| この価格でこの性能を発揮できるクルマはそうそうない |
さて、数々のスーパーカーのレビューを届けてくれるスーパーカーブロンディさんですが、今回は英国の新興スーパーカーメーカー「APEX(アペックス)」からリリースされる”AP-0”を紹介。
APEXそのものの設立は2018年と新しく、そしてこのAP-0はその市販車第一号。
ただし現在まだ開発段階にあり、実際に発売されるのは2022年だとアナウンスされています。
APEX AP-0はこんなクルマ
APEX AP-0で特筆べき点は「ピュアエレクトリックカー」だということ。
車体はカーボンファイバー+アルミニウムにて構成され、658PSを発生するエレクトリックモーターをリアに1基のみ搭載しています。
車体重量は1,200キロと望外に軽く、そのうちバッテリーが占めるのは550kg。
つまり車体自体は非常に軽いということになり、これはロータスやケータハム、ジネッタ等イギリスのスポーツカーメーカーに見られるひとつの特徴でもありますね。
そしてそのパフォーマンスにも目をみはるものがあり、0-100km/h加速はわずか2.3秒、最高速度は306km/h。
これだけの性能を誇るにもかかわらず一回の満充電あたり走行可能距離は515km(WLTPモード)、さらに80%までの充電にかかる時間は15分。
ボディサイズは比較的コンパクトな部類で、全長4,380ミリ、全幅2,017ミリ、全高1,224ミリ、ホイールベースは2,650ミリ。
かなり独特なデザインを持つという印象ですが、デザイナーはGMやフォードにて実績を積んだガイ・コルボーン氏。
そしてデザインイメージは「サイバー・ドラゴン」だそうですが、背びれのような構造物、フロントフェンダー上のカメラはたしかに「ドラゴン」モチーフのようにも見えますね。
なお、クルマとドラゴンとを重ね合わせるメーカーやオーナーも多く、以前にはドバイからも「ドラゴンをイメージした」デザインを持つ新興スーパーカーメーカーが登場しています。
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話をAPEX AP-0に戻すと、ホイールにはフロント19、リア20インチを採用し、見ての通り前後オーバーハングは極端に短く。
リヤビューは非常に特徴的で、テールランプは真後ろから見ると「十字」に発光。
巨大なリアディフューザーも確認できますが、AP-0はグラウンドエフェクトによるダウンフォース発生が非常に大きく、そのためにリアウイングが不要になった、と述べています。
なお、ルーフ上にはLiDARが設置されており、ここから分かる通りAP-0は自動運転、しかもレベル3を備えるようですね。
後方確認はミラーではなく「カメラ」。
ブレーキはカーボンセラミック製。
キャリパーにもAPEX社のロゴが立体にて再現され、高いデザインへのこだわりを見て取れます。
現在の車両は「プロトタイプ」ではあるものの、各部を見る限りでは完成度が高く、いつ市販されてもおかしくはなさそう。
APEX AP-0のインテリアはこうなっている
APEX AP-0は「バタフライドア」を採用。
サイドシルはかなり分厚く、レーシングカーを連想させます。
シートはフルバケット。
着座位置は地面スレスレで、V字腹筋のように足を上に投げ出すポジション。
これを見る限りではバッテリーは「床面」ではなく別の場所(フロントアクスルなど?)に搭載されているようですね。
コクピットは非常に先進的。
画像を見る限りだと表示はダミーのようで、ステアリングホイールやスイッチ類も3Dプリンタで制作された試作品のように見えます。
なお、市販時には大型ヘッドアップディスプレイも備えるとのことで、大いに期待したいクルマです。
ちなみにこのAPEX AP-0の価格は邦貨換算にて1950万円くらい。
今後予定されているピュアエレクトリックスポーツカーだと、アスパーク「アウル」が3億5000万円くらい、リマックC_Two、ピニンファリーナ・バッティスタが2億円くらい、ロータス・エヴァイヤの価格が2億6000万円くらいであることを考えるに、このAP-0は、ほかのエレクトリックスポーツよりもパワーが劣るといえど、ほとんどのガソリンエンジン搭載スーパーカーよりも優れたパフォーマンスを持つことは疑いようがなく、「圧倒的にお買い得」と言えるかもしれません。
参考までに、現在はいまだかつて無いほどスーパーカー/ハイパーカー市場が活性化しており、このAPEX AP-0のほか、0-100km/h加速1.9秒、最高速432km/hを誇るジンガー21Cも発売が近い、と言われていますね(こちらはピュアエレクトリックではなくハイブリッド)。
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参照:Supercar Blondie, APEX-Motor