「世界でもっとも走行距離が少ないマクラーレンF1」がふたたび売りに出される。新車時には日本人コレクターへと納入され現在の走行距離は410km、その価値は30億円以上

｜　最高のドライバーズカーと評されるだけにぜひ落札者には運転してほしいものだが　｜

これだけのコンディションを持つマクラーレンF1は他になく、このまま保存してほしいという気持ちも

さて、オークションハウス、RMサザビーズがニューヨークにて開催する競売にて、「世界で最も走行距離の少ないマクラーレン F1」が登場する予定となっています。

このマクラーレンF1は2021年のペブルビーチ・カーウィーク中に2046万5000ドル（現在の為替レートでは約32億円）で落札された個体であり、この金額は予想落札価格である1500万ドルを大幅に超えたばかりか、同ウィーク中に落札された「（当時のオークション主催元であるグッディング・アンド・カンパニーを通じて落札された）もっとも高価なクルマ」となっています。

このマクラーレンF1の走行距離はわずか410km

参考までに、2021年に落札された際の走行距離は387kmにとどまっており、そして今回の出品概要を見ると「410km」となっているので、この3年間の走行距離はわずか23kmあまり（つまり移動させただけ）ということに。

2021年の落札者がいままでこの美しいクレイトン・ブラウンのマクラーレンF1を運転したいという誘惑に打ち勝ってきたことは特筆に値し、当時でも「世界でもっとも走行距離が少ない」とされていただけに、その走行距離を伸ばすことに抵抗があったのかもしれません。

今回の予想落札価格は提示されておらず、いったいいくらで落札されるのかについては注目が集まるところですが、RMサザビーズによると「マクラーレンF1の価値は毎年100万ドル（1億5500万円）上昇している」とのことなので、順当に行けば「36億円」という値がつきそうではあるものの、マクラーレンF1のロードカーは64台しか製造されておらず、しかも程度の良い個体は年々減少しているとも思われるので、低走行距離を維持することで相対的に価値が（さらに）上がったということも考えられます。

インテリアカラーはサドルタンにブラックレザー、そして・・・。

ブラウンのアルカンターラという非常に珍しい仕様。

このマクラーレンF1のシャシーナンバーは「029」、日本のコレクターが新車にて購入した車両であり、大切に保管された後にアメリカ人コレクターの手にわたることとなりますが、そこからはずっとアメリカにて過ごしていた、と説明されています。

マクラーレンF1は自動車史上最高のドライバーズカーと称されているものの（近代のクルマの中ではずば抜けた取引金額を誇ることでもそれは理解できる）、この個体についてはほとんどの期間をガレージにて過ごしてきたということになり、そしてこのマクラレーンF1がいくらで落札されるのか、そしてこれを購入した新しいオーナーが「これまでのマクラーレンF1の歴史」を変えて自ら積極的にドライブすることになるのかどうかには注目が集まるところですね。

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参照：RM Sotheby‘s