5年前に発表され未だ一台も製造されていないスーパーカー、「サリーンS1」唯一の走行可能な試作車が競売に。公式サイトには今でも「近日登場」の表記が見られるが

｜　サリーンはかつて公式に世界最高速度記録を達成したこともある由緒正しいスーパーカーメーカーである　｜

ただし現在の活動や経営状態については謎が多い

さて、サリーンS1のプロトタイプがオンラインオークションに登場して大きな話題に。

このサリーンS1は「サリーン復活ののろし」として2017年に発表されたもので、中国メディアが最初に発表したことから「サリーンが中国資本になったのでは」等の噂が流れており、しかし実際のところはナゾのまま（ワールドプレミアはロサンゼルス・モーターショーにて行われている）。

しかしながら2019年には中国で大規模な（ジェイソン・ステイサムを招いての）イベントも開催されており、中国企業との協調姿勢を強めているのは間違いないかと思われます。

しかし未だにサリーンS1は生産されていない

ただし注意を要するのは未だにこのサリーンS1が1台も生産されていないということ。

さらにはいくつかのプロトタイプが作られたものの、走行可能な個体は今回出品されている1台のみだとされ、よって今回出品されているサリーンS1は非常に貴重な個体ということになりますね。※これとは別に、2019年にキャンセルされたワンメイクシリーズ用に作成されたサリーンS1カップ用レーシングカーが20台存在する

ちなみにサリーンの公式サイトには「近日発売」との表記がなされ、その価格は12万ドルだと表示されているものの、実際に発売されるかどうかはまったくわからず、もしかするとこのままお蔵入りになるのかもしれません。

出品者の情報によれば、このサリーンS1は「サリーンのコレクターで、サリーンの主要出資者の所有物」だそうですが、この人物がサリーンS1を売却するのは「保管場所がなくなったから」。

このサリーンS1は（サリーンの）プロモーションに使用された後、2021年に現在の所有車へと売却されたとのことで、現在の走行距離は1,000マイル未満だと紹介されています。

サリーンS1はこんなスペックを持っている

搭載されるエンジンは457馬力を発生する2.5リッターターボ、トランスミッションは6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ、そして車体重量はわずか1,218kg。

車体のメイン素材はアルミニウム、ボディ外板はカーボンファイバー、そしてサスペンションは車高調整式、ホイールは鍛造20インチ、ブレーキはブレンボ製だと記載されており、なかなかに魅力的なスペックを持つ一台だと言えそうです。

なお、プロトタイプゆえ世界各国での法的要件を満たすだけの仕様を持っておらず、車台番号も打たれていないため、合法に登録することは難しく、そのため「公道走行が出来ない」クルマとしての販売となりますが、試作車といえどなかなかに（細部に至るまで）良く出来ており、サリーン愛好家にとっては魅力的な選択肢として目に映るかもしれませんね。

実際のところ、現在の入札価格は8万ドル（現在の為替レートで約1140万円）を超えており、相当に高い注目を集めているのは間違いないかと思います。

合わせて読みたい、サリーン関連投稿

参照：eBay