| 近年、ここまで美しく内外装を作り上げてきたカスタムカーは例がない |
ラドフォードはコーチビルディングの新しいスタンダードを構築したと言っていい
さて、先日ラドフォードがロータスの車両をベースにした「タイプ62−2」を公開し、そのあまりの完成度の高さに各方面を驚かせたところですが、今回は(前回は明らかにされなかった)インテリアの画像を公開し、またしてもコレクターを驚嘆させています。
このラドフォードは(1948年創業の)名門コーチビルダーを復活させた新組織で、2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンをはじめ、デザイナーのマーク・スタッブス、弁護士のロジャー・ベイル、テレビ司会者でカービルダーのアント・アンステッドがメインとなって(コーチビルドによる)カスタムカーを世に送り出すべく活動を開始。
ただしもともとのラドフォードは英国で創業され、ロールスロイスやベントレーのコーチビルドを行ってきたものの、現代のラドフォードはカリフォルニアで創業されているという相違があるようです。
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ラドフォード・タイプ62−2はこんなクルマ
ラドフォード・タイプ62−2はフロントとキャビンこそロータス製シャシーを流用するものの、そこから後ろはオリジナル。
グレードは3つが用意され、「クラシック」グレードでは430PS、「ゴールドリーフ」グレードでは500PS、最上位の「JPS」グレードでは600PSを発生し、それぞれトランスミッションは基本が6速マニュアル、そして上位モデルには7速デュアルクラッチオートマチックとリミテッドスリップディファレンシャルが搭載されることになりますが、ロータスをベースとするだけあって、いずれも車体重量は1,000kgに収まる、とアナウンスされています。
基本的にはサーキット志向のスパルタンなクルマではあるものの、ジェンソン・バトンによると「ラグジュアリーさも備えた素晴らしい体験ができるクルマ」とのことで、それは画像をひと目見ただけでもわかりますね。
インテリアの出来栄えはクラフツマンシップが光る素晴らしいものだった
そして今回公開された内装は最上位モデル「JPS」のものですが、やはりエクステリアに負けず素晴らしい出来栄えを持っており、モダンさとクラシカルさとが見事にバランスした仕様。
ラドフォードのデザインディレクターであるマーク・スタッブス氏は、このインテリアのデザインに際して「ロータスの歴史を受け入れ、そしてそれを増幅した」とコメントしており、「熟練した職人技と、軽量スポーツカーのドライビングエクスペリエンスを損なうことがないよう、最高の素材を使用している」とも。
つまりはコーチビルダーだからこそ可能となった「妥協なきつくり」を目指したということになります。
内装にはロータスの「軽量性を貫く」という哲学に敬意を表して大量のカーボンファイバーを使用していますが、なんといってもこの目玉はダッシュボードに内蔵されるブレモンの時計。
もちろんこれはクラシックカーによく見られる「ストップウォッチ」としての役割を再現したもので、(計器類の発達した)現代において、機能的には「不要」であり、そして重量がかさむだけのものとなってしまうものの、ロータスのヘリテージに敬意を表するため「あえて」装着したということになりそうです。
ちなみにブレモン(Bremont)は英国の腕時計メーカーで、その製品が映画「キングスマン」にて使用されたことで一気に知名度を高めていますが、英国製をセレクトしたのもやはり「英国生まれのロータスをリスペクト」したがためなのだと思われます(ブレモンは2002年創業なので、かつてのロータスに採用されていたというわけではなく、しかし意図的に英国製をセレクトしたことは間違いない)。
シートやハーネスホール、ハーネス(シュロス製)にも芸術性が感じられますが、こういった仕上げを含め、インテリアそのものはオーナーの好みに合わせてカスタムが可能だとされています。
そしてセンタートンネル、シフトレバーのリンケージのカバーは美しいカーボンファイバー製。
ステアリングホイールのスポークと内側もカーボン製。
エアコン吹出口のノブ、各スイッチのレバーなどは高品質なCNCパーツのように見え、ダッシュボードのセンターにはスマートフォンを装着するためのホルダーも。
ラドフォードは「エクスペリエンス」を大切にしているといい、とくにクルマに乗り降りするときにドライバーが感じる感覚を重要視しているそうですが、そのためにこういった高級素材、そして高品質で美しい仕上げを用いているのでしょうね。
ちなみに後方確認は「3つのカメラ(左右ドアとリア)」にて行い、それぞれが捉えた映像はダッシュボード左右、そしてルーフ内張りに取り付けられたディスプレイに表示される仕組みです。
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