| 日本では、ボクらの知らないところで、いろいろな人々がクルマをきれいに仕上げてくれている |
さて、ここ最近Youtube上で盛り上がっているのが「新車なのに傷がある」という動画。
主にはテスラの新車を指していることが多いのですが、今回はなんと高級車である「ベントレー」。
動画を公開したのはカーディティーリングショップ、シカゴ・オート・プロス、そして動画に登場するのは走行距離400キロに満たない、しかしボディ全体に傷が見られる新車のベントレー・コンチネンタルGT。
「納車されたて」ではないことを考えると、購入したオーナーが洗車機に放り込んでしまったというケースも想定されるものの、部分的にはバフがけされた跡もあり、部位によって傷の大小、入り方に差があるため、どうやら洗車機による傷ではなく、納車されたときからこういった傷がついていた可能性が高いようですね。
傷の種類は多種多様
なお、傷は一様に同じものが見られるわけではなく、磨きキズのような渦状のものもあれば、何かを引っ掛けたような線状のもの、ちょっと深いキズも。
このまま納車されたのだとするとかなりショッキングではあるものの、工場出荷から輸送時についた傷、そしてディーラーでの保管や納車整備時に入った傷がそのままにて納車されたのかもしれません。
北米の「新車事情」がどうなのか知ることはできませんが、日本だと多くの輸入車がいったん豊橋のPDIセンターに入庫し、ここで日本仕様へと改修を受けることになり、あわせて外装含む点検を行い、必要であれば補修を行うことに。
こちらは日本自動車輸入組合による、豊橋PDIセンターの作業を収めた動画。
けっこう細かいところまでチェックし、修正していることが分かります。
豊橋PDIセンターの業務としては下記が紹介されており、相当な手間がかかっていることがわかり、本国での検品に加えて「二重チェック」をここでも行うことになるため、そのぶんどうしても輸入車は高価になってしまうわけですね。※各輸入車メーカー(インポーター)が見学ツアーを組むことも多く、一度は行ってみたいと考えている
①陸揚げ ②フルボディカバー・サスペンションブロックの取り外し、車載品準備 ③型式指定完成検査 ④機能検査 ⑤ロードテスト ⑥洗車、清掃、搭載品、ホイール等の検査 ⑦外観検査 ⑧フォルトチェック、下回り点検 ⑨必要に応じて機能・外観整備 ⑩T-Fit VW純正アクセサリー装着 ⑪バッテリー充電 ⑫カーサイロ保管 ⑬出荷 |
もしかすると北米ではこういった作業がディーラーに一任されている可能性もあり、そうなると購入するディーラーによって納車時のコンディションにバラツキがでることになって、結果的に今回の動画のような結果を招くのかもしれません。
そして最近はこういったツートンカラー(切削加工)のホイールも多く、しかしこのブラック部分が「グロス(光沢)ブラックだったりするとこんな感じで傷によって「くすんで見える」ことに。
動画を見ている限りでは、北米では積車にクルマを積んで運ぶ際、ホイールのスポークの間に固定用のベルトを通すことがあり、これをやると当然ながらホイールのブラック部分には傷が入るわけですが、日本だと、高級車やスーパーカーを輸送する際には「タイヤに固定用ベルトをかける」場合が多く、これはもちろんホイールに傷が入らないようにする心遣いです(全般的に見て、日本における高級車/スーパーカーの輸送状況は他国に比較すると非常に丁寧)。
もしこのベントレー・コンチネンタルGTも「スポークにベルトを通されて」顧客のもとへと運ばれ納車されたのであれば、こういった傷も「さもありなん」。
もちろんシカゴ・オート・プロスではこれらの傷を細部に至るまでチェックし、完全に磨き上げて顧客のものとへと送り届けているようです。
VIA:Chicago Auto Pros, JAIA