| プライベートチームが大手メーカーとどこまで戦えるかはちょっとした見もの |
ル・マン24時間レースには来年より「ハイパーカークラス」が設立されますが、これは従来の最高峰であるLMP1クラスに取って代わるもの。
現在参加を表明しているのはアストンマーティン、トヨタ、そして今回車両を公開したスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス。
その他にもドイツのレーシングチーム、ByKollesも参戦を表明しているものの、こちらは規定をクリアできずに実際の参加は難しいかも。
そのほか、ケーニグセグ、ランボルギーニが参加を検討し、フェラーリは沈黙を守り、メルセデスAMGは不参加の意思を示しています。
SCG=スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスとは?
今回公表された「SCG007」はちょっとレトロなスタイルを持ち、かつてのフェラーリやアルファロメオを彷彿とされるスタイル。
ちなみにスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスを主宰するジェームズ・グリッケンハウス氏は、大のフェラーリコレクターとしても知られ、過去にはピニンファリーナを通じ、エンツォフェラーリをベースに「フェラーリP4/5」をワンオフで作らせたことも。
ちなみにこれはデ・トマソP72とデザインが非常に良く似ており(デ・トマソのほうが後出し)、訴訟を起こす起こさない、という話になっていますね。
そのほか、ジェームズ・グリッケンハウス氏は、やはりピニンファリーナがワンオフで製作した「フェラーリ・モデューロ」をオークションにて購入し、その後レストアして実際に走らせたことも。
そしてSCGはこれまでいくつかのスポーツカーを発売しているものの、やはりフェラーリやアルファロメオ、マセラティの影響がないとは言えない模様(これはSCG004CS)。
こんな感じでフェラーリなど1950〜60年代のレーシングカーとの共通性が見え隠れするのがSCGのクルマですが、ジェームズ・グリッケンハウス氏はクルマ好きがこうじて自分名義のクルマを発表し、かつそのクルマでル・マン24時間レースに参戦しようというくらいなので、まことに「あっぱれ」としかいいようがありません。
今回のSCG007について、スペック詳細が公開されていないものの、エンジンは3リッターV6とだけアナウンスされています。
以前にはこのエンジンより650馬力を発生し、ハイブリッドシステムにて150馬力をプラスするとコメントされていますが、規定では「合計750馬力まで」なので、ちょっと馬力が削られることになりそうですね。
なお、いかに市販車発売の実績があろうとも、アストンマーティン、ル・マン優勝経験のあるトヨタに混じってル・マンのトップカテゴリで戦えるのかどうかはちょっと疑問。
技術面はもちろんですが、資金的にも「かなり」のレベルが要求されることになり、現実的に「大丈夫か」と思ったり。
ただ、レギュレーションが厳しくなることで参戦コストが下がったりマシンの性能が接近する可能性もあり、実際に何年か前のル・マンではLMP1クラスのマシンがLMP2クラスのマシンに先行を許すシーンもありましたね。
ル・マン「ハイパーカークラス」の参戦条件はこんな感じ
そしてル・マンに新設されるハイパーカークラスですが、その規定は今のところ下記のように定められています。
なお、トヨタ(GRスーパースポーツ)は「ハイブリッドあり」、アストンマーティン(ヴァルキリー)は「ハイブリッドなし」で参戦する、とコメントしていますね。
・ハイパーカースタイルを持つこと ・ロードカーをベースとしていること ・2年以上継続生産されるクルマであること ・20台以上が生産されていること ・最低重量は1,100kg ・出力はトータルで750馬力 ・タイヤサプライヤーは1つ ・ル・マン・サーキットを3:30で走れること ・ハイブリッドは非搭載でも可 ・ハイブリッドシステムの出力は270馬力まで ・ハイブリッドシステムが駆動するのは前輪 ・プロトタイプの場合は専用のガソリンエンジン搭載も可能 ・車体と違うメーカーのエンジンは搭載不可能 ・燃料は一種類 |
VIA:SCG