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フェラーリが未来型ハイパーカーに関する特許を出願。テールランプとリアウイング、ボディが「一体化」しつつも変形することでダウンフォースを増加

フェラーリ F76ハイパーカーのエクステリア〜サイド
Ferrari

| ボディに隠された「天才的エアロトリック」の全貌 |

テールランプが動いて空力を制御する新発想

フェラーリは常に挑戦を止めないブランドです。

初となる完全電動EV「Luce(ルーチェ)」の発表、そして830馬力のV12モデル「12チリンドリ マヌアーレ(12Cilindri Manuale)」に導入された擬似的な電子制御手動変速「Manuale by-wire」システムなど、革新的なアプローチが時にファンの間で大きな議論を呼ぶことでも知られていますね。

そして同社の開発スピードはさらに加速し続けており、2026年に入ってからの特許および商標出願数は110件を超え、前年比で約50%増という異例のペースで技術開発を進めていることも明らかになっていますが、その最新特許の中でひときわ異彩を放つのが「可動式リア・エアロダイナミック・ロードを備えたスポーツロード車両(Sport Road Vehicle With Variable Rear Aerodynamic Load)」と題された出願書類。

そこに描かれていたのは、「NFTハイパーカー」、F76の姿、そしてそのリヤに仕込まれた可変エアロデバイスです。

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Ferrari

この記事の要約

  • 未来型ハイパーカーの特許画像を公開:キャビン一体型ボディを持つ近未来的なミッドシップ・ハイパーカーの特許図面を米国特許商標庁(USPTO)へ出願
  • 真の狙いは「可動式テールランプ」:ハイパーカーのデザインそのものではなく、既存の「テールランプユニット」を可動させてリアウイングの長さを実質的に延長し、ダウンフォースとグラウンドエフェクトを高める革新的なエアロシステム
  • SUVや既存モデルへの市販展開も視野:スーパーカーだけでなく、プロサングエのようなSUVや市販モデルにも応用可能なシンプルなエアロ構造の特許も同時に提示されている

伝統とイノベーションの間で挑み続けるフェラーリ

可動式テールランプがリアウイングを“進化”させる新メカニズム

特許に描かれたマシンは「ほぼF76そのまんま」で、キャビン(乗員スペース)が極限まで低く抑えられ、一見するとドライバーが乗り込むスペースすら存在しないように見え、コックピット後方には巨大な空力チャネル(空気の通り道)が流れており、従来のミッドシップエンジンの配置概念を覆す構造を持っていることが分ります(おそらくはエレクトリックパワートレインを想定)。

しかし、フェラーリがこの特許で真に保護しようとしているのは、車両全体のスタイルではなく「既存のパーツであるテールランプをエアロパーツとして機能させる」という画期的なアイデアです。

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Ferrari

可動式テールランプ(アクティブ・エアロ)の仕組み

  1. 通常時(非作動時):ライトバー形式のテールランプは、メインのリアウイング下部に格納される
  2. 高ダウンフォース発生時:空気抵抗やリアの荷重バランスを調整する際、テールランプユニット自体が上方または後方へ可動する
  3. エアロ効果の最大化
    • テールランプが移動することでエアチャンネルが最大化し気流の抜けを改善。
    • 移動したランプ構造が実質的に「リアウイングの長さを後ろへ延長する」役割を果たす
    • これにより、ボディ下部のディフューザーから抜けてくる強い気流(グラウンドエフェクト)が上部ウイングの気流と綺麗に剥離することなく結合し、驚異的なダウンフォースを生み出す

なお、この構造はF76のプロモーションビデオ公開時にすでに示されており、フェラーリはこのとき特許の出願を行い、そしていま公開となったのかもしれません。

フェラーリ F76ハイパーカーのエクステリア〜リアのアクティブエアロ
Ferrari

ハイパーカーだけじゃない。SUVや市販車へ即座に応用可能な「シンプル版」も

特許内には、前述のようなモンスターハイパーカー向けの複雑な構造だけでなく、よりシンプルな形態の図面も用意されており、その一例として描かれているのが、フェラーリ初の4ドア4座モデル「プロサングエ(Purosangue)」を思わせるスタイリング。

このシンプルな構造では、ウイング下のエアロ通路に配置されたテールランプが斜め下や上方に角度を変えてスライド、あるいは「くるりんぱ」ウイングのように回転することで通過する気流のプロファイルを変化させ、スポイラーと同等の効果を作り出すという効果を持つもよう。※テールランプ部分が「一枚の板」となり、それが様々な角度や方向へと移動・回転することで空気の流れをコントロールする

なお、フェラーリは特許内で「車両のタイプや要件に応じて、ライトユニットの形状や作動用のアクチュエーターは変更可能である」と明記しており、今後のV8/V12ミッドシップモデルやフロントエンジンGTモデルにも容易に横展開できる仕様となっていることもわかります。

ホワイトのフェラーリ プロサングエ
Life in the FAST LANE.

そしてこういった内容を見るに、フェラーリのF1マシン、コンセプトカー、そしてロードカーは「密接な関わりを持つ」ということがわかり、またモータースポーツやコンセプトモデル、あるいはワンオフモデルで示された構造や意匠が「いずれは」ロードカーにまで降りてくるということもよく理解でき、今後の市販モデルには「乞うご期待」といったところなのかもしれません。

フェラーリの最新エアロ特許スペック比較

項目コンセプトハイパーカー版実用向け(プロサングエ等)版
基本構造可動式ライト+大型可動ウイング+アンダーディフューザー可動式ライトユニット+固定風道
主な目的極限のグラウンドエフェクトとウイング流路の延長整流効果の可変とスポイラー効果の創出
導入想定車種限定ハイパーカー・トラック専用車プロサングエ、次世代V8/V12市販モデル

フェラーリが貫く「美しさと機能美」の融合

かつてフェラーリの創業者エンツォ・フェラーリや伝説的デザイナーたちは、「巨大なリアウイングは車両の美しさを損なう」として、できる限り固定式の大きなウイングを装着することを避けてきたという歴史も。

パドルシフト(F1マチック)やカーボンセラミックブレーキなどを他社に先駆けて市販車に導入してきた同社ではありますが、空力分野においても「目立つウィングを後付けする」のではなく、「ボディ造形そのもので空気の流れを制御する」技術を磨き続けています。

  • Deformable Aero Elastic(可動式エアロエレメント):458イタリアのフロントで導入された、速度に応じて変形する柔軟な素材を用いたエアロ
  • Shut-off Gurney(シャットオフ・ガーニー):SF90ストラダーレなどで採用された、流路を遮断してダウンフォースを制御する可動パネル
  • フルボディ・アンダートレイ:F355にて導入された、「フルフラット」ボトム

今回の「可動式テールランプ」特許も、“すでに車両に存在するパーツ(ライト)にエアロ機能を持たせることで、無駄なパーツを増やさずに流麗な美しさと空力性能を両立させる”という、フェラーリ本来の美学に基づいた画期的なアプローチだと考えていいのかもしれません(ひとつのパーツに2つ以上の機能を持たせる)。

フェラーリ F76ハイパーカーのエクステリア〜リア
Ferrari

なお、現デザイン責任者であるフラビオ・マンゾーニ氏は「できるだけ隠せるものは隠す」という方向性を採用しており、とくにライト類に関してはそれが顕著(ブラックバンドの採用もそれが理由の一つである)。

実際のところ、F76においてもヘッドライトはふだん格納されており、「必要なときだけ」可動し出てくる仕組みを持っており、ここ最近発表されているワンオフモデルもまた「ランプ類が目立たないように」デザインされていますね。

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結論

今回判明した特許画像は「実現する計画がない」F76ハイパーカーの姿を持っていましたが、そこに込められた技術は決して遠い夢物語ではないのかもしれません。

「テールランプを動かして空力をコントロールする」という柔軟な発想は、早ければ数年以内に登場するフェラーリの新型スーパーカーやSUVのリアエンドに採用される可能性があり、「デザインの美しさを損なうことなく、サーキットでの圧倒的な速さを追求し続ける」というフェラーリの伝統を守りながらも既成概念を壊し続ける彼らの挑戦にはまさに脱帽といった感じです。

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参照:CARBUZZ

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