| 2リッターV10というのは聞いたことがない |
さて、世の中には様々な新興スポーツカーメーカーがありますが、とくにイギリスには様々なコーチビルダーやバックヤードビルダーが存在し、独自のクルマを製造しているようです。
今回紹介する「コンノート タイプD GT(Connaught Type-D GT)」もそういった一台ですが、これはジャガーのエンジニアが2000年代初頭に立ち上げたプロジェクト。
コンノートはあまりに画期的な構造を目指していた
そこでこのコンノートタイプD GTですが、その独特の見た目は置いといて(これはなんとも言及しがたい)、パッケージングに特徴があり、エンジンにはなんと2リッターV10(+スーパーチャージャー)を採用し、かつハイブリッドシステムとこれを組み合わせることを目指していたようですね。
なお、V10エンジンは「高回転化が可能」「パルスが強力」「周波数と音波が心地よい」という特徴を持ち、カレラGTやレクサスLFAに搭載されて美しいサウンドを奏でることでも知られます。
現在V10エンジンを採用する市販車というとランボルギーニ・ウラカン くらいになってしまいましたが、レクサスLFAは4.8リッター、カレラGTは5.8リッター、ウラカンには5.2リッターのエンジンが搭載されていることでもわかるとおり、V10エンジンというと「5リッター前後」が一般的。
よって「2リッターV10」というの異例中の異例で、1気筒あたりの排気量はわずか200ccとなります。
コンノートがなぜこういった小排気量マルチシリンダーを目指したのかは謎ではあるものの、もしかするとハイブリッドシステム(どのようなものかはわからない)との兼ね合いにて「高回転化」によってパワーを稼ぎたかったのかもしれません。
ちなみにトランスミッションには5速マニュアルを採用し、「フロントミッドシップエンジンレイアウトの軽量スポーツカー」を目指していたようです。
ちなみにこちらがそのエンジンブロックですが、「とんでもない狭角」を持つ模様。
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そしてその構想は「早すぎた」
ただ、残念なのは、コンノート自体が資金難によって2004年にプロジェクトを閉じてしまったため、このコンノートタイプD GTが生産されることなく終わってしまったということ。
2004年というとプリウスくらいしか量産ハイブリッドが存在しておらず、ハイブリッドそのものが珍しかったうえ、「ハイブリッドスポーツ」という概念すらなかったものと思われ(参考までに、ホンダCR-Zは2010年発売)よって開発が著しく難航したことは想像に難くありません。
しかしながらつい最近になってビーバン・デビッドソン・インターナショナルなる会社がこのコンノートを買い取ってプロジェクトを継続させることになったと報じられており、英国ではにわかに盛り上がっているようですね(2020年現在でも、マルチシリンダーとハイブリッドと組み合わせたスポーツカー、しかも軽量となると非常に珍しい)。
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参照: DRIVETRIBE