| 製造から20年以上経過するも、走行距離は390km以内にとどまる |
2017年に負マクラーレンF1によって記録された18億円、2019年の20億円をも上回る
さて、オークション会社、グッディング&カンパニーがペブルビーチにて開催した競売にて、マクラーレンF1が20,465,000ドル(日本円で約22億3350万円)という驚異的な価格にて落札されることに。
この額はマクラーレンF1はもちろん、近代の自動車としては最高落札額となっており、事前の予想最高落札額の1500万ドルはおろか、これまでのマクラーレンF1の最高記録である1562万ドル(2017年)、マクラーレンF1 LMの1980万ドル(2019年)を超えています。
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かつてのオーナーは日本人
このマクラーレンF1のシャシーナンバーは029で、クライトンブラウンのボディカラーを持つ唯一のマクラーレンF1。
加えて走行距離わずか390km程度という低走行が今回の高額落札に結びついたものと思われます。
なお、この390kmというのはこれまでに出品されたF1の中でも「最も」走行距離が少ない部類だとされており、タイヤも製造時にセットされたグッドイヤー・イーグルF1がそのまま装着されているようですね。
このマクラーレンF1は日本のコレクターが長年保管していたものだといい、オリジナルの付属品(サービスブック、FACOM製ツールチェスト、チタン製ツールキット、オーナーズマニュアル、カスタムラゲッジセット、タグ・ホイヤー製ウォッチ)も全て揃い、マクラーレンF1が工場から出荷される際に添付されたドライビング・アンビション・ブックも付属する、とのこと。
そして日本からアメリカへと輸出されることになり、しかしアメリカの新しいオーナーもずっとこのクルマを保管していたために走行距離が伸びないまま、そして相変わらずの新車コンディションを維持することとなった模様。
史上最高額を誇るマクラーレンF1のインテリアはこうなっている
そしてこちらは史上最高額を記録したマクラーレンF1のインテリア。
ライトブラウンとタンという珍しいカラーコンビネーションを持っています。
マクラーレンF1は1992年から1998年にかけて106台が製造され、そのうち64台がロードカー仕様。
”鬼才”ゴードン・マレーによる設計で、自然吸気の6.1リッターV12エンジンをミッドマウントし、最高出力618ps(461kW/627PS)、最大トルク650Nmを発揮します。
トランスミッションは6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ。
とにかく最高の性能を実現するためにカーボンファイバー、ケブラー、チタン、さらには金などのエキゾチックな素材を(お金に糸目をつけず)ふんだんに使用したことで、約1,240kgという軽量な車体重量を実現し、空力的に最適化されたボディと相まって驚異的なパフォーマンスを発揮しており、その最高速は近年まで破られることはなく、「自然吸気」エンジン搭載車としては今でも最速の386.4km/hという記録を誇ります(アストンマーティン・ヴァルキリーに抜かれそうだが、ヴァルキリーはハイブリッドを積んでいるので、純粋なNAとしてはこのままずっと抜かれることはないのかも)。
なお、こちらは専用のラゲッジセット(内装色にあわせたライトタン)。
こちらはがタグ・ホイヤーの腕時計(非常に珍しい)。
マクラーレンは”F1”の最高速に敬意を表したハイパーカー「スピードテール」を発売していますが、F1の設計者であるゴードン・マレーは自身の会社「IGM(イアン・ゴードン・マレー)」よりT.50を発表しており、よってこのF1の後継と言えるクルマは「2つ」存在するということになりそうです。
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参照:Gooding & Company