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ロールスロイスがワンオフモデルのカスタム幅を拡大?その背景について考える

2017/06/10

| ワンオフモデルの利益は比類ない |

ロールスロイスはイタリアのコモ湖にて開催されたコンコルソ・デレガンツァにて、ロールスロイス・レイスをベースにした「スウェプテイル」を公開していますが、これは車体の大半を作り変えたもので、一般的なメーカー純正カスタムの域を超えたもの。
ただしロールスロイスは「顧客の要望がある」とし、今後もこういったカスタムを行ってゆきたい、と会場で語った模様。

なお近年高級車・高額車における「カスタム」の幅はこれまでにないほど広がっており、これからも伸びそうな勢い。
たとえばポルシェだと996世代には「ボディカラーはホワイトかシルバー、内装はブラック」の個体がほとんどでしたが、現在の991.2世代だと非常に多様な仕様が見られ、中にはカスタムカラーを身にまとう911/ボクスター/ケイマンも珍しくはありません。

フェラーリも同様で、ちょっと前までは「ボディカラーはロッソかビアンコ、内装はブラックかタンレザー」だったものが458スペチアーレあたりから一気に流れが変わり、様々なカラーのフェラーリが見られるように。
スペチアーレ(限定モデル)に関してもF40はロッソしか公式には生産されていないのに対し、ラ・フェラーリでは様々なカラーバリエーションがあり、中にはグリーンやブロンズなど、これまでのフェラーリには見られないボディカラーを選ぶオーナーも登場。

それはランボルギーニも同様で、V10モデルだとガヤルド世代よりもウラカンのほうが圧倒的に(実際に納車される車の)カラーバリエーションが多く、しかも偏りが少なくなっている、と思います。

おそらくはロールスロイスも同じだと思われ、これまでに無いようなイエローやレッドといった鮮やかなボディカラーを持つカスタム車両をオーダーする人々も登場。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は Rolls-Royce-2.jpg です

なぜ最近になりこういった流れになったのかを考えると、ひとつは「オーナー層の入れ替わり」。
フェラーリ=ロッソ、という固定イメージを抱かない人(先入観の無い)層がオーナーになるケースが増えた、ということですね。※年齢や地域両方とも
もうひとつは副次的な要素だとは思いますが、「ネットの普及」。
これによって世界中のカスタム車両をチェックできるようになり、カーコンフィギュレーターでも様々な仕様をオンライン上で作ることが可能となったため、オーダーする人が「可能性」を知った、ということです。
最後は「メーカー側がカスタムを積極的に提供し始めたこと」。
これはアストンマーティンの「Q」、ポルシェの「エクスクルーシブ」、ランボルギーニの「アド・ペルソナム」、レンジローバーの「SVO」、マクラーレンの「MSO」、フェラーリの「テーラーメード」、BMWの「インディビデュアル」、メルセデス・ベンツの「デジーノ」等々。
卵とニワトリのような感じではありますが、こういった「3つ」がサイクルとして回転し、メーカー/ブランドごとのステレオタイプなイメージがなくなり、これまでになかったような選択が増えているのではないかと考えているのですね。

今回のロースルロイス(のワンオフ事業拡大検討)は顧客が「もはや内外装のカラーや素材の変更では飽き足らなくなった」という「新次元への突入」を表すものだと思われますが、現在の流れだと確実に各メーカーともカスタムの幅を広げる必要に迫られそうです(顧客がより大きなカスタムを受け付けてくれるメーカーに流れる可能性がある)。

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