
| わずか3日で8,600台のテスラが販売され、これは昨年「1-3月で」販売された7,000台とは比較にならない |
あまりにテスラが売れすぎたため、現在は政府の調査対象に
さて、世界各地で「販売が急落した」と言われるテスラですが、なぜか1月のカナダではテスラの販売が急増しており、あまりに売れすぎたためにカナダのEV(電気自動車)補助金制度の予算が「枯渇してしまった」とのこと。
そして「補助金制度が一時停止されるわずか数日前」、テスラはカナダにて「3日の間に8,600台の車両を販売しており」、この数字がどれくらいなのかと言うと、現地で人気のエレクトリックトラック、フォードF-150を「8,000台も」上回るものだと報じられています。
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テスラの販売は欧州のみではなく「世界規模で」急落していた。ドイツでは76%、オーストラリアでは71%、中国では49%も減少
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この急激な販売増加に対し、テスラは当局の調査対象に
もちろんこの販売台数はテスラにとっても「異常」なレベルにあり、さらに異常なのはわずか4つの販売店(トロントに2店舗、ケベックに1店舗、バンクーバーに1店舗)のみで8,600台の販売が記録され、各販売店では1時間に6台のペースでテスラが販売されていたことになる、といえば理解できるかもしれません。
カナダでの補助金制度は1月13日に一時停止されたそうですが、その3日前の1月10日には「1月13日に補助金の一時停止を行う」という発表がなされ、これを受けて上述のテスラディーラー4店舗が「補助金停止までの3日間に8,600台を販売した(2024年だと1-3月の合計が約7,000台であった)」ということになり、しかしこの異常なペースが現在問題視されているわけですね。
なぜ「問題」なのかというと、この4店舗のみで「補助金を使い切ってしまい」、そのためほかのEVを販売するディーラー(様々なメーカーを入れると200店舗ほどあるらしい)の顧客が補助金を活用できなくなったからであり、要は「不正の疑いあり」ということに。
実際のところ、(わかっている範囲で)これらディーラーは2,300人の顧客に対して「補助金によって割り引かれた」車両価格を提示していたものの、テスラが先にこれを使い切ってしまったため他のディーラーは補助金を使えずにEVを売ることができなくなってしまい、結果として1,000万カナダドルの損害が生じたとも報じられています。
カナダ自動車販売業者協会(CADA)の代表を務めるヒュー・ウィリアムズ氏は、カナダのテレビ局CTVニュースの取材に対して「たった数日間でこれほどの販売が達成されたことは常識的に考えてあり得ない」とコメントし、「何らかの形でテスラに事前情報が伝えられていた可能性や、登録プロセスに不正行為があった可能性がある」と指摘しており、カナダ運輸省(Transport Canada)に対して販売データの詳細な調査を求めるという事態にまで発展。
運輸省は現在、テスラが申告した8,600台の新規車両登録に関する詳細なデータを精査しており、販売店が補助金プログラムを悪用し不当な利益を得た可能性を検証している段階だそうですが、テスラ自身はこの件に関して公式コメントを発表しておらず、静観を続けているという状況です。
現在まだ「白黒はっきり」しているわけではありませんが、カナダのEV補助金制度はこれまでに50万台以上の電気自動車販売に適用されており、しかし今回の事態によって同制度の公平性と適正性が問われる形となってしまい、カナダ政府はテスラ販売店による登録手続きの妥当性や、事前に補助金終了の情報が伝わっていた可能性などを重点的に調査する方針だと伝えられています。
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参照:CARBUZZ