
| フォルクスワーゲン トゥアレグが2026年をもってついに生産終了 |
VWのイメージを大きく変えた立役者ではあったが
フォルクスワーゲン(VW)の最高峰SUVとしてブランドを牽引してきた「トゥアレグ(Touareg)」。
ついに2026年をもってその24年間にわたる歴史に幕を下ろすことが決定した、と報じられています。
ポルシェ・カイエンと共通の骨格を持つ高級SUVとして誕生し、世界中で累計120万台以上を売り上げたという実績を持ちますが、トゥアレグはまさにVWグループの「過剰品質(オーバーエンジニアリング)」とも言える存在です。
モンスター級のV10ディーゼルエンジンでジャンボジェット機を引っ張り、ダカール・ラリーを制覇した伝説的SUVの歩みについて見てみましょう。

この記事の要約
- フォルクスワーゲンの高級SUV「トゥアレグ(Touareg)」が2026年をもって24年・世界累計120万台の生産歴史に幕を閉じる
- フェルディナント・ピエヒ主導のもとポルシェ・カイエンとプラットフォームを共有して開発された過剰品質(オーバーエンジニアリング)の名車
- V10 TDIエンジンによるボーイング747の牽引や、DARPAグランド・チャレンジでの無人自動運転優勝など数々の伝説を樹立
- 内燃機関モデルとしては今代で終了し、将来的にEV(電気自動車)として名乗る可能性が濃厚
フォルクスワーゲン・トゥアレグの概要
トゥアレグのストーリーは、当時のVWグループ会長フェルディナント・ピエヒ氏の強力な主導によって始まっており、高級車市場への進出を掲げたピエヒ氏は、VWとポルシェに共同にて単一のプラットフォームを開発させることに。
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その結果として誕生したのが、ポルシェ初のSUVである「カイエン」であり、その兄弟車である「トゥアレグ」ですが、同氏は「大きくパワフルな」クルマが好きであったようで、ランボルギーニやブガッティを買収したのも同氏であり、そして「W12エンジンを積んだ」脅威のフォルクスワーゲン、「フェートン」の投入を推し進めたのも同氏です。
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かくして2002年の初代登場以来、3世代にわたって進化を続けてきたトゥアレグではありますが、日本市場だと初代(7L、2003年〜)、2代目(7P、2011年〜)にて販売が終了しており、現行世代の3代目(CR、2018年〜)は未導入。※ちなみに初代トゥアレグでは3.2L V6と4.2L V8が用意され、価格はそれぞれ495万円、645万円に設定されていた
しかしヨーロッパや中国などのグローバル市場では(3代目 CRの)販売が継続され、最終モデルとなる「ファイナル・エディション(Final Edition)」をもって内燃機関モデルとしての生産を終了することとなるようですね。

トゥアレグ伝説と主要諸元
トゥアレグを語る上で外せないのがその圧倒的な耐久性とメカニズムが生み出した伝説の数々で・・・。
トゥアレグが残した主な偉業
- ボーイング747の牽引(2006年): 市販状態に近いV10 TDI(5.0L V10ツインターボディーゼル)搭載モデルが、155トンのジャンボジェット機を150メートル以上牽引。テスト後もエンジンやトランスミッション、タイヤにダメージが一切なかったことで世界を驚愕させる
- DARPAグランド・チャレンジ優勝(2005年): 「スタンレー(Stanley)」と名付けられた特別仕様のトゥアレグが、ネバダ州の砂漠212kmを無人自動運転で走破し優勝。自動車の自動運転開発におけるパイオニアとなる
市場でのポジショニング
トゥアレグは、「VWのエンブレムを付けたポルシェ・カイエン」という唯一無二の立ち位置を維持しており・・・。
| 比較軸 | ポルシェ・カイエン | フォルクスワーゲン・トゥアレグ |
| プラットフォーム | MLB Evo(共通) | MLB Evo(共通) |
| キャラクター | 純粋なピュアスポーツSUV | 質実剛健かつ控えめなプレミアムラグジュアリー |
| 新車価格帯 | 高価格(プレミアム) | 手頃なカイエン兄弟機(ハイエンドVW) |
| 足回り設定 | 走りに振ったエアサス設定 | 快適性と走破性を高次元で両立 |
同じプラットフォーム構造やエアサスペンションシステムを持ちながらも”カイエンよりも手頃な価格”で同等のタフさや快適性を享受できる点が世界中のファンに愛された理由であったのだと考えられます。

中古車としてトゥアレグを所有するリアル
生産終了に伴い、初期モデルやV6/V10 TDIといった名機を中古車で狙うファンも少なくはなく、しかし、プレミアムな構造ゆえに維持費のリアルを知っておく必要があり・・・。
中古トゥアレグ所有時の注意点とメンテナンス費用目安
- エアサスペンションの寿命: 経年劣化によるエアバッグやコンプレッサーの交換は高額になりがち
- 定期メンテナンス費: 年間で約20万円程度のエキストラ予算を組んでおくのが推奨される
- 高額修理の可能性: オイルポンプ交換(新品だと65万円くらい)やディーゼル噴射ポンプ交換(37万円くらい)など、主要部品のトラブルに備えて80万円程度の予備資金を持っておくのが理想的

なお、後継としてアメリカ等で展開されている「VWアトラス」は、実用的な3列シートSUVとして人気を集めているものの、搭載されるのは2.0L直4ターボメインのパワートレインであり、トゥアレグほどの”オーバークオリティ”なメカニズムやロマン(V10やジェット機牽引能力などの伝説)は感じられず、よってトゥアレグは「内燃機関時代の贅を尽くした最後の本格的なフォルクスワーゲン製SUV」ともいえる唯一無二の存在です。
結論
24年間にわたりフォルクスワーゲンの技術的フラッグシップとして君臨した「トゥアレグ」の生産終了は、自動車業界におけるガソリン・ディーゼルSUVの「一つの時代の終わり」の象徴ともいえるもの。
純粋な内燃機関モデルとしてのトゥアレグは姿を消しますが、次世代の「SSP」プラットフォームなどを採用したフル電動SUV(EV)としてその名が復活する可能性が強く示唆されていて(ただし決定ではない)、ピエヒ氏の情熱が生んだ「伝説の過剰品質SUV」は電動化という新しい時代の波へと”そのスピリットを”継承してゆくであろうことが期待されています。
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参照:CARBUZZ











