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なぜ中国にはそんなにお金があるのか?中国の物価と利益の構造について考えてみる

2016/07/04

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中国について、物価が安いようで、実はけっこう高いんじゃないか、と考えたりします。
中国古来のものは安いのですが、その他のものはかなり高いんじゃないか、と思うのですね。

たとえば、車などはそうじゃないか、と思います。
ただ、単に関税(中国では輸入車に高額な関税がかかる)のことを指しているわけではありません。
たとえば、中国の自動車史というのは「輸入」から始まっています。
自国で自動車産業が発生したわけではなく、輸入開始後に自動車産業が発生したわけですね。
となると、基準が「輸入車」になります。
これは価格的な基準、ということです。

たとえばVWの車が中国に輸入されるとすると(今は現地生産ですが)、それが300万円くらいだとしますよね。
すると中国の企業はすぐにコピーを開始し、似たような外観の(性能は似ていない)車をつくり、250万円くらいで売るわけです。

実際の性能差を考えると50万円程度なんじゃないかと考えるのですが、他の選択肢(この場合はVWのの300万円)の価格が高いので、不必要に価格を下げる必要はないわけです。
中国人は商売のセンスは非常に優れており、「その製品がもっとも高く売れる価格」を知っているのですね。
そんなわけで、中国製品は実際の性能よりも非常に高いと考えているのです。

たとえば携帯電話も同じで、最初はモトローラやノキアの輸入から始まり、中国メーカーはそれらのコピーをノキアやモトローラより「ちょっと安い」価格で売れば良かったわけです。
今だとアップル製品がそうですね。

外食も同じで、マクドナルドやピザハットよりもちょっと安い価格で、それっぽい店構えにすればOKですね。

バッグや服も同じです。
すでにある輸入品と同じような外観で、ちょっと安ければ良いわけです。

つまり、中国古来の食品や工芸品というのは中国で形成されたマーケットと価格を持っていますが、あとから入ってきたものはそうではない、ということですね。
それは今の生活必需品の飲料や食品、歯磨き粉にも該当します。

日本の場合は外国に出た人がそれを真似て作ったりと日本で製品が発達してきた場合が多いように思いますが、中国の場合は国内からの動きではなく外資が中国に「売り込み」をかけた外的要因に市場形成の発端がありますので、今や生活必需品のほとんどは外国から来たものが起源とも言えます。

日本だと洗剤だと花王、サニタリーだとサンスター、ソーダだとミツヤサイダー、トイレだとTOTOという国内の企業がありますが、中国の場合はまずは外国製品からスタートしているので外国製品がベンチマークとなり、国内企業がそれを真似るという状況ですね。

なので歯磨き粉を買おうと思えばコルゲートが多いですし、便器や洗面台もコーラー社のものばかりです。

ここでもうひとつ考えてみましょう。

外観だけ似せて安くつくれば売れる、ということで、その製品は実際のコピー元の製品ほどの本質的価値を備えていないことになります。
また、コピー元の製品を見たことがない人もほとんどで、ルイ・ヴィトンのコピーを持っている中国人でも実際のルイ・ヴィトンを見たことがある人は非常に少ないようで、そもそも「コピーとわかって購入している」「本物を買う気もない」人々が購入しているわけですね。

なので、そのコピーが「そのものの価値に比べて高いかどうか」などを知ることはないわけです。
BMWのコピーを買う人が、BMWの価値を知っているわけではないということですね。

なので中国のコピーメーカーはとことん原価を抑え、外観は似せて(もしくはほぼ同じに)作ります。
本物の原価に比べてコピーの原価は非常に安く、しかし実際に販売される価格は本物に比べてそれほど安いわけではない。

となると、コピーメーカーの利幅は当然ながら異常に大きなものになるわけですね。
こういった状況が「桁外れの利益を」生む構造のひとつであり、意味不明なお金持ちを生む要因のひとつにもなっているのだと思います。
同時に、中国国民は同胞から「ボられている」ということですね。

中国メーカー間の競争などで価格は下がってきていますが、それでも「割高」と感じる場合がほとんどです。



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