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| この忠誠心は、発展途上であり今後多数の選択肢が登場するEV市場において大きな強みを発揮する |
いずれにせよ、ネガティブな報道がなされるのは「それだけ人々が興味を抱くから」でもある
さて、つい先日は「テスラCEO、イーロン・マスク氏の言動が顧客をテスラ車の購買から遠ざけている」という報道があちこちでなされたばかりですが、最新の調査ではそれとは真逆に「個々の自動車メーカーの中で、テスラが最も高いブランド忠誠度を誇っている」ことが明らかに。
つまりはどれほど憎しみに満ちた発言をしようとも、どれほど偏った政治的思想を持っていようとも、ドナルド・トランプにどれだけの金を寄付しようとも、結局のところ人々は「気にしない」のかもしれません(ぼくもそういったことは気にしない。これらを騒ぎ立てるのは結局のところ、「もともと買わない」層だと思う)。
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その影響は「皆無ではない」とは考えるが
もちろん、一連のイーロン・マスク氏の言動がテスラのブランド忠誠度に与えた影響は「皆無」ではないと思われますが、それでも今回、テスラはS&Pグローバル・モビリティの「ブランド全体の忠誠度」賞を2年連続で受賞しており、「最も高いコンバージョン率」でもトップに輝いています。
これは本当に驚くべきことで、多くのライバルが登場し、それらの一部はテスラよりも優れていると評されるなか、それでも人々は「イーロン・マスク氏が送り出した製品」を購入しているわけですね。
そのほか、今回の受賞者は「メーカー全体の忠誠度」賞としてゼネラルモーターズ(単独ブランドではなく、複数ブランドを抱える自動車メーカーとしての受賞)、「モデル全体の忠誠度」においてリンカーン・コルセア、「最も改善されたブランド忠誠度」においてランドローバー、「ディーラー全体の忠誠度」においてスバルといった面々も。
ただし2025年版の調査では「どうなるか」わからない
今回の調査は「2024年通年」において、米国で登録された1,310万台以上の新車データを分析することによって導き出されたもので、S&Pグローバル・モビリティによれば「この賞はブランド忠誠度の重要性を強調するものであり、新車を所有するユーザーが再び市場に戻った際に、同じブランド、モデル、またはメーカーの車を購入するかどうかによって決定されます」。
つまりこの忠誠心は「そのブランドのクルマをまた買うかどうか」によって主な判断がなされており、テスラの場合は「また買う」確率が非常に高いということを示しています。
ただ、この調査はドナルド・トランプ新大統領が誕生する前のデータを参照種ているため、新大統領誕生後の2025年版調査ではどういった結果が出るのかはわかりませんが、イーロン・マスク氏の奇行は以前から話題になっていたにもかかわらず、それでも「テスラからテスラ」へと乗り換える人が多いのは一つの事実。
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さらに(テスラへの)新しい流入の増減がどう推移したのかはわからないものの、いったんテスラを購入した人の流出が他ブランドよりも低いことだけは明らかです。
そして今後EV市場においては様々な自動車メーカーから様々な新型車が登場し、消費者としては「目移り」してしまう状況となるはずですが、そこにおいてこのテスラの「忠誠心」は非常に有利に働くことになるのかもしれませんね。
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