| 「水中でも燃え続ける」というのは通常の範囲の理解を大きく超えている |
この状態だともう放置して自然に鎮火するのを待つしか無いだろう
さて、EVは一旦燃えだすとその炎の勢いが凄まじく、そして消火が難しいと言われますが、今回は「水中でも燃えている」テスラ・モデルYの動画がネット上へと投稿されて多くの人を驚かせることに。
なお、水没する前後の状況は動画に収められておらず、よって報じられる範囲でしかわからないものの、ジェットスキーを下ろすために岸壁に設けられたスロープを下っていたところ誤って水の中に入ってしまい、そこでショートか何かが生じて「発火」となったようですね。
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消防隊はやむなくテスラ・モデルXを水中に放置して火災が収束するまで待つことに
このテスラ・モデルXが水没してしまったのは「故障によるもの」だと伝えられており、しかし(ジェットスキーを下ろしやすくするために)多少車体が水に浸かったところでシステムに不具合が生じたのか、それともスロープ上で故障しそのままスロープから水中に下って行ったのか等はナゾのまま。
このテスラ・モデルXはジェットスキーを下ろした後に水没したそうで、その際クルマに乗っていた女性はドアを開けて脱出することができなくなり、しかし異変に気づいた夫が(走り出したジェットスキーで)戻ってきて無事に妻を救助して事なきを得たのだそう。
ただ、動画を見ても分かる通り、水没した状態でも車両はずっと燃え続けており、現地(フロリダ州ハリウッドのハリウッド)消防救助隊は引き上げて鎮火させるよりも「炎が収まるまで」放置することを選んだと伝えられています。
テスラは「自社のEVはボートとして機能する」というが
ちなみにですが、テスラCEO、イーロン・マスク氏はこれまでに何度か「テスラのクルマは水に浮く」「水上で(タイヤを回転させることで)ボートのように進むことができる」と発言しており、実際に同様の例もいくつか動画としてアップされていますが、今回のモデルXの場合はリヤハッチや後席ドアが開いたまま浸水したために「浮く」ことができなかったのかもしれません。
ただ、仮に浮いたとしてもいずれかの機器がショートして発火していた可能性もゼロではなく、いかなる場合であっても(他のクルマ同様に)水没に際しては大きなリスクが潜むのは間違いないものと思われます。
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参考までに、BYDの高級ブランド、ヤンワンから発売されたSUV、「U8」は水上航行が可能であり、公式プロモーション動画でも水の上を進む様子を確認できます。
ただ、安全に航行できるのは「無風で波や流れがない」状態に限られるものと思われ、風があったり波があると、水上では無力になってしまうのかもしれません(それに抗えるだけの推進力を持たない)。
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参照:Hollywood Professional Firefighters