
| 日常的に使用するクルマの購入を考えているが |
これは非常に良い傾向だとボクは思う
現在ぼくは「日常的に乗る」クルマの購入を考えているのですが、そこで輸入車 / 国産車問わず様々なディーラーを訪問し試乗するようにしているというのがいま現在。
そこでいくつか感じた変化があり、ここで簡単にまとめてみたいと思います。
この記事の要約
- 最近の自動車ディーラーでは(はじめて)訪問した際、「ヒアリング担当」のような人が出てくることが多くなった
- その後に「その客にマッチした」セールスパーソンを配するようになったような気がする
- 近年の自動車は「クルマ本来の性能」で差を出しにくくなり、その価値が別方向へとシフトしている
- その価値をより良く理解してもらうための方法が試乗である
- 現代の顧客はディーラーを訪問しクルマを買うという一連の体験にも価値を見出している
「営業担当者」と話をする前にワンクッション入るように
まず1つ目は「営業担当者と話をする前に、ワンクッション入るようになった」ということ。
どういうことかというと、以前は(特に国産車ディーラーだと)ディーラーに入るやいなや、「ご予算は?今なら値引きできるクルマがありますよ」といった具合にすぐに買うか買わないか、そしてお金の話になったり、「今すぐ注文しない客は客じゃない」みたいな雰囲気があったものの、ここ最近だとまずは感じの良い人が出てきて色々と世間話を交えながらヒアリングを行い、その後に「営業担当を呼びますので」といってセールスパーソンと入れ替わることが増えたように思います。

これは国産車ディーラー / 輸入車ディーラー問わずの傾向であり、しかしおなじブランド(たとえばBMW)であっても必ずしもそうではないため、自動車メーカー側やインポーター側の方針ではなく、あくまでもディーラーや販社側の方針なのかもしれません。
そしてこういった「最初に出てくる感じのいい人」は往々にしてこんな感じの印象で・・・
- 聞き慣れない肩書の場合が多い(なんとかマイスターとか、なんとかアドバイザーとか)
- 経験値がありそうな、安心感のある年齢の男性が多い
- 体型や身なりに気を配っているという印象がある
- 歯や爪がきれい
- 話し方や物腰がおだやかで安心感と信頼感がある
簡単にいえばそのお店やブランドを印象づける重要な人でもあり、よって(不快感を与えないルックスだけではなく)話し方含むヒューマンスキル、そしてコミュニケーション能力が高い人物を選んでいる、という印象です。

適正な顧客に適切なセールスパーソンを
そしてここからが重要で、その「最初に出てくる人」がいろいろと質問してくるわけですが、一方的に質問するだけではなく、「さりげなく」質問をしてきてその人のライフスタイル、好み、家族構成、クルマの用途、現在の状況などを引き出すことに。
そして一定の情報を取得したと思われる時点で「セールス担当を呼んできますので」といって離席することとなり、ちょっとしてからセールス担当と一緒に戻ってきて、その後セールス担当に商談を引き継ぐというパターンがここ最近の一般的なケースです。
そしてぼくが思うのは、「離席したときに」その顧客にマッチしたセールスを選んでいるであろうということで、たとえば主婦っぽい人にはイケメンの若いセールスパーソンを案内したり、「メカオタク」のような顧客にはその方面の知識が豊富な営業担当を、そして「サーキットをバリバリ走る」顧客にはその話に対応できる担当を選んでいるんじゃないか、というわけですね。

実際のところ、これまでの例でも「話した内容にマッチする」営業担当を紹介されたことが多く、ちょっと前だと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のTシャツを着てディーラーに行ったところ、スマホケースにデロリアンのステッカーを貼ったセールス担当がついたことも。
現在、商業の世界では「顧客の方から買いたくなる」ような環境を作るのが主流である
ちなみにですが、「顧客の話をよく聞いて、その顧客に合った製品を提案する」という手法は数年前からハイブランドを中心に拡大していて、ハイブランドのスタッフは一見して「どうでもいいように思える」話をあえてしながらも、会話の中から顧客に会う自社製品を頭の中で探し出し、それを紹介する、という手法を採用することが多くなっています。
そしてその時購入に至らなかったとしても、LINE IDを交換し、その顧客が「好むであろう」商品が入荷したら案内して「買う気にさせる」という営業手法を取り入れるようになっていて、「売る」よりも「顧客が進んで買う気になる」ような下地(関係性)を作ることが主流となっているわけですね。※自分好みの製品を紹介してもらうことで、顧客はそのセールス担当が「自分のことをよりよく理解してくれている」という帰属意識を抱く可能性もある

よって、上述のような営業手法をとるディーラーでは「売りつける」「無理に(好みに合わない)クルマを勧める」というこようなことはなく、情報の提供に徹して「待ち」の姿勢を取ることが多いもよう。
たしかに、「あの店に行くと”売りつけられる””強烈に営業がプッシュしてくる”から嫌だ」となれば、自然に客足が遠のいてしまい、よって今は自動車ディーラーであっても「より多くの顧客を呼び、より多くの人に自社製品の魅力を知ってもらい、ブランドや店舗、スタッフにもいい印象を持ってもらい、顧客が進んでその製品を買いたくなるようにする」ことが長期的に見て理にかなっているのでは、とも考えます(その時限りのノルマよりも、永続して購入してくれる、ロイヤルティの高い顧客を”育成”することが肝要である)。
現代のクルマはますます「試乗しないとわからない」
そしてこういった販売手法において重要なポジションを占めるのが「試乗」です。
集客については、メーカーやインポーターが様々な広告を打ったりキャンペーンを実施して「ディーラーへと」ポテンシャルカスタマーを誘致してくれますが、やってきた顧客を「買う気にさせるかどうか」はディーラーの手腕ということに。
そして上述のように「その見込み客にマッチした」セールスパーソンを配置することでその顧客を繋ぎ止め、そしてそのクルマをよりよく理解してもらうための手段が「試乗」です。

ちょっと前のクルマであれば、カタログスペックを見ればある程度の走行性、運動性能の予測がついたものの、現代ではパワートレインが多様化し、車体制御技術やドライバーアシストの精度や内容がメーカーそしてモデルによって全く異なっていて、しかしそれらは広告やカタログ、YouTubeにアップされる動画でもなかなか把握しにくいものばかり。
そして走行性能や運動性能、快適性については「どのクルマでも満足行くレベルに達していて」、駆動方式やパワー、トランスミッション、パワートレインについても「気にしない」顧客が多いのもまた事実。
つまるところ、かつてクルマの中心的価値であったものがいまでは平準化(あたりまえ性能化)されたがために「優劣を判断するための基準」ではなくなってしまい、そして現在のクルマの優劣を判断するのは「あたりまえの領域を超えた、予想以上の感動」ということになり、そしてこの「予想以上」というのは試乗しないと体感(理解)できるものではなく、そのため現在では各ディーラーとも、ちょっと前に比べると「より積極的に」試乗を勧めるようになったという印象も持っています。

実際のところ、キーのロック / アンロック時のライティングによるアニメーション、乗り込んで電源をONにしたときのサウンド、走り出した後のメーターやインフォテイメントシステムのグラフィック、運転支援装置の優秀さ、姿勢の制御、停止時のマナーやブレーキホールドが外れたときの振動など、とにかく「実車を見て、触れて、乗って」みないとわからないことがあまりにも多くなっていて、これもまた自動車ディーラーの営業スタイルが「変わってきた」一つの理由なのかもしれません。
いずれにせよ、自動車という製品が「これまでの自動車とは異なる」価値を持つにいたり、そして高価格化が進むにいたり、消費者の購買に際しての行動が変わってきているのも事実であって、その製品を知るための手段をいかに用意し体験してもらうか、そして訪問から購入に至るまでの体験をいかに価値あるものにするかが重要になってきている、とも考えられます(なにより、刹那的な営業手法が見られなくなったのは歓迎すべきことである)。
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