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【120年目の敬意】ロールス・ロイスが究極の限定車「ブラックバッジ ゴースト ツーリスト・トロフィー」発表。創業者の伝説的な勝利へのオマージュ

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのフロント

Image:Rolls-Royce

| 創業者の一人、チャールズ・スチュワート・ロールスが1906年の「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」で勝利を収める |

「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」はもっとも過酷とされる競技のひとつ

超高級車の頂点に君臨するロールス・ロイス。

今回はブランドの根源にある「冒険心」と「技術への狂気」を呼び覚ます、あまりにも特別なワンオフ級のビスポーク(特注)モデルを発表することに。

このモデルは「ブラックバッジ ゴースト ツーリスト・トロフィー(Black Badge Ghost Tourist Trophy)」と命名され、ゆかりの深いイギリス・マン島にて世界初公開がなされています。

2026年はロールス・ロイスの共同創業者である高貴な冒険家、チャールズ・スチュワート・ロールスが1906年の「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」で歴史的な勝利を収めてからちょうど120周年にあたりますが、当時のTTレースは単なるスピードレースではなく、過酷な地形を走り抜く耐久性、機械への深い理解、そして「極限まで計算された燃料マネジメント」が求められる、自動車黎明期で最も過酷な試練であったといいます。

そしてロールス・ロイスが持つモータースポーツの血統と知的なコントロールの美学が現代のダークヒーローである「ブラックバッジ ゴースト」と融合したとき、どのような芸術品が生まれたのか。その驚くべきディテールを見てみましょう。

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのマスコット

Image:Rolls-Royce

この記事の要点

  • 伝説の勝利から120周年を記念: 1906年に共同創業者チャールズ・ロールスがマン島ツーリスト・トロフィー(TT)レースで優勝を飾ってから120年。その偉業を称える特別なビスポークモデルがマン島でお披露目
  • 名車「ライト20馬力」の現代的解釈: チャールズ・ロールスと機関士エリック・プラトフォードが駆った「Light 20 H.P.」からインスピレーションを得て、最新のブラックバッジ ゴーストをベースに仕立てられる
  • 勝利の色「ダーク・エメラルド」を纏う: 1906年の参戦車両を彷彿とさせる深みのあるグリーンに、チャールズのスタート順であり周回数でもある「4」のナンバーをハンドペイントした特別なコーチラインを施すことに
  • 室内に隠された「秘密のアーカイブ」: ブラックとタンの洗練されたレザーインテリア、マン島のコース形状の刺繍、さらにエアコン吹き出し口やスカッフプレートには当時のシャシーナンバーや登録番号、スタート線の座標までが精密に刻まれる
  • 冒険心を受け継ぐブラックバッジ: 速度、耐久性、そして緻密な燃料計算が求められた過酷なレース。その挑戦の精神を、ロールス・ロイスの最も不羈(ふき)なるモデル「ブラックバッジ」で表現

わずか「1パイント」の燃料が証明した、120年前の計算美

1906年9月27日のマン島ツーリスト・トロフィー(TT)レースでは何が起きたのか。

マン島の「ショート・ハイロード・コース(約40.38マイル)」を4周する過酷なレースにおいて、チャールズ・ロールスと彼のライディング・メカニック(機関士)であるエリック・プラトフォードはまず4番手からスタートします。

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのコーチライン

Image:Rolls-Royce

ロールスはオープニングラップで早くも首位に立つと、最終ラップには2位に10分もの大差をつける圧倒的な走りを披露。4周(約260km)を4時間6分0.06秒、平均時速39.4マイル(約63.4km/h)で駆け抜け、見事優勝を飾ることに。

しかし驚くべきは、チェッカーフラッグを受けた際、彼らの「ライト20馬力(Light 20 H.P.)」の燃料タンクに残されていたのは、わずか1パイントと1オンス(約600ml)のガソリンだけだったという事実であり、一歩間違えればガス欠でリタイアという極限状態の中、スピードと機械への労わり、そして完璧な燃料計算を両立させたこのエピソードこそ、今日のロールス・ロイスの「細部への徹底的なこだわり」のルーツとなっているわけですね。※ほぼ優勝が確定していたにも関わらず、そして2位との距離が開いていたにもかかわらず、速度を緩めずガス欠ギリギリで走ったというところがチャールズ・ロールスの性格をよく表している

勝利を祝福する「ダーク・エメラルド」と「ナンバー4」のコーチライン

この歴史的ストーリーを外装にて表現するため、ロールス・ロイスのビスポーク部門は特別なボディカラー「Dark Emerald(ダーク・エメラルド)」を調合し、これは1906年の優勝車が纏っていた高貴なグリーンを現代の塗装技術で再現したものです。

ボディサイドを走る一本のコーチラインには上品な「タン(淡い茶色)」が用いられ、フロントフェンダー付近には北極光をイメージしたアークティック・ホワイトで「4」のモチーフが手描き(ハンドペイント)されており、もちろんこの数字はチャールズ・ロールスの当時のスタート番号であり、完遂した4周のラップ、そして4時間に及んだレース時間を象徴する神聖な数字でもあります。

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのフロント

Image:Rolls-Royce

ブラックバッジ ゴースト ツーリスト・トロフィー スペック&ビスポーク詳細

項目仕様・詳細内容
ベース車両ロールス・ロイス ブラックバッジ ゴースト(Black Badge Ghost)
エンジン6.75リッター V型12気筒 ツインターボエンジン
最高出力600 PS (592 hp) ※ブラックバッジ専用チューン
最大トルク900 Nm / 1,700 rpm〜
トランスミッション8速AT(衛星支援変速システム付き)
駆動方式4輪駆動(AWD)/ 4輪操舵(AWS)
0 - 100 km/h 加雪4.7 秒
外装色ダーク・エメラルド(Dark Emerald)× タン・コーチライン(ナンバー4入り)
内装仕様ブラック&タンレザー、テクニカルカーボンファイバー、モカシン製ラムズウールマット
特別意匠(リア)後席「ウォーターフォール」部にマン島ハイロード・コースの形状を刺繍
特別意匠(インパネ)中央「アイボール(目玉型)」エアベントに当時の車両登録番号・座標などの刻印
スカッフプレート4席すべてのドアシルに、1906年の優勝車のシャシー番号「26350B」をレーザー刻印(発光式)

コクピットに隠された「秘密のプライベート・アーカイブ」

ドアを開けると、室内はブラックとタン(茶)のレザーが織りなす「静寂でありながらも強烈なエネルギーに満ちたコントラスト」をもって迎えられ、ブラックバッジ特有の「テクニカル・ファイバー(炭素繊維の織物)」がダッシュボードをスポーティに引き締める一方、足元には最高級のモカシン製ラムズウール・フロアマットが温かみを添えることに。

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのスカッフプレート

Image:Rolls-Royce

なお、このクルマが真のコレクターズアイテムたる理由は、内装の随所に隠された「秘密の暗号(データ)」にあり、後席のシート間に位置するレザーの「ウォーターフォール」部分には、チャールズが駆け抜けたマン島のレースコースの輪郭が美しいステッチで刺繍されるほか、さらに、ダッシュボード中央の丸型エアベント(通称アイボール・ベント)を覗き込むと、そこには以下のデータが緻密に刻印されています。※球状になっているエアベントをくるっと回した裏側

  • 当時の車両登録番号:AX157
  • 当時のシャシーナンバー:26350B
  • レース開催日:27.09.1906
  • 当時のスタート&ゴールラインの正確な緯度経度:54˚09’27.1” N 4°29’ 54.7” W

これらは、すべてのドアシルに備わる発光式スカッフプレートにも刻まれており、オーナーとその同乗者だけが共有できる、歴史のプライベート・アーカイブ(秘密の書庫)として機能しています。

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのエアコン吹き出し口

Image:Rolls-Royce

なぜロールス・ロイスは「ブラックバッジ」で歴史を語るのか?

現代のラグジュアリーカー市場におけるトレンドとして、単に「豪華」「高い性能を誇る」だけのクルマではなく、「そのブランドが持つナラティブ(物語性)の深さ」が重視されるようになっているのは御存知の通り。

通常、ロールス・ロイスにおいて「ヒストリック・オマージュ(歴史への敬意)」を行う場合、よりクラシカルでエレガントな「ファントム」や標準の「ゴースト」が選ばれるのが通例で、しかし、デザイナーのアリスター・バークレー氏をはじめとするチームがあえて「ブラックバッジ」を選択したのには深い理由が存在します。

1. チャールズ・ロールスという男の「危険な本質」

ぼくらがイメージするロールス・ロイスの創業者像は、エドワード朝の仕立ての良いスーツを着た、物静かな紳士かもしれません。

しかし実際のチャールズ・ロールスは、当時の言葉で言えば「ハイボルテージ(高電圧)」な、スリルと危険を愛する異端児であったといい、彼はレーシングドライバーであると同時に、熱気球を操り、イギリス人で初めて飛行機でドーバー海峡を往復ノンストップで横断した「航空界のパイオニア」という一面も(そして残念ながら、32歳という若さで航空機事故によりこの世を去っている)。

常に世界のスピードの先を行こうとし、リスクを恐れず機械の限界に挑み続けた彼のキャラクターは、現代のロールス・ロイスにおいて、まさに規律を破るダークな存在である「ブラックバッジ」の精神そのものというわけですね。※ロールス・ロイスというと「伝統的な」クルマというイメージがあるものの、実際には「(世の中の)伝統を壊してきた」のがロールス・ロイスでもある

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのセンターコンソール

Image:Rolls-Royce

2. デジタル時代に響く「フィジカルな暗号」の魅力

生成AIやバーチャルな世界が拡大する2026年現在、超富裕層が求める高級車の価値は「デジタル画面の大きさ」ではなく、「どれだけ物質(フィジカル)に物語が刻まれているか」にシフトしています。今回のゴーストに施された座標の刻印などは、Googleマップに入力すればいつでも120年前のスタートラインへとオーナーを誘うことができる、デジタルとアナログが融合した究極の仕掛けとも言えるものだと考えられます。

結論

ロールス・ロイス「ブラックバッジ ゴースト ツーリスト・トロフィー」は、120年前にマン島の大地で繰り広げられた、人間の勇気と緻密なエンジニアリングの勝利に対する、これ以上ないエレガントな賛辞です。

時速40マイルにも満たない「ライト20馬力」を操り、最後の1滴の燃料まで計算し尽くしてチェッカーフラッグを受けたチャールズ・ロールス。今回の限定車の仕様を見るに、その絶え間なき情熱と冒険心は600馬力のV12ツインターボを積み、ダークなオーラを放つ現代のブラックバッジ ゴーストの中にも見事に息づいていることがわかります。

ロールス・ロイス・ゴースト「マン島ツーリスト・トロフィー(TT)レース」優勝記念モデルのダッシュボード

Image:Rolls-Royce

「ダーク・エメラルド」の美しいボディに刻まれた「4」の数字、そして室内に隠された緯度経度やシャシーナンバーの暗号。

これらはロールス・ロイスがただの移動手段ではなく、自動車の歴史そのものを所有するという究極の特権であることを教えてくれるものであり、伝統に甘んじることなく、常に自らの限界(リミット)を押し広げようとした創業者たちの魂は、この静かで、かつ圧倒的なコントロールに満ちた1台と共に、次の100年へと走り継がれていくことになりそうですね。

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参照:Rolls-Royce

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