にあるのかもしれません。

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新型CX-5の車種概要・価格・スペックとライバル比較
話題のCMで注目を集める新型CX-5ですが、クルマとしての製品力は極めて真面目で魅力的で、特にオーストラリア市場においては、先代モデルよりも価格を引き下げるというユーザー還元とも言える設定がなされていることも大きな話題に。
オーストラリア仕様のパワートレインと特徴
豪州向けの新型CX-5はエントリーグレードから最上級グレードまで全車に2.5L自然吸気4気筒ガソリンエンジンと6速AT、およびAWD(全輪駆動)を標準採用しており・・・。
| 項目 | スペック・仕様 |
| エンジン | 2.5リットル 直列4気筒 自然吸気ガソリン |
| 最高出力 | 177 hp (132 kW) |
| 最大トルク | 242 Nm (178 lb-ft) |
| トランスミッション | 6速オートマチック(全車共通) |
| 駆動方式 | AWD(全輪駆動・全車共通) |
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新型マツダCX-5を見てきた。一見すると先代とほぼ変わらず、しかし細部が磨き上げられるという「マツダらしい」モデルチェンジだった
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グレード別価格一覧(オーストラリア市場)
- Pure AWD(エントリーモデル):AU$39,990(約390万〜400万円台)
- Evolve:AU$42,990
- Touring:AU$47,490
- GT SP:AU$51,990
- Akera(最上級モデル):AU$54,990
トヨタRAV4など強豪ライバルとの比較
ミドルサイズSUV市場はトヨタRAV4や日産エクストレイル(海外名:ローグ)、ホンダCR-Vなど世界的なベストセラーがひしめく超激戦区としても知られ、特にトヨタRAV4はハイブリッドモデルを中心に市場を牽引していますが、今回の新型CX-5は「基本性能の高い2.5Lエンジン+AWDの組み合わせ」をエントリーグレードから手の届きやすい価格設定で投入することでコスパを重視するファミリー層やSUV検討層の引き込みを狙うという戦略的なモデルであり、世界中での大ヒットが期待されているグローバルカーというわけですね。

結論:強烈な印象を残すマーケティングと新型CX-5の実力
「一度聴いたら忘れられないシュールなCMソング」で話題を作ると同時に、中身は「コストパフォーマンスに優れ、先代より買いやすくなった実用派SUV」というギャップ。
これこそが今回マツダが仕掛けたマーケティングの真髄ということになりますが、自動車業界では製品の均一化が進む中、他社との差別化を図るために技術面だけでなく「見せ方・伝え方」の工夫が今まで以上に重要視されているというのがいまの切実な事情です。
完璧でクールなCMではなく、人間味溢れる開発陣の姿とクセになる歌で親近感を生むというこの手法は、SNS時代の新しいPRの形のひとつとも言えるもので、今後も他社において同様の展開が見られるのかもしれません。※マツダは日本でのモーターショーなどのイベントにおいても「華やかさ」より開発担当者のトークショーをメインに据えるなど、「伝える」ことを主眼に置いているように思える。そしてマツダのファンも、”美女”より”オッサン(開発担当者)”を支持しているところが興味深い
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参照:Mazda Australia










