ある意味で現代の奇跡！ベトナム初の自動車メーカー「ヴィンファスト」がEVを2モデル発表、欧州とアメリカに進出。他社にデザインや生産の協力を求めたことが奏功か

｜　今回発表されたVF8とVF9のデザインはピニンファリーナ　｜

性能に比べると価格は非常に安く、一定の成功を収めるかもしれない

さて、ベトナム初の自動車メーカー「ヴィンファスト」。

2017年に設立されるやいなやすぐに市販車を発売し、そして昨年のロサンゼルス・オートショーにて北米進出を果たし、さらに今年には欧州での販売開始も開始する予定です（北米での発売はその後となるもよう）。

なお、北米と欧州に投入されるのは「VF8」と「VF9」の2モデルですが、これはロサンゼルス・オートショーにて発表されたVE e35とVF e36とが改名したもので、中身は同じだとされています。

ヴィンファスト VF8はこんなクルマ

そしてこちらはヴィンファストVF8（VE e35）で、Dセグメントに属する2列シートのSUVとなり、Ecoモデルだと36,133ユーロ（41,000ドル）から、上位モデルのPlusバージョンでは42,669ユーロ（48,000ドル）という価格設定がなされています。

ライバルはテスラ・モデルYあたりだとされ、デュアルモーター＋全輪駆動版では最高出力402ps（408PS）と457 lb ft（620Nm）を発揮し、最大サイズのバッテリーを選択するとフル充電状態で航続可能距離313マイル（499km）を走行することが可能です。

なお、シングルモーターバージョンだと201馬力（204PS）、そして最小サイズのバッテリーをであっても航続距離は285マイル（459km）を確保していると報じられています。

なお、デザインはピニンファリーナによるもので、「スポーツカーからインスピレーションを得た、「空力を最適化するための最新のデザイン言語」を採用している、とのこと。

ヴィンファストVF9はこんなクルマ

一方のヴィンファストV9について、こちらは最大7人乗りの大型SUVとなり（BMW X7と同じくらいになるようだ）、V8と共通したデザインを持つフロントマスクを採用し、しかしウインドウやCピラー周辺のグラフィックが異なります。

パワートレインはVF8と同じだとされ、しかし車体が大きい分「より容量の大きい」バッテリーを積むことが可能だとされているので、航続距離はのう少し長くなりそうですね（標準仕様で484km、大型バッテリー仕様で679kmだと推測されている）。

VF8、VF9ともにとも15.6インチの大型コンソールタッチスクリーン、ヘッドアップディスプレイを装備し、レベル3の自律走行機能が将来的に（アップデートにて）提供されるだろう、と言われています。

VF 9の価格はEcoグレードで49,280ユーロ（56,000ドル）、Plusでは53,413ユーロ（61,000ドル）を予定しているといい、まずはVF8とともにドイツ、フランス、オランダで先行販売された後、2022年の後半にアメリカへの上陸を予定している、とのこと。

なお、これまで自動車メーカーを持たなかったベトナムにて設立され、ここまで速い速度で生産や販売を軌道に載せた後、欧州や米国にまで進出するというのは驚きではありますが、その理由としては他社の（ひとつ型遅れになったモデルの）製造設備を購入し、コンサルティングを受けながら製造を行う方式を採用したためだとされています。

今回のVF8やVF9については、EVであるために「型遅れ」の生産設備を入手することはできなかったと思われ、しかし自社で設計を行ったとは考えにくいため、どこかへ（まず欧州での販売がなされるということはマグナ・シュタイヤーあたり？）に生産を委託しているのかもしれません。

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