| 様々な意味において中国製EVは既存自動車メーカーの目を覚まさせることになるだろう |
そしておそらく、一部の既存自動車メーカーは淘汰を受けることになるだろう
さて、現在いくつかの中国の自動車メーカーにつき、急速にデザイン力を向上させていることが指摘されていますが、一方で自動車としてのパフォーマンスについても侮れないクルマが出てきているのもまた事実。
こういった現状を踏まえ、「いずれ欧米の市場は中国車で埋め尽くされる」「日本車も安泰ではない」と見るアナリストも少なくはなく、しかし中国車については実際のデータが不足しており、どれくらいの性能を持つのかわからないといった疑問もあるかと思います。
そこで今回、おなじみCarwowがドラッグレースにて中国車のパフォーマンスがどれほどのものかをテストしており、ここでその内容を見てみましょう。
対決するのは「ドイツ製」「中国製」EV4モデル
今回登場するのは「ドイツ製」「中国製」のEV(電気自動車)4モデルですが、ドイツ組の筆頭はポルシェ・タイカンGTS。
最高出力598馬力/850Nmを誇り、車体重量は2,310kg、現地での価格は111,000ポンド(現在の為替レートにて約2045万円)。
そしてBMW iX M60は619馬力/1,100Nmを発生し、その重量は2,584kg、車両価格は123,000ポンド(2267万円)。
中国組は両者ともヒューマン・ホライズン製となっており、まずHiPhi Zは672馬力/872Nm、車体重量は2,539kgm価格は90,000ポンド(1659万円)。
そしてもう一台のEVはSUVタイプのHiPhi Xで、出力は598馬力/820Nm、車体重量は2,580kg、価格は93,000ポンド(1714万円)。
こうやって見ると、この4台は「それほど遠くない」ポジションにいることがわかります。
実際にドイツ製EVと中国製EVとがドラッグレースを走ったらこうなった
そしてここからは実際にドラッグレースを走った結果ですが・・・。
スタート直後からは想像以上の接戦です。
なかなか差がつかず・・・。
そこから前に出たのがポルシェ・タイカンGTS、そしてBMW iX M60。
タイカンGTSはそのまま逃げ切って11.8秒でゴール。
BMW iX M60は12.0秒。
ハイファイZは12.3秒。
ハイファイXは12.7秒。
この結果を見るに、パワー/トルク/重量の関係性とよく似た結果となっていますが、タイカンGTSが非力にもかかわらず速かったのは「2速トランスミッション」を積んでいるためだと思われます。
ただし、いずれにせよ中国製EVが恐るべき速さを誇ることは間違いなく、ランボルギーニの技術主任、ルーベン・モア氏が「EV時代における加速は、もはや差別化要素ではありません」と語ったことがよく分かる結果となっていて、日米欧の自動車メーカーはなんらかの排他性を自社のEVにもたせてゆく必要も感じさせられます。
もちろんクルマは加速性能だけで語られるべきではなく、安全性、危機回避性能といった項目も重視されなくてはならないと考えているものの、実際には「価格と目に見える数字(出力)」だけでクルマを選ぶ人も少なくはなく、だからこそ欧州市場で中国製EVの販売が急増しているのかもしれません。
そして北米や日本には「まだそれほど」中国製EVが入ってきていないものの、今後多数の中国自動車メーカーが進出してきた暁には、一定の層が中国製EVへと流れることも想像でき、自動車販売における勢力図が大きく変わることになる可能性もありそうですね。
ドイツ製EV(ポルシェ、BMW)と中国製EVとがドラッグレースを走った動画はこちら
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参照:carwow