フォックスコンは自社でもEVを展開する傍ら他社の製造も引き受け、さらには新会社も設立するということに |
EV時代の勢力図はこれまでの自動車業界とは全く異なるものになりそうだ
さて、アップルの下請けとしてiPhoneの製造を行っていることで知られるフォックスコン(Foxconn Technology Group)が、電気自動車の製造に特化した合弁会社を設立する可能性についてサウジアラビアと協議している、との報道。
なお、フォックスコンは自社にてEV用プラットフォームを開発しており、これを広く他社に供給する計画を発表していますが、すでにフィスカーがフォックスコンと生産委託契約を結んでいる、とも報じられています。
-
【今日のニュース:EV編】テスラ・モデル3が微妙にマイチェン、中国のiPhone製造工場がEVへと参入etc.
| EV業界は今後あわただしくなりそうだ | さて、今日のニュース、EV編。まずはテスラ・モデル3がアップデートされたという件ですが、外観の変更はごくわずか(サイドギルのデザインがちょっと変わったくら ...
続きを見る
さらにフォックスコン自身は(当初)自社ブランドにてクルマを展開するつもりはなく、あくまでも下請けとして生産に集中するという話があったものの、最近では台湾の自動車メーカー、ユーロンと協力して開発したフォックスコン・モデルC、モデルE、モデルTの3台にて自動車業界に参入しており、加えて米国のスタートアップ企業であるローズタウン・モータースの旧工場を買収しているので、どうやら本腰を入れてEV生産に乗り出すことになりそうですね。
-
米でバブル化しつつある新興EVメーカーの株式公開。創業1年で上場し「10万台の受注を集めた」ことで株価が高騰したローズタウンの受注がウソだった模様。今後こういった例が多数出そうだ
| 上場直後の値上がりだけを目的に会社を作り、上場させるEV関連企業がいっぱい出てきそう | さて、現在アメリカにて盛んなのが特別買収目的会社上場によるEV(電気自動車)関連会社の株式公開。これによっ ...
続きを見る
車体にはBMWを使用
なお、現時点では情報が限られているものの、サウジアラビアの公共投資ファンドがヴェロシティという名の新会社を設立し、この新会社が合弁会社の過半数の出資者になるはずだという「関係者」の話が報じられています。
この投資ファンドは現在、約4,500億ドルの資産を運用しており、石油資源の豊富な王国の経済を(石油が不要になった将来においても活動できるよう)多様化するために電気自動車事業に関与したいと考えていて、フォックスコンはサウジアラビアで製造される新しい会社に対してソフトウェア、電子機器、電気アーキテクチャを提供することになるもよう。
この報道を見る限りではフォックスコンは自社が進めている「EV下請け化計画」とはまた別にて活動を行う(サウジアラビアの新会社を技術的に援助するにとどまる)ように見え、実際に同じ報道では「この新会社が製造するEVは(フォックスコンではなく)BMWの車体を使用する」とも。※ただしBMWは自社の利益を守るため、ひと世代前以前の技術を提供するという
これについては、このサウジアラビアの新会社とBMWとが年内にも契約を締結すると報じられており、これが実現するとちょっと面白いことになるのかも。
BMWは他社へのコンポーネント供給に積極的?
参考までに、BMWはベトナム初の自動車メーカー、ヴィンファストに対しても車体と生産設備の供給を行っており、こういった「車体の供給」に対してはけっこう積極的なのかもしれません(ヴィンファストが立ち上げから製造までスムーズに進んだのはここに理由がある。もしかするとBMWはコンサルティング業務まで行ったのかもしれない)。※さらに、BMWはランドローバーにエンジンを提供している
-
ベトナム初の自動車メーカー「ヴィンファスト」が北米と欧州に進出との報道!2017年設立の自動車メーカーとしては異例の速さで世界展開を加速中
| ほとんどの新興メーカーが「口だけ」だが、ヴィンファストには行動が伴っていたようだ | 車両自体はBMWやオペルからのパーツ供給によって製造、デザインはピニンファリーナ さて、ベトナム初の自動車メー ...
続きを見る
参照:Automotive News