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F1でも活躍した名門「リジェ」。ニュルへと挑み66年間も破られなかった記録を更新、伝説を樹立【動画】

F1でも活躍した名門「リジェ」。ニュルへと挑み66年間も破られなかった記録を更新、伝説を樹立【動画】

| トラバントの記録を破った「28分25秒」の衝撃 |

速さではなく「遅さ」で歴史に名を刻む

世界中の自動車メーカーが「コンマ1秒」を削るためにしのぎを削る聖地、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)。

メルセデスAMG Oneが6分29秒という驚異的な速さを見せる一方、全く逆の方向で歴史を塗り替えたメーカーが登場しています。

その名門とはフランスのレーシングカーコンストラクターにして超小型車メーカーのリジェ(Ligier)で、かつてF1で活躍(9勝をあげている)したこの名門ブランドが今回挑んだのは、なんと「最も遅い公式ラップタイム」の更新。

1960年に東ドイツのトラバント P50が記録した「16分1秒」という、66年間誰も破れなかった(破ろうとしなかった)伝説に終止符を打っています(公式として記録されるためには様々な手続きを踏む必要があり、どのメーカーや団体もコストを掛けてまでこの記録には挑まない)。

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この記事の要約

  • 新記録達成: リジェ JS50(ディーゼル)が28分25秒81を記録
  • 驚愕のスペック: 最高出力わずか8馬力、最高速度は時速45kmに制限
  • 過酷な遠征: パリからニュルまで約500kmを自走し、そのままコースイン
  • 限定車発売: この「栄光」を記念した特別仕様車が2026年中に欧州で発売

28分間の「サイクリング・スピード」走行

今回の記録に挑んだのは、2人のフランス人ジャーナリスト。

彼らが操ったのは、フランスでは14歳から無免許(要講習)で運転できる「クアドリシクル(四輪軽自動車)」「VSP(Voiture Sans Permis)に分類されるリジェ JS50です。※なぜリジェが「レーシングカーと欧州軽規格のクルマという両極端な展開を行っているのかはわからないが、レーシングカー / 軽規格両方とも「JS」という共通のネーミングが与えられているのが面白い。なおリジェのクルマはレーシングカーであろうとなかろうとJSという名称を持っており、JSとは創業者であるギ・リジェの親友であったジョー・シュレッサー(事故死)のイニシャルである

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記録の裏側

  • 速度域: 電子リミッターにより時速45kmが限界。上り坂では(パワー不足によって)さらに速度が落ちるため、ラップタイムはトラバントの16分を大幅に超える28分25秒に
  • 燃費性能: パリからニュルまでの450km以上をワンタンクで走りきり、平均燃費は約40.2km/L(94.1 mpg)を達成。速さよりも「効率」を証明する旅となる
  • EV版の記録: 同時に持ち込まれたEV版JS50は27分55秒、よりパワフルな上位モデル(最高速75km/h)は19分53秒を記録。これらすべてがトラバントの記録を下回る「最遅三冠」を達成

記念モデル「Ultimate Racing Experience」登場

リジェはこの「公式最遅記録」をジョークで終わらせず、なんと記念の特別限定車を発売する、とのこと。

JS50 Ultimate Racing Experience エディション(2026年モデル)

  • 外観: フランス国旗をイメージしたブルー・ホワイト・レッドのトリコロールカラー
  • 足回り: 16インチのグロスブラック・アルミホイールに、あえてナンカン製のセミスリックタイヤ(RC-1)を装着
  • 内装: アルカンターラのシフトブーツ、アルミ製ノブ、青いシートベルトなど、ラグジュアリーかつスポーティな演出
  • その他: 記録達成を祝う専用バッジやステッカーが各所に配される
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なぜリジェは「最遅」に挑んだのか?

かつてギ・リジェ率いるF1チームで勝利を重ねたブランドが、なぜ今このような活動をするのか。

リジェ側はユーモアを交えつつ、「14歳から乗れる自由と、圧倒的な経済性」をアピールするためだと語っています。

ニュルは性能のベンチマークではあるものの、リジェにとっては「壊れずに、そして効率的に走りきること」が最高のパフォーマンス。

28分間フルパワーで走り続けることは、ある意味で超高速走行と同じくらいエンジンの信頼性を試すテストでもあったというわけですね(それ以前に、500kmを自走したことにもびっくりである)。

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参考までに、リジェは現在LMP2、LMP3クラスのレーシングカーを製造していますが、軽規格車の製造販売については欧州トップクラスのシェアを持つといい、まさかこの分野で「リジェ」の名を聞くことになろうとはという驚きも。

しかしながら、たとえ軽規格であろうとも高い耐久性を持つという点につき、「さすがル・マンレーサーを作っている会社だけある」、と妙に納得させられてしまいます。

結論:記録は「速さ」だけではない

今回リジェが証明したのは、自動車の楽しみ方は一つではないということ。

6分台で駆け抜けるハイパーカーも、28分かけて景色を楽しみながら(?)走り抜けるマイクロカーも同じニュルの歴史の一部となったのだと考えてよく、2026年、欧州の路上ではこの「最遅の称号」を誇るスタイリッシュなリジェが走り回ることとなりそうです。

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リジェ JS50が「ニュルブルクリンクで最も遅い記録」を達成する動画はこちら

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参照:Ligier

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