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米にて中国製自動運転ソフトを搭載したクルマの販売禁止か。中国車だけではなく中国へとソフト開発を委託している日米欧の自動車メーカーも影響を受ける可能性

米にて中国製自動運転ソフトを搭載したクルマの販売禁止か。中国車だけではなく中国へとソフト開発を委託している日米欧の自動車メーカーも影響を受ける可能性

| これによってアメリカと中国との摩擦がいっそう強くなることは間違いない |

実際のところ、中国以外のメーカーの製品から「中国」要素を排除することは容易ではないだろう

さて、米国が最近「コネクテッドカーの国家安全保障リスクについて話し合うため、主要同盟国との会議を開催した」との報道。

この「リスク」とは自動運転車で使用される中国製ソフトウェアに関するもので、バイデン政権はこのソフトエウアにつき(中国製のPCやアプリと同様に)”中国企業がドライバー監視システムを使用して会話を盗聴または録音している可能性”だと報じられています。※販売した車両のみではなく、EVを専門とする中国企業がプロトタイを用いてカリフォルニア州だけで45万マイル(約724,000 km)以上のテスト走行を行い、その期間を通じてドライバーの情報のみならず、車外カメラにて多数の機密情報を取得したとされている

これは事実上の「非関税障壁」でもある

この会議では、(中国製ソフトウェアをベースとした)レベル3以上の自動運転システムを搭載した車両の販売禁止を検討していると報じられており、これが実行(禁止)されれば事実上の「中国車締め出し」としても機能することに。

つい最近、米国は中国製EVの輸入関税を4倍に引き上げたところですが、これらの政策によって米国は中国製EVが国内市場に大量に流入するのを防ぎたいと考えているのだと思われます。

そして今回の「中国製自動運転ソフト禁止」につき、米国商務省は今後数週間以内に禁止を提案すると見られていますが、これが可決されると「販売」のみならず、米国の道路でテストされている多くの中国製の自動運転プロトタイプの走行も禁止されることになるといい、これによって中国のみならず日米欧の自動車メーカーとそのサプライヤーは「自社の採用する自立運転ソフトウエアが、中国で開発されていないことを確認する」必要が生じるわけですね。

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なお、多くの自動車メーカーがソフトウエアの開発やパーツの製造を下請けに発注しており、そしてその下請け(あるいはそのまた下請け)の管理ができていないとポルシェやBMW、ジャガー・ランドローバーのように「規制に引っかかってしまって輸入(通関)ができずに販売ができない」ということが起こり得ます。

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つまり中国の自動車メーカーではないからといって、中国製ソフトや輸入規制対象のパーツを使用していないとは限らず、実際に中国市場に重きを置くフォルクスワーゲンやアウディは中国のソフトウエア開発会社に(ソフトの開発を)委託しており、現時点ではこれらは「中国専用モデル」にしか搭載されないと言われるものの、このソフトを転用しないようにしっかり管理しなければ「大きな問題」となる可能性も出てきます(そして転用できないとなると、ソフト開発コストを北米で販売するクルマと按分できなくなる)。

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クルマの販売は今後(世界中で)ますます困難に

かつて車の販売に関わる規制は「衝突安全基準」や、灯火類などに関する「保安部品」に関するものが主たるものでしたが、現在では「コネクテッド」という要素がここに加わっていて、これに関する基準や規制はまだまだ発展途上。

しかしこれが今後クルマの販売に大きく関わってくることは間違いなく、実際に欧州では「サイバーセキュリティ法」によってポルシェ・マカン、そして718ケイマン・ボクスターの販売ができなくなったのは記憶に新しいところです。

ポルシェ
さよならポルシェ718ケイマン / ボクスター。欧州ではサイバーセキュリティ基本法に対応できず販売が終了。なお日本でも同法が導入され段階的に規制を開始

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今回の米国の案件については(商務省の広報担当者の声明によれば)「コネクテッドテクノロジーに関連する国家安全保障上のリスクが懸念されている」とのことで、ホワイトハウスと国務省は、(上述の通り)今週初めにオーストラリア、カナダ、欧州連合、ドイツ、インド、日本、韓国を含む主要同盟国と「コネクテッドカーに関連する国家安全保障上のリスク」についての会議を開催していますが、今後も開催されるであろう同様の会議を通じ、少しづつ今後の「コネクテッドカーに関する規制」が固められてゆくのかもしれませんね。

そしてもちろん、中国はこれに対して不快感をしめしており、ワシントンの中国大使館の広報担当者は、「分業と協力だけが相互利益をもたらし、公正な競争だけが技術の進歩をもたらします。中国は米国に対し、市場原理と国際貿易ルールを真摯に遵守し、各国の企業に公平な競争の場を作るよう求め、中国は自国の合法的な権利と利益を断固として守ることに集中する」とコメントしており、ここに新たな火種が誕生したと考えることも可能です。

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