| 意外とイタリアのカロッツェリアがコルベットをベースにすることは多い |
2009年にベルトーネが発表したワンオフモデル、「マンタイド」がオークションに登場予定。
この車は2019年10月にアメリカは西海岸、ロングアイランドにある「オートスポーツデザイン」へと売却されたばかりだそうですが、なぜか今回、間をおかずオークションに登場することに。
なお、Mantideはベトナム語でカマキリを意味し、英語だと「マンティス」。
発表当初は10台のみが限定生産される予定だったものの、実際に製造されたのはこの1台だけに止まります。
もともとマンタイドは「レッド」だった
このベルトーネ・マンタイドは2009年の上海モーターショーにて発表されたコンセプトカーで、その後はグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード、ペブルビーチ(コンクール・デレガンス)に登場。
もともとデビュー時にはレッドのペイントされていたものの、その後購入したオーナーの意向にてベルトーネはこれを「ホワイト(ビアンコ・フジ)」へと再ペイントしています。※その後表舞台に登場したのはほど「再ペイント後」なので、マンタイド=ホワイトの印象が強い
そしてホワイトにペイントされる際に内装も一旦分解されてブラックのアルカンタラへと張り替えられ、パイオニア製のオーディオシステムが装着されることに。
シートにはボディパネル同様、サイズを変えた六角形がデザインとして用いられています。
その心臓はアメリカンV8
なお、このマンタイドの特徴の一つは「エンジン」。
エンジンにはC6世代のシボレー・コルベット最強モデル”ZR1”に積まれるV8エンジン(638馬力)が採用され、これによって0-100km/h加速は3.2秒、最高速度はなんと351km/h。
ドアは「バタフライドア(ディヘドラルドア)。
ドアミラーはAピラーマウント。
つまり、相当に着座位置が低いものと思われます。
現在のところコンディションについては明かされていないものの、オートスポーツデザインに売却されたときには16,093kmを刻んでいたと言われています(この手の車にしてはかなり走っている)。
テールランプはLED。
当時としては「最先端」だったということになりますね。
ホイールは「変形3本スポーク」。
ブレーキキャリパーはイエロー、そして「MANTIDE」のロゴが入ります。
フロントフェンダーにはサイズを変えた六角形モチーフのデザイン。
ベルトーネって何?
そして「ベルトーネ」ですが、これはかつて存在したイタリアのデザインカンパニーそしてカロッツェリア。
ランボルギーニ・ミウラやランチア・ストラトスなど自動車史に残る名車をデザインしながらも、その後自動車メーカーが自社でデザインを行うようになるという流れの中で存在意義を失い、ついに会社を整理したのは記憶に新しいところ。
なんとか存続の方法を模索して投資者を探したものの、ピニンファリーナやジウジアーロのように「パトロン」が見つからなかったということですね。
なお、会社をたたんだ際には所有していた車両(コンセプトカー含む)をすべて売却し債権整理に充てたようですが、このマンタイドもその一つなのかもしれません。
よく名前の出て来るベルトーネ。そのデザインや「なぜ消滅したのか」を考えてみる