| いかに安く手に入ろうとも、水没車を原状復帰させることはかなり困難であるということがよく分かる |
もし水没車を蘇らせようと思うならば、一刻も速く手当を開始したほうがよさそうだ
さて、事故や火災などクルマには様々な災難が襲いかかりますが、その中でも「もっとも厄介」だと言えるのが”水没”。
水没車の場合、見た目は問題なさそうに感じられたとしても、いたるところにまで水が侵入し、時間とともにその問題が拡大する可能性が出てきます。
そして今回、水没したクルマのエンジンの内部がどうなっているのかを紹介するのがユーチューブチャンネル「I Do Cars」。
今回はハリケーン・イアンの被害にあって水没したカマロに積まれていた5.7リッターV8エンジン(LS1)の分解と修復を試みる動画を公開しています。
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水没したエンジンは分解するのにも一苦労
早速ユーチューバーはエンジンの分解にかかりますが、エンジンの外観だけを見ると「部分的には錆びているものの、あまり問題は無い」ようにも。
ただし内部が腐食して各部が錆びついているためか、クランクは全く回らない状態であり、オイルも抜けきっている、と前置きしています。
実際のところボルトやシャフトにはサビが及び、部位によっては抜き取るのも一苦労。
インテークマニホールドを取り外して分解作業を進め、そこで改めて「かなりひどい」状態、そしてロッカーアームアッセンブリーが激しく錆びていることがわかります(逆にエキゾーストバルブはそれほどまで錆びていない)。
内部のほとんどが錆びているため、バルブリフターを抜くのにかなり苦労したと語っており、通常のプロセスや工具とは異なる手段を用いて(無理やり)分解してゆきます。
ちなみにエンジン内部はとんでもない異臭がする、とのこと。
水没車の多くは淡水であれ海水であれ侵入した水が腐って異臭がすることがあり、これもまた水没車の復元を難しくしている理由でもありますね(金属や樹脂であれば異臭を取り除くことも可能だが、カーペットやクッション、張り材などから異臭を取り除くことは不可能である)。
いたるところに水が侵入しており、一部パーツは完全にサビで固着していることも判明したそうですが、それらパーツはもう再利用が不可能であると思われます。
さらにはサビを除去したとしても腐食してしまい、本来の機能を期待できないパーツも。
今回のエンジンはおよそ「水没後1年」を経過したものだそうですが、水没車のエンジンやトランスミッションを救おうとすれば、より早い段階での対応が望ましいのは言うまでもないかもしれません。
水没したシボレー製V8エンジンを分解してゆく動画はこちら
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参照:I Do Cars