| 品質問題云々が叫ばれる割にはテスラのリコールはそう多くないようにも思う |
販売面では非常に好調ではあるものの、フォルクスワーゲングループが「脅威」となりそう
さて、テスラがフロントトランクとリアトランクに関する問題にて、約50万台にわたる「モデル3」と「モデルS」の2車種につき(それぞれ別の問題による)大規模リコールを実施。
このリコールは、2017年から2020年の間に製造されたすべてのモデル3と、2014年から2021年のモデルイヤーの一部のモデルSが対象となっていて、現在のところ、この問題に起因する事故、負傷者、死亡者は確認されていない、とのこと。
NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration. 米国運輸省道路交通安全局)の公式資料によると、影響を受けるモデルの数は、2017年7月15日から2020年9月30日までに生産されたモデル3で356,309台、そして2014年9月16日から2021年12月23日の間に生産されたモデルSが119,009台だとされ、不具合が発生した車両の推定割合は、モデル3が1%、モデルSだと14%にのぼるのだそう。※リコール発表後にテスラの株価は0.4%下がっている
いったいどんな問題が?
この問題につき、具体的には、2017年から2020年のモデル3において、トランクリッドの開閉を繰り返すと、中央タッチスクリーンにバックカメラの映像を送信するためのトランクハーネス内の同軸ケーブルが過度に摩耗する可能性があるといい、これによって映像を正しく表示できなくなる可能性があると報じられ、対応としては必要に応じてガイドプロテクターと新しいケーブルハーネスを取り付けることになるようですね。
2014年から2021年のモデルSに関しては、セカンダリ・フランク(フロントフード)・ラッチに関係するといい、一部の車両では、ラッチアセンブリが後方に配置されすぎているため、セカンダリラッチがロックされない可能性があるもよう。
このため、誤ってプライマリーラッチが解除され、セカンダリーラッチが作動していない場合、警告なしにフランクが開き、ドライバーの視界が妨げられ、衝突の危険性が高まる可能性がある、とされています。
こちらの対応としては、ラッチ・アセンブリ装着時に位置がずれた可能性がある車両を検査し、無料で位置を変更することになる、とのこと。
テスラ・モデル3は欧州で最も売れたEVに
悪いニュースもあればいいニュースもあり、テスラ・モデル3は2021年に欧州でもっとも売れたEVとなりそうだ、という報道も。
12月の最終値はまだ出ていないものの、今年11月末までに欧州で販売されたモデル3は合計113,397台であることが明らかになっていて、これは昨年に比べて84パーセントの急増となり、モデル3は、今年最初の11カ月間に63,109台が販売されたVW ID.3を(倍ほど)上回り、2020年に比べて125パーセントの増加となっています。
モデル3は今年、ヨーロッパでの人気の高さを証明し、9月単月としても実際にヨーロッパ全体において最も売れた車となっていますが、モデル3の販売台数は、11月にVW ID.3とID.4の両方を上回ったモデルYの販売台数に追い越される可能性があるといい、モデルYとモデル3とを合わせると「相当な数」を売ったということになりそうですね。
なお、テスラは西ヨーロッパで2%の市場シェアを獲得していると報じられ、これは2020年のシェア(0.9%)の倍以上となり、ジャガー・ランドローバーよりも高いシェアを誇る、とのこと。
テスラはヨーロッパにて合計17万台の販売を達成して今年を終える可能性が高いされますが、2021年の欧州で最もEVの販売台数が多いのはフォルクスワーゲングループだと見られ、VW、アウディ、シュコダ、ポルシェ、キュプラの各ブランドを合計すると欧州で約30万台のEV販売を行った可能性が大。※
そしてテスラは「2位」、それに続く3位はステランティス、ルノー・日産は4位になると予想されています。
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参照:Auto News, NHTSA