
| 今後は台数を制限しつつも品質を確認しながら製造開始、サイバートラックの本格生産に移るのは2024年 |
現段階では最終の価格やスペックについては明かされていない
さて、チョコチョコとテスラ・サイバートラックの製造に関する情報がリークされていたものの、今回ついにテスラから公式に「サイバートラック第1号車の生産を終えた」という発表がなされることに。
生産を行ったのはもちろんギガファクトリー・テキサスで、投稿された画像にはスタッフに囲まれる1台のサイバートラックが映し出されていますが、スタッフが人差し指で作っている山型のサインがサイバートラックを表しているようですね。
ただ、肝心のサイバートラック自体は(人に囲まれているので)その全容をみることができず、わかるのはルーフそしてワイパーやドアミラーくらい。
ただしこれらは最近ピーターセン自動車博物館に展示されたものとほぼ同じように見えます。
ついにテスラ「5番目の」ラインナップが登場することに
なお、今回テスラのいう「生産」とは(プリプロダクションモデルではなく)市販モデルを指しているものと思われ、しかし現時点では市販モデルの最終的な価格やスペックはナゾのまま。
加えてイーロン・マスクCEOは「サイバートラックの生産が開始され、納車を行う際にはイベントを開催する」ともコメントしているので、近日中になんらかの(イベント開催についての)アナウンスがあるのかもしれません。
それはともかくとして、2020年1月に4番目のラインナップとなるモデルYの生産を開始してから3年半後、テスラにとってようやく5番目となる乗用車ラインナップが加わるのは非常の喜ばしく(これだけの期間にニューモデルが追加されなかったことはむしろ驚きで、にもかかわらず販売を伸ばしてきたことにはさらに驚かされる)、しかもサイバートラックの予約は150万台もあると言われ、さらにはアメリカでもっとも売れているボディ形状でもある「ピックアップトラック」でもあるため「成功は約束されている」ものと考えられます。

ただ、当面問題となるのはその「生産能力」であり、イーロン・マスクCEOによれば、サイバートラックの生産がフルに行われた場合「年間25万台から50万台」だとされ、そしておそらくは当面ギガ・テキサスのみでの生産になると思われるために大きくこの数字は変わらないのかもしれません。
テスラは他に(テスラ最大の規模を誇る)ギガ上海、ギガベルリン、そして最初の工場であるフリーモントを持ちますが、サイバートラックはサイズ等の問題もあってアメリカ市場以外では大きなヒットとなりえないものと思われ、テスラとしてはサイバートラックの生産を(世界各地の工場に)拡大するよりも、25,000ドルで発売するとされる「もっとも安価なEV」の開発に取り組み、ワールドワイドでの販売台数を伸ばすことに集中する可能性が高いのだと思われます。

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しかしながらこのサイバートラックは、発表時がそうであったように、テスラや自動車に興味のない人であっても(好むと好まざるとにかかわらず)その存在を無視することは難しく、というのもサイバートラックのデザインは他のテスラや他の道路を走るクルマに全く似ていない異質なものだからで、納車が始まればおそらく街中で最も写真を撮られる車両となり(ぜったいにだれもが振り返るクルマだと思う)、テスラにとって大きな話題となるのは間違いなさそう。
そうなればさらに人気が加速化し、一般にトラックが売れないと思われた地域であってもサイバートラックの需要が高まる可能性も否定できず、その意味でもサイバートラックは世界を変えてしまうかもしれません。
https://intensive911.com/wp-content/uploads/2023/02/Tesla-Cyberteuck.png今回生産された車両については、おそらくは顧客にすぐに引き渡されることはないものと思われ、もしかするとテストに使用される可能性も残されており、実際の納車がはじまるまでには後少し待たねばならないものと思われます。
参考までに、イーロン・マスクCEOは「私たちは、人々が望むだけ、そして買えるだけの数を作るだろう」と述べる一方、「サイバートラックは新しい製造方法、つまり超硬度30X冷間圧延ステンレス鋼製の外骨格を持つ新しい車であるため、手頃な価格にするのは難しいだろう。設計は困難だが、製造はもっと困難だ」とも。
同時に、「生産はまだ始まったばかりであり、サイバートラックの立ち上げはこれまでで最も難しく、長いものになる」とコメントしています。
First Cybertruck built at Giga Texas! 🤠 pic.twitter.com/ODRhHVsd0t
— Tesla (@Tesla) July 15, 2023
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