| 基本的に香港は「クルマ好き」な土地柄だ |
さて、用事があり香港へ行ってきましたが、相変わらず香港では様々なクルマが走っていて目を楽しませてくれます。
メーカーで「もっとも多い」と感じるのはメルセデス・ベンツで、今も昔もこれは同じ。
その他多いのはポルシェですが、こちらはマカンの数が異常に多く感じられます。
ここで香港ではどういったクルマが走っているのかを紹介してみたいと思います。
ポルシェはコンパクトなクルマが好まれるようだ
まずはポルシェ編。
もっとも多いのはやはりマカンですが、ケイマン、ボクスター、911もけっこう見られます(改造車も多い)。
一方でパナメーラ、カイエンの姿は少なく、これは「香港は狭いので大きな車が好まれないのか」と考えたりしましたが、一方でサルーンだとロールスロイス、ベントレー、SUVだとX6やベンテイガ、テスラ・モデルXの姿も多く、単に「サイズ」の問題では無さそうです。
もしかすると香港では「ポルシェはスポーツカーメーカー」として捉えられており、一方でサルーンというセグメントにおいては伝統的な”高級車メーカー”が好まれるのかもしれません。
911ターボカブリオレ。
ポルシェに限らずですが、けっこうオープンモデルも多い模様。
最近は珍しくなった空冷911。
さっそうと女性ドライバーが乗っています。
エアロキット装着済みですね。
BMWは「スポーティー」さが受けているようだ
そしてBMWの姿もけっこう多く、そして走っているのはM3やM2といったスポーティーモデルが多い模様。
5シリーズや7シリーズといったサルーンはメルセデス・ベンツにシェアを握られているようで、それらの姿はあまり見かけないように思います。
こちらのM2はBMW純正のデカール付き(はじめて見た)。
珍しい色のM3。
マットカラーも香港では大人気。
めったに見ない、6シリーズ・カブリオレ。
サルーンはやはり「大御所」に集中している
香港は世界有数のお金持ち密集地域ですが、そこで多いのがショーファードリブンカー(オーナーが自分で運転するのではなく、後部座席に座るクルマ)。
ちなみに人口あたりのロールスロイス台数が最も多いのは香港だと言われています(中東も負けてはいないと思う)。
こちらはペニンシュラ香港ホテル前ですが、ペニンシュラ・グリーンに塗られたロールスロイス・ファントムが鎮座しています、※ペニンシュラ香港はロールスロイス・ファントムを30台弱所有している
そしてベントレーも相当数が走っていますが、これは「旧英国領」ということが関係しているのかもしれません。
ただ、同じ英国車といえど、ジャガー、アストンマーティンの姿は少ないようですね。
そしてメルセデス・ベンツSクラス、マイバッハも多数。
かなり込み入った下町っぽいところにイキナリ入ってきて、後席からお金持ちっぽい人が降りてくるや、そのあたりの小さなレストランに入ってゆく風景をよく見かけます。
「マフィアの取引」、もしくはよほど美味い名店なのかもしれませんね。
なお、サルーンでは「アウディ」「レクサス」はほぼ見かけないようで、このあたりは香港の人が重視する「箔(ハク)」が足りないのかも。
ブランドが成立する要件のひとつは「歴史」だといいますが、そこがまだまだ足りないのかもしれませんね(アウディ自体の歴史はあるが、高級サルーンというセグメントでは未だ浅い)。
最近はラギッドなSUVも多い
そして最近勢力を拡大しているのがハビーデューティー4WD。
もともと香港はSUVを好む地域でしたが、以前はこういったハードなクルマは少なく、しかし最近はけっこうな台数が増加中。
やはり多いのはランドローバー・ディフェンダーで、かつカスタムされた車両が多いようです(とくにシュノーケルが好まれる)。
ランドローバー、レンジローバーの人気がけっこう高く、新型レンジローバー・イヴォーク、ランドローバー・ディフェンダーも一気に増殖するかもしれませんね。
そのほか、メルセデス・ベンツGクラスも増加中。
フォードや三菱のトラック(もちろんカスタム済み)も見かけるようになったものの、トヨタ・ランドクルーザーの姿をほぼ見かけないのはけっこう不思議です。
その他はこんなクルマも走っている
道路が狭い場所もあり、コンパクトカーが好まれるのも香港の特徴。
そして「英国車好き」という土地柄か、ミニの姿がかなり多いようですね(ペニンシュラ香港も、ペニンシュラグリーンのミニ・クラブマンを所有している)。
ナンバープレートが2枚あるのは、香港と中国との両方で登録しているためですが、香港では「両方を行き来」する人も多く、時折こういった車両を見かけます。
最近増加してきたのはフォード・フォーカス。
日本では見られないクルマだけにかなり新鮮です。
フォルクスワーゲンのコンパクトクラスは少なく、フォルクスワーゲンのクルマ自体がそう多くはない、という印象も。
そんな中、フォルクスワーゲンで多いのは「シロッコ」。
フォルクスワーゲンの中では唯一”スポーツカー”と名のれるルックスを持っていることがその秘密なのかもしれません(ゴルフGTI、ゴルフRは性能的にスポーツカーではあるが、スタイリング的にファミリーカーを連想させる)。
こうやって見ると、同じアジアといえども、クルマに対しては日本とはちょっと異なる嗜好があるようで、クルマ観察もなかなか面白いものですね。