| マクラーレン本社は”自動車メーカー”という固定概念を覆した |
マクラーレンがその本社の様子を紹介する画像を公開。
マクラーレン本社はその先進性、充実した設備、工場に至っては「チリ一つ無い」真っ白い空間で構成され、従来の工場のイメージを一新したことで話題に。
それではマクラーレンの本社、「マクラーレン・テクノロジーセンター」の内部、そして秘話を見てみましょう。
マクラーレン本社はこんな施設
マクラーレン・テクノロジーセンターは2004年にオープンし、当初は「パラゴン(Paragon)と呼ばれていた、とのこと。
その敷地は57000平方メートル、総工費は420億円程度とされています。
本社周囲の池は単なる池ではない
マクラーレン・テクノロジーセンターのには大きな池がありますが、これは深さ3メートル、たたえる水は5万立方メートル。
そしてこの池は「単なる池」ではなく、その水はウインドトンネルなどの施設が発する熱を「冷却する」ためにも用いられている、とのこと。
マクラーレン創始者の娘がツアーガイドに付いてくれることも
マクラーレン創始者、ブルース・マクラーレン氏唯一のむず目がアマンダ・マクラーレンさん。
彼女と彼女の夫のステファンさんは故郷のニュージーランドで農業を営んでいたものの、数年前にイギリスへと引っ越し、今はマクラーレンにて、「その名を継ぐもの」としてブランドアンバサダーを務めているそう。
以前にはマクラーレン570Sをドライブし、父の実家も訪れていますね。
膨大なカーコレクション
マクラーレン・テクノロジーセンターのアトリウムにはマクラーレン創業初期のレーシングカー、かの有名な「マルボロ」時代のF1マシン、ボーダフォン時代のマシンも展示。
このスペースの裏には小規模な工作室、オフィス、ミーティングルームなどがあるようです。
なお、多くの場所がガラス張りとなっているのは、ロン・デニス氏(マクラーレングループの元CEO)が「仕事をしている姿が隠れる(彼から見えなくなる)のを嫌がったから」とのこと。
最近、マクラーレンはその本社内カンファレンスルームも動画にて公開していますね。
これだけのコレクションもそうですが、この本社を見るに「どれだけ豊富な資金力があるのか」と感嘆せざるを得ない状況。
マクラーレンのカンパニーカラー「オレンジ」、そしてキウイにまつわる秘話
マクラーレンのカンパニーカラーは「オレンジ」。
これについては諸説あったものの、今回上述のアマンダさんがその論争に終止符を打つことに。
彼女によれば、「当時、マシンのカラーはレッドであったものの、ほかのレッドを採用したチームと間違われることがあり、他の「もっとも目立ち、もっとも安価に塗れる」カラーとしてオレンジを採用した、とのこと。
なお、「キウイ」はブルース・マクラーレンが自身の出身地であるニュージーランドのシンボルとして初期のレーシングカーに用いていたことで有名。
ときにはキウイ以外のキャラクターが用いられたことも
なお、キウイ以外のキャラクターが使用されたこともあり、1993年のヨーロピアンGPの際にアイルトン・セナが乗ったMP4/8には「クルマに轢かれたハリネズミ」。
これは同年のライバル、アラン・プロストが乗るウィリアムズがセガのスポンサーを受けており、車体に「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のグラフィックが描かれたことに対するジョーク。
ソニックはリアウイングの翼端とF1マシンの側面に用いられていましたが、側面は「ソニックがF1マシンを運転している風雨」のグラフィックとなっており、それへのカウンターということになりますね。
過去の記念マシンやトロフィーも
過去のレースにて優勝を飾ったアイルトン・セナのマシン、ミカ・ハッキネンやルイス・ハミルトンがドライブしたマシンも展示。
壁には一面にトロフィーが飾ってある、とのこと。
マクラーレンF1のスペシャルエディションも
こちらはマクラーレンF1のスペシャルモデル、「F1 XP LM」。
1997年にマクラーレンがル・マンにて優勝を飾った際、記念として5台のみがプロトタイプ(マクラーレンのプロトタイプは”XP”と就くことが多い)をベースに製造されたうちの一台。
重量は標準モデルに比べて75キロ軽く(マクラーレンF1から75キロ削るのは容易なことではない)、ルイス・ハミルトンがロン・デニスに「このクルマはどうすれば譲ってくれるのか」と訪ねたほどレアなクルマのようですね。
レゴで製作されたマクラーレン720Sも
レゴとのパートナーシップを記念して造られたもので、重量は実車よりも重い1.6トン。
マクラーレンはすべてが手作り
マクラーレンの工場は非常に先進的ですが、「ロボットは一台もない」とのことで、全て手作業によってクルマが組み立てられているようですね。