| やっぱり市販車が出場しないと感情移入ができない |
さて、もうさっぱり「見込み違い」に終わりそうなル・マン24時間レースのハイパーカークラス”LMH”。
今回、ル・マン24時間レースの公式Youtubeチャンネルが「ハイパーカークラスとはなんぞや」ということを動画にて公開しており、その内容を紹介したいと思います。
ル・マン・ハイパーカークラスは最高峰カテゴリ
ル・マンにはこれまで大きく分けて「プロトタイプカー」と「GTカー」というカテゴリがあり、プロトタイプカーには「LMP1」「LMP2」、GTカーには「LM GTE-Pro」と「LM GTE-Am」とが存在。
そして今年からLMP1に変わるトップカテゴリとしてハイパーカークラス、すなわちLMHが設定されます。
ハイパーカークラス参戦の要件としては当初下記が定められていますが、これを満たすのは難しく、現在は「緩和」がなされているものと考えるのが妥当です。※従来のLMP1規定に沿ったノンハイブリッドマシンはLMHに参加できるらしい
LMH参加条件
- ハイパーカースタイルを持つこと
- ロードカーをベースとしていること
- 2年以上継続生産されるクルマであること
- 20台以上が生産されていること
- 最低重量は1,100kg
- 出力はトータルで750馬力
- タイヤサプライヤーは1つ
- ル・マン・サーキットを3:30で走れること
- ハイブリッドシステムの出力は270馬力まで
- ハイブリッドシステムが駆動するのは前輪
- プロトタイプの場合は専用のガソリンエンジン搭載も可能
- 車体と違うメーカーのエンジンは搭載不可能
- 燃料は一種類
- 初年度はテストの走行距離無制限
- 自動車メーカー以外の参加は不可
ハイパーカークラスに参戦する方法は2つ
そしてこのハイパーカークラスに参戦する方法は2つ。
ひとつはこのLMH専用に自社で1から設計するか・・・。
もしくは2023年に導入されるLMDh規定に則り、4つのコンストラクターから提供されるシャシーのうち1つを選択して参戦するという方法。
LMDh車両については、現在のところ以下の規定が定められていますが、LMH、LMDhともに「同様のパフォーマンスを発揮するように」調整が図られているようですね。
LDMh規定
- ダウンフォース:ドラッグ比が4:1
- 最高出力は670馬力
- エンジンは各マニファクチャラーが開発可能
- ホイールベースは3,150ミリ
- 全長5,100ミリ以下、全幅2,000ミリ以下
- ボディは各マニファクチャラーで開発可能
- ハイブリッドは有りでも無しでもOK
- ハイブリッド有りの場合、モーターはボッシュ、バッテリーと制御系はウイリアムズより供給され、こちらの改造は不可
2021年の参加チームは3つ、2022年には+1、2023年には+2
そして2021年シーズンにおける参加チームは3つしかなく、トヨタ・ガズー・レーシング、バイコレス・レーシング、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス。
ただし2022年にはプジョーも参加し、2023年にはLDMh規定を活用する形でポルシェとアウディが参戦(再びポルシェとアウディとの戦いを見ることができる)。
ル・マン24時間レース開催側(ACO)としては、市販されているハイパーカー(ブガッティやパガーニ、ケーニグセグ、フェラーリ、ランボルギーニなど)が参加することでレースが盛り上がることを期待していたのだと思われますが、今のところでは「これまでと変わらず」市販車とはかけはなれた異形のレーシングカーばかりが走ることになりそうです。※近年のレーシングカーはあまりに市販車とかけ離れており、感情移入をしにくい
ル・マン24時間レース公式、「ハイパーカークラス」を開設する動画はこちら
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