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| アメリカ車最速。シボレー・コルベットZR1Xがニュルブルクリンクで6分49秒をマーク |
プロドライバーではなく「GMエンジニア」自らの挑戦
全長20.8km、通称“グリーン・ヘル”ことドイツ・ニュルブルクリンク北コース。
この難関コースを7分を切って走破できる市販車はごくわずかですが、そんな中、アメリカ車として初めてフォード・マスタングGTDが今年5月に6分52秒072というタイムを叩き出しています。
しかし今回、それをさらに上回るタイムで“アメリカ最速”の称号を奪ったのがシボレー・コルベットZR1X。
今回発表された公式タイムによるとZR1Xは6分49秒275を記録したうえ、さらにZR1も6分50秒763という好タイムを残し、マスタングGTDの記録を書き換えることに成功しています。
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コルベットZR1Xの記録はこうやって達成された
驚くべきは、この記録をプロレーサーではなく、GMの開発エンジニアたちが達成した点。
ZR1Xをドライブしたのはドリュー・カテル氏、ZR1はブライアン・ウォレス氏、そしてZ06はアーロン・リンク氏がステアリングを握り、7分11秒826というタイムを記録した、とアナウンスされています。
彼らは全員、豊富なニュルブルクリンク走行経験を持つ熟練エンジニアであり、例えばリンク氏は800周以上も“グリーン・ヘル”を走り込んでいるベテランなのだそう。
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タイム比較表
以下はシボレーが公開した「ニュルブルクリンクの上位ランキング」ですが、コルベットZR1は全体でのトップを獲得できなかったものの、かなり高いポジションにいることもわかりますね。
ZR1およびZR1Xは、AMG GTブラックシリーズやポルシェ911 GT3 RSよりも速く、量産アメリカ車としては史上最速です。
車種 | タイム |
---|---|
メルセデスAMG ONE | 6:29.090 |
ポルシェ911 GT2 RS(Manthey) | 6:43.300 |
ポルシェ911 GT2 RS | 6:44749 |
メルセデスAMG GT ブラックシリーズ | 6:48.047 |
シボレー・コルベット ZR1X | 6:49.275 |
ポルシェ911 GT3 RS(992) | 6:49.328 |
シボレー・コルベット ZR1 | 6:50.763 |
フォード マスタングGTD | 6:52.072 |
(参考)シボレー・コルベット Z06 | 7:11.826 |
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さらにZR1Xはフロントに電動モーターを備えたハイブリッドAWD仕様となり、これはコルベットE-Rayと同様の構成で、加速性能とトラクションを両立することに。
また、Z07パッケージやZTKパフォーマンスパックによって空力とブレーキ性能も強化され、ニュルブルクリンクへのアタックに最適化されています。
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アルミスペースフレーム&理想の重量配分
ミッドシップレイアウトを採用するZR1/ZR1X/Z06は、軽量なアルミスペースフレームとリアマウント・トランスアクスルを備え、前後重量配分は理想的な40:60。
かねてより低重心と高剛性ボディが高速コーナーでの圧倒的な安定性をもたらすとアナウンスされていますが、今回はそのタイムをもって圧倒的なパフォーマンス、そして「史上最速・最高のコルベット」であることが立証されれたわけですね。
「開発、製造、そしてニュルブルクリンクでの実走テストまで、私たちのエンジニアリングとクルマがいかに限界を超えてきたかを証明しました。これこそが史上最高のコルベットです。」
マーク・ロイス GM CEO
ドキュメンタリーも公開中
今回の記録達成を記念し、GMは「Homegrown Speed: A Corvette Story」というドキュメンタリーを制作。
ミルフォード・プルービンググラウンドからニュルブルクリンクまで、エンジニアとマシンの軌跡を追っています。
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