| VWは根本的な改革が必要だと考えている |
現在、ディーゼル不正事件の渦中にあるフォルクスワーゲングループ。
先日はグループCEOが衝撃の交代となっており、この背景には「ちょっとでもディーゼル不正事件に関連した重役は総入れ替え」という意図があるようで、そのため新しいCEOや役員には「クリーン」な人物が選ばれている模様。
なお「クリーン」ということは、当時重責を担っていなかったということになり、逆に考えると「上位マネジメント経験のない」人物を大抜擢した、ということで、人事の若返りはもちろんですが、抜擢された人にとっては「棚ぼた人事」だと言えるかもしれません。
CEO、役員の入れ替えに続き体制やロゴも変更
加えてフォルクスワーゲングループは12個あるブランドを「超高級車(スーパープレミアム)」「高級車(プレミアム)」「大衆車(ボリューム)」「商用車(ビジネス)」という4つのグループに分割するということも公表しています。
そしてさらに今回発表されたのが「来年にVWのロゴを変更する」ということ。
上の画像は現在のロゴですが、これもVW構造改革によって新たにCMO(Chief Marketing Officer)へと就任したJochen Sengpiehl氏が語ったところでは、「より楽しく、カラフルな」ロゴを検討中だとされています。
同氏はこれまでを振り返り、「フォルクスワーゲンはこれまでドイツ色を強く押し出しすぎた」とコメント。
しかしこれからの時代を考えると変化が必要だとし、より消費者に近いイメージを出すこと、よりSNSにて映えるであろうロゴを検討している模様。
加えて現在フォルクスワーゲンの問題とも言える「利益率の低さ」を改善するために価格帯を向上させたいと考えており、それを正当化できるようなブランドイメージを作ることを考えて今後新しい活動(地域ごとにマーケティング拠点を作るなど)を行ってゆきたい、と語っています。
時代は「二次元」
なお、フォルクスワーゲンは今後エレクトリックシリーズ「I.D.」の発売を控え、さらには中国重視の姿勢を改めて強調。
それには「ドイツの品質」をメーカー目線で一方的にアピールするよりは「より無国籍」なイメージでテクノロジーや多様性、親しみやすさをアピールする必要がある、と考えたのでしょうね。
ちなみに2015年までのフォルクスワーゲンのブランドコピーは「Volkswagen . Das Auto(これが真のクルマだ。フォルクスワーゲン)」。
それまでは各国の言語を使用していたものの、世界統一で「ドイツ語」に統一しています。
これはドイツの品質を強くアピールすることが目的であったとされていますが、ディーゼル不正事件発覚後にはこの使用を取りやめてシンプルに「Volkswagen」のみに変更(上から目線を批判されないように)。
今回はさらにロゴ自体を変更することになりますが、これまでに押し出してきた「三次元的」なロゴから「二次元的」なロゴに変更されるというのは「時代の流れ(プロモーションのメイン、ブランド認知機会の主たる場がスマホ経由になると踏んでいる)」だと言えそうですね。
なお、一時期は各ブランドともロゴを「立体的に」表現することを意識してロゴ変更が相次いだ時期も(ボルボもそのひとつで、ロゴが立体的に)。
しかしながら昨年あたりから「平面(二次元)」に戻すメーカーも登場しており、たとえばミニがそのひとつ。
時代とともにロゴマークが変遷するのは当然の成り行きですが、「まさか二次元に逆戻りするとは」という感じですね。
なお、新しいミニのロゴ(エンブレム)はこんな感じ。
フォードはこういった感じで最近のロゴは「立体風」ですが、これも「平面」に戻るかもしれませんね。
BMWもまた二次元に戻るかも。
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