| 昨年にティーザー画像が透過された後、何の音沙汰もなかったが |
おそらくは限定生産、そして購入難易度は非常に高いと思われる
さて、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したタイムマシンとして有名になったデロリアンDMC-12。
2021年で40周年を迎え、「新型デロリアンが登場」とウワサされたものの(実際にティーザー動画が公開された)、2021年には何ら発表はなく、しかし1年遅れの今年、ついに「デロリアン・エヴォルヴド(DeLorean EVolved)」としてなんらかの発表がなされるもよう。
これは実際にデロリアン・モーター・カンパニー(当時と経営もとは異なる)、そしてオリジナルのデロリアンDMC-12をデザインしたイタルデザインとの共同プロジェクトとして進められており、非常に実現性が高く、かつ「真正の」デロリアンDMC-12後継モデルとなりそうです。
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デロリアンは一体今どんな状況に?
そこでまず「会社」としてのデロリアンですが、簡単にその状況について述べておくと、1975年にゼネラルモータースを退社したジョン・ザッカリー・デロリアンによって設立され、その3年後、個人投資家やディーラー、北アイルランド工業開発庁などの関係者との交渉を経て、ベルファストのダンマリーに最初の工場を開設しています。
そしてこのデロリアンDMC-12はジョン・ザッカリー・デロリアンにとっての夢のクルマであり、そのために高い理想をもって開発にかかりますが、予算オーバーや経験不足といった難問をクリアしてなんとか1981年に発売にこぎつけたのが「唯一の市販車」、デロリアンDMC-12。
設計はロータス、デザインはジウジアーロ、そしてリアエンジンにステンレスの無塗装ボディという例を見ないクルマでもあり、開発費がかさんだために高額な価格設定を行なわざるを得なくなった結果として「ほとんど売れず」、会社は倒産にまで追い込まれています(1981-1982年の間に8975台が製造された)。
そして現在、デロリアンを名乗る会社は大きく分けると2つあり、有名なのは当時のデロリアンのパーツ等を買い取って設立された別会社「デロリアン・モーター・カーズ(本社はテキサス州ハンブル)」で、設立したのはリバプール生まれのメカニック、スティーブン・ウィン氏。
現在でも当時のパーツを使用して「新車」のデロリアンDMC-12を製造するほか、デロリアンDMC-12の修理やレストア、パーツ販売を行っています(テキサスの他、カリフォルニア、ミッドウエスト、フロリダに拠点がある)。
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そしてもう一つが、今回「デロリアン・エヴォルヴド」を発表した「デロリアン・モーター・カンパニー」。
法人としてはデロリアン・モーター・カーズとは「別」となるようですが(Tシャツなどデロリアングッズを販売しており、車両の販売は行ってない)、今回のデロリアン・エヴォルヴドについては、上述のデロリアン・モーター・カーズが製造すると言われるので、全くの無関係ではなさそうですね。
なお、現時点では新型デロリアンの購入方法や価格、スペック等、そのほとんどが不明です。
新型デロリアンはどんなクルマに?
そこで新型デロリアンについてわかっていることをまとめてみると、まず車体デザインは「イタルデザイン」が行うこと。
同社は現在フォルクスワーゲングループ傘下にあり、ランボルギーニがその株式を保有しコントロールしているとされますが、他社からのデザインや製造や開発の委託を受けている「製造能力を有するデザインカンパニー」。
日産GT-R 50 by Italdesignは(日産のデザインで)イタルデザインによって製造されていますが、イタルデザイン自身もかつて「ゼロウノ」なる(アウディR8ベースの)スーパーカーを発売したことがあります。
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もちろん、新型デロリアンのデザインをイタルデザインが行う理由は、「1981年当時のデロリアンのデザインも”イタルデザインが行ったから”」。
ただ、当時イタルデザインにてデロリアンDMC-12をデザインした(同社の創立者である)ジョルジエット・ジウジアーロはすでにイタルデザインを売却して無関係となっており、息子とともに自身のデザイン事務所”GFG”を別に設立しているので、残念ながら今回のプロジェクトに関わることはなさそうです。
そして今回のティーザー動画からわかることは非常に少なく、しかし初代同様にガルウイングを有することは間違いなく、しかしフロントには謎の「V」のグラフィック(ベトナムのヴィンファストを連想してしまうな・・・)。※昨年発表された(下の)ティーザー画像では、この部分には「DMC-12」の文字があった
そのほか、この新型デロリアンはピュアEVとなること、そしてプラットフォームにはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが開発したEVXモジュール・プラットフォームを使用することもわかっていて、このプラットフォームは最大で1360馬力を発生し、満充電あたりの走行可能距離が1000kmに達するということも明かされています(ただ、新型デロリアンがどの程度のパフォーマンスとなるのかはわからない)。
新型デロリアン、「デロリアン・エヴォルヴド」のティーザー動画はこちら
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