| デザインはアストンマーティンDB9、ヴァンテージ、そしてBMW Z8で知られるヘンリク・フィスカー |
非常に珍しい「VLFフォース1 V10クーペ」が中古市場に登場。
このVLFは自動車業界の重鎮であるギルバート・ヴィラリール氏、ボブ・ラッツ氏、ヘンリク・フィスカー氏の頭文字を取ったもので、車体デザインはヘンリク・フィスカー氏が担当しています。
販売しているのは数々のレアカーを取り扱うレーシングファクトリー、「カネパ(とくにポルシェに強いことで知られる)」。
ベースはダッジ・ヴァイパー
「VLF」いずれのメンバーも自動車業界において強い影響力を発揮し、たとえばボブ・ラッツ氏はクライスラーではヴァイパーやPTクルーザー、プロウラーを企画し、その後移ったGMではレトロスタイルで人気を呼んだカマロを世に送り出した人物。
そしてヘンリク・フィスカー氏はBMWにて「Z8」、その後アストンマーティンではDB9等をデザインし、その後自身の会社「フィスカー」を設立して”カルマ”を発表したことも(最近また活動を活発化している)。
そういったドリームチームが送り出すクルマなのでまず期待を裏切ろうはずもなく、古巣のコネクションを活かしてベース車両を調達できるために新規開発に比較してより信頼性の高いクルマを世に送り出すことが可能となっています。
このVLF フォース1 V10のベースは雰囲気からわかるとおり「ダッジ・ヴァイパー」。
つまりボブ・ラッツ氏が、自身が企画したクルマを自身でリメイクした、ということになりますね。
エンジン含むドライブトレーン、そしてプラットフォームはヴァイパーからのキャリーオーバー。
ただし内外装など目に見える部分は徹底的に作り直されており、カーボンファイバーなど軽量素材の多用にて重量はわずか1,542kgに収まっています。
なおエンジンは上述の通りヴァイパーのものを使用していながら、エンジンヘッドとカムシャフトを変更することで出力は755馬力へと大きく向上しています。
トランスミッションは6速マニュアル、0−100km/h加速は3秒(MTでこのタイムは立派)、最高速度はじつに351km/h(ランボルギーニ・アヴェンタドールと同じくらい)。
ちなみに生産予定台数は50台であったものの、様々な事情があったようで(高すぎて売れなかった?)実際に生産されたのはわずか5台だそう。
新車時の価格は不明ではあるものの、メカニカルな部分にも手が入っていること、内外装がすべて作り直されていることを考えると「数千万円」であろうことはまちがいなく、しかもランボルギーニやフェラーリがゆうに買える価格なのかもしれません。
そうなると、これを買う人はランボルギーニやフェラーリを何台も持っていて、その上で「おもしろい車」にポンと数千万円を払える人ということになり、必然的にその数は絞られることになりそうです。
ホイールは4本ツインスポーク。
「ヘンリク・フィスカー・ホイールズ」の文字が見えますね。
エンジンルームはほぼヴァイパーと変わらないように見えますが、「VIPER」の文字が消され、VLFの世界観を強めていますね。
VLF フォース1 V10のインテリアはこうなっている
こちらはVLF フォース1 V10のインテリア。
見ての通り高級感満載の仕様で、ルーフやシートにはダイヤモンドステッチが用いられています。
基本的にはフルレザー、そしてアルカンターラにアルミニウム、カーボンも使用されています。
シフトノブ、シフトブーツにもこだわりが見られますね。