Zero to 60デザインによる「フォードGTT」は2016年のSEMAモーターショーにて展示された
カスタムカーで、マスタングにフォードGTの要素を加味した車。
結構格好良く、オマージュとしても優れていると考えていたのですが、フォードはこれを「けしからん」として訴訟に発展する、という事態に。
これを受けて製造元はフォードGT風だったロゴを別のフォントに置き換えることで対処していますが、これで本件落着したようで、無事にこのカスタムカーを発売できるようになった、とのこと。
なおやはり人気が高かったのか予定していた25台から倍増して50台を販売するそうです。
価格は1500万円からのスタートで、仕様によって価格は変化。
主には三種類あるそうですが、その「GT風」スタイルはほぼ同じで、グリルやルーフ、フードなどほぼすべての外装パネルやパーツを新規作成しています。
さらにはオーバーフェンダーに22インチサイズのホイール、アイバッハのサスペンションキット、マグフロー・エキゾーストと全方面に対して抜かりない内容となっているようですね。
なおGTT-Sではスーパーチャージャーによって800馬力、GTT-SLではブレンボ製のブレーキキットやカーボンファイバー製のパーツが装着され、さらにはいパフォーマンス&豪華仕様になる、とのこと。
SEMAにて「Zero to 60 Design」による、フォード・マスタングにフォードGT風のエアロパーツを取り付けた「マスタングGTT」が展示され大きな反響を呼びましたが、フォードはこれに対して快く思っていない様子。
「マスタングとフォードGTは、フォードにとって重要な資産であり、これを侵害」としてこのチューナーに法的措置を取ることを検討中だとしています。
これはかなり複雑な問題で、たしかにこのチューナーはデザイン的にはフォードGTをパクったと言えますが、ブランドを貶める意図があったわけではなく、オマージュに近いようにも思われ(サードパーティーによるランボルギーニのカスタムがヴェネーノやセスト・エレメント風になるようなもの?)、チューナーにとってもちょっと意外かもしれません(とくにSEMAという何でもありの場において)。
おそらくこれは「見せしめ」の意味があると考えられるもので、フォードが「フォードGTのデザインを用いて商売することはまかりならない」ということを広く知らしめる意図があるのではと考えています。
よってこの件はメディアが報道することで目的を果たしたと考えられ、チューナーは無罪放免になるのでは、とぼくは予想。
なお今回の件を受けてZero to 60 Designは「GTT」のロゴを(フォード風のものから)独自性のあるものへ変更していますが、これで方が付きそうではあります。
別件となりますが、「ジンガー・ポルシェ」もまたポルシェに対してなんらかの法的措置を取られているようで(あくまでもその車はポルシェであり、ジンガーが考えたものではないという)、一悶着ありそうではありますね。
Zero to 60デザインがフォードGTをイメージしたマスタングを作成。
GTT(グランツーリスモ・トリビュート)と命名されており、ボディは広範囲にわたりモディファイを受けています。
確かにフォードGTばりのエッジの効いたデザインとなっており、そのクオリティもかなりのものであるようです。
フロントだとフフードの延長やフロントバンパーのカスタム、サイドからリアにかけてはサイドステップやドア、リアフェンダーなどが大きく変更を受けており、ランプ類がなければ「マスタング」とは一瞬で判別が難しいほど(なおホイールは22インチ)。
もちろんエンジンも外観にふさわしくパワーアップされており、5リッターV8は800馬力にまでチューンされている、とのことです。
SEMAにて展示されるとのことですが、大きな話題を呼びそうな一台ですね。