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【前代未聞】フェラーリが「ハイブリッドを使用せず」700馬力級を実現する「トリプル過給エンジン(トリプルチャージャー)」に関する特許を出願

フェラーリのキー
Life in the FAST LANE.

| これまでにも「ターボ+スーパーチャジャー」というツインチャージャーは存在したが |

「トリプルチャージャー」は前代未聞である

伝統のV12エンジンやV8ツインターボで世界中のファンを魅了してきたフェラーリ。

ブランド初の量産EV「ルーチェ(Luce)」を発表し、その初号車がオークションで異例の高値を記録するなど電動化方面でも大きな話題を呼んでいて、しかしマラネロの技術者たちは内燃機関(ICE)の限界突破を諦めたわけではなく、その証拠となる特許が公開され大きな話題に。

米国の自動車メディア、CarBuzzが発見した最新の特許情報によると、フェラーリは電動化(ハイブリッド)に頼らずエンジン単体の性能を極限まで高める「トリプル過給システム」を開発中であることが明らかになり、「EV時代の波が押し寄せる今だからこそ」フェラーリが挑む異次元のエンジンテクノロジーについて見てみましょう。

フェラーリは過去に「2気筒」「3気筒2スト+スーパーチャージャー」「V12ツインスパーチャージャー」などの変わったエンジンを開発していた。その背景とは
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この記事の要約

  • フェラーリが電動化に頼らず内燃機関の限界を突破する、画期的な「トリプルチャージャー(3過給機)」エンジンの特許を出願
  • 大型の排気ターボチャージャー1基と電動モーターで駆動する小型スーパーチャージャー2基を組み合わせることで、ターボラグを”皆無”にしレスポンスを極限まで高める
  • ブランド初の4ドア5人乗りEV「ルーチェ(Luce)」を発表し即完売させる一方、ピュアなガソリンエンジンの官能的な走りを諦めないフェラーリの強い執念が伺える
フェラーリ849テスタロッサに積まれるV8ツインターボエンジン
Life in the FAST LANE
フェラーリ849テスタロッサのエアインテーク(リヤフェンダー)
「ターボラグ」「ドッカンターボ」はもはや死語?どのように各自動車メーカーはこれを解決し、ポルシェとフェラーリが到達した“ラグなし”の回答とは

| ボク的にはターボラグを解消するには「ハイブリッド」が最適解だと考えている | 「電動ターボ」であっても即座に加給が駆動力に変換されるわけではない アクセルを踏み込んでから、パワーが炸裂するまでの「 ...

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フェラーリの「トリプル過給エンジン」特許の概要

今回判明したフェラーリの特許は前例のない革新的な「トリプル過給(Triple-Charged)」レイアウトを採用していて、通常のターボエンジンの開発では「低回転での鋭いレスポンス(小型ターボ)」と「高回転での圧倒的な最高出力(大型ターボ)」がトレードオフの関係にあり、双方のデメリットを補い、そして双方のメリットを活かすために「シーケンシャルツインターボ」が採用されるわけですね。

そもそもこれを採用する理由としては「エンジンが低回転状態だと、大きなタービンを回すだけの排気エネルギーが得られず、よってまずは(小さな排気流量でも回る)小さなタービンで加給を行い、そして回転数が上がってきた際に大きなタービンで巨大なパワーを稼ぐ」ことが目的です。

小さなタービンだとターボラグが小さく、しかし得られる加給は大きくはなく、一方で大きなタービンだと巨大な加給が得られるもののターボラグが大きく、そしてこの「ターボラグ」は永遠の課題ではあるのですが、現代においてはターボラグを解消するための様々な手法が確立されており、よっていまでは「シーケンシャル」ではない、等しい大きさのタービンを有するターボエンジンの方が多いようにも思います。

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フェラーリ296GTBに採用されるV6ツインターボ+ハイブリッドシステム
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そしてスーパーチャージャーの存在意義としては、これは「排気エネルギー」ではなく「エンジンの回転軸からコンプレッサー(ターボチャージャーでのタービンに相当)を回すことで「排気流量に依存しない」低回転時からの加給が可能となっており、しかしこれは「小排気量エンジンだとエンジンパワーを(コンプレッサーを駆動するための分岐で)食われる」「高回転にはヨワい」などの課題存在し、そして上述のように「ターボラグ解消技術が確立されている」「小排気量エンジンが主流となった」現代では消え去る運命にあるという認識です。※ただしアメリカンV8では現在でもスーパーチャージャーが少なくはない

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なぜトリプルチャージャー」が必要なのか

しかしフェラーリはこの今回、「ターボラグを完全に解消し、しかしより大きな過給圧を得るため」に1基の「大容量排気タービン」と2基の「電動スーパーチャージャー」を組み合わせるという大胆な解を導き出しており、低回転域の過給を排気流量に頼らず、無段階に、かつリニアに反応するエレクトリックモーターによって補うことで「アクセルを踏み込んだ瞬間に強烈な過給圧を発生させ、レスポンスの遅れ(ターボラグ)を完全にシャットアウトする」エンジンの実現を目指しているわけですね。

電動過給×排気ターボがもたらす超技術

このトリプル過給システムは、従来のツインターボやシーケンシャルターボとは異なる高度な制御メカニズムを持っていて・・・。

トリプル過給システムのメカニズムと特徴

  • 低回転時(電動スーパーチャージャー稼働): アクセルオンと同時に2基のエレクトリックモーター駆動コンプレッサーが即座に起動し、シリンダーへ空気を送り込む。排気ガスが少ない低回転域でもダイレクトな加速を実現
  • 高回転時(大型排気ターボへ移行): エンジン回転数が上がり十分な排気流が得られると、排気バイパスが開き大型ターボチャージャーが本領を発揮。800馬力オーバーを軽々と絞り出す空気を送り込む
  • 瞬時再過給の待機モード: 排気ターボ稼働時も、コンピューター制御により電動コンプレッサーをバックグラウンドで空転(プレスプール)させておくことで、減速からの再加速時にも隙のないレスポンスを維持
フェラーリ296GTBのエンジンルーム
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フェラーリ最新エンジン技術・関連モデル比較

項目従来型V8ツインターボ(例:F8等)最新トリプル過給システム(特許)
過給機の構成排気ターボ × 2基大型排気ターボ × 1基 + 電動コンプレッサー × 2基
過給圧の発生源排気ガスのみ排気ガス + 専用高電圧電動モーター
低回転レスポンスわずかなタイムラグが存在0回転から即座に発生(ラグゼロ)
想定システム電圧12V / 48V48V以上の高圧電源システム

競合比較・市場でのポジショニング

過給機を複数搭載したエンジンは過去にも存在しますが、今回のフェラーリの設計はこれらとは一線を画していて・・・。

  • BMW N57Sエンジン: 3基のターボを搭載したトリプルターボではあるが、すべて排気ガス駆動であり、低・中・高回転で排気流を切り替える方式を採用(BMWはディーゼル用としてクワッドターボも製造している)
  • ポルシェ 911 T-Hybrid: ターボチャージャーのシャフトに小型モーターを組み込んだ「eTurbo」を採用しているものの、システム自体は排気ターボの補助がメイン
  • フェラーリの特許: 完全に独立した「電動スーパーチャージャー2基」と「超大型排気ターボ1基」を組み合わせる点に独自性があり、過給の役割を完全に分離することで、ハイブリッドシステム(駆動用モーター・重い駆動バッテリー)を積むことなく、エンジン単体でハイブリッド並みのレスポンスとパワーを生み出ることが可能
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ただし2基の電動スーパーチャージャーを駆動し続けるだけの電力をどう確保するかは一つの課題でもあり、なんらかのエネルギー回収システム、そして大きめのバッテリーを搭載する必要があると思われ、「ターボラグを解消するために、どこまでの犠牲(重量ペナルティ)を許容するか」というバランスが課題となるのかもしれません。

フェラーリ849テスタロッサに積まれるハイブリッドシステム
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補足情報・EV「ルーチェ」と内燃機関への執念

2026年5月、フェラーリはブランド初の完全電動4ドアモデル「ルーチェ(Luce)」を発表し、最高出力1,000馬力超を誇るルーチェは発表と同時に即完売するなど高い評価と注目を集める一方、一部の熱狂的なティフォシ(フェラーリファン)の間では「エンジン音のないフェラーリ」に対する困惑の声が上がっていたのもまた事実。

今回のトリプル過給エンジンの特許出願は、まさにそうしたファンに対するフェラーリからのメッセージとも受け取ることができそうで、「どれほど電動化が進もうと、ピュアな内燃機関の官能性と技術開発を止めることはない」という Maranello(マラネロ)のエンジニアたちの強い意志が感じられるものでもありますね。

結論

フェラーリが新たに特許を出願した「トリプル過給エンジン」は、電動化時代においてガソリンエンジンが到達できる最高峰の回答とも言えるもの。

エレクトリックモーターを「車輪の駆動」ではなく「ターボラグの完全追放」という補機として贅沢に使うこのアプローチは、複雑さやコストを度外視してでも最上のドライビングプレジャーを追求するフェラーリだからこそ実現できる世界観でもあり、未来のミッドシップ・スーパーカーにこの型破りなパワートレインが搭載される日を待ち遠しく思います。

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参照:CARBUZZ

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