ブガッティが「スーパーカー一台分」の価格とされるカーボン製の卵を発売！創業者の父が愛し、ブガッティ車のグリルのベースとなった卵を現代の技術で再現

｜　ブガッティ創業者の父は高級家具デザイナーであったが、卵の台座には父が作った家具をモチーフとしたデザインが採用されている　｜

なお、ブガッティ一族の多くは数世代にわたり芸術家で占められる

さて、ブガッティがライフスタイルグッズやNFTに力を入れていることはよく知られている事実です。

それはおそらく、ブガッティの販売するハイパーカーが「価格、資格ともに」誰でも買えるものではないこと、販売台数が厳しく制限されていることから”自動車部門だけの収益”には一定の制約があり、そのほかの分野においても利益獲得手段を確保せねばならないと考えているからだと推測しています。

ブガッティは英国アスプレイとの最新コラボレーションを発表

そこで今回発表されたのが”2022年初頭に始まった、ブガッティとアスプレイのパートナーシップの次の進化”としての「アスプレイ・ブガッティ・エッグ・コレクション」。

こちらもまたアスプレイとのコラボレーションによって実現した「リアルなオブジェとNFTとの複合展開」第一弾と同様に、実物とNFT両方とが提供される予定となっていますが、2023年4月に英国メイフェアにオープンする新しいアスプレイ・スタジオ・ギャラリーのオープンと同時に発表されるのだそう。

おそらく多くの人には「買えない値段」だからなのか、ブガッティはこの製品の販売方法や価格については具体的に触れておらず、「ビットコイン・ブロックチェーンにデジタルコンテンツを記録する最先端の技術を用いた製品」だと紹介されるのみ。※一説では数千万円、つまりランボルギーニやフェラーリが購入できる価格だとされている

なお、今回のモチーフは「卵」であり、発表時期を考慮するとイースターエッグの一種であると考えられますが、生活にキリスト教が根付いている欧州では「卵」を非常に重要視（神聖視）することが多いように思います。

ただ、ブガッティの販売の多くは（キリスト教とは無縁の）中国や中東だと思われ、よって今回のアスプレイ・ブガッティ・エッグ・コレクションは欧州のコレクターに向けたものなのかもしれません。

アスプレイ・ブガッティ・エッグ・コレクションはこんな製品

今回ブガッティが「卵」をモチーフに選んだのはイースター以外にも理由があるようで、それはブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティの父、カルロ・ブガッティ（芸術性の高い高級家具のデザイナーであった）がかつて「自然界で最も純粋な完璧な形は卵である」という述べていたことに由来するもよう。

さらにブガッティの馬蹄型グリルは「父に敬意を表し、卵のように流れるような曲線をイメージして」デザインされたといい、これもまた卵を（今回の製品のモチーフとして）選んだ理由だと紹介されています。※馬蹄型グリルについては、エットーレ・ブガッティが馬を愛したことからデザインされたという説、効率よくエアを取り込むべく考案されたという説もあるが、今回ブガッティが公式に出したコメントでは「卵モチーフ説」が正解ということになる

アスプレイ・ブガッティ・エッグ・コレクションのメインとなる「タマゴ」の素材はカーボンファイバーで、長く複雑な工程を経て完璧な卵型に仕上げられており、スターリングシルバー製のダイヤモンドを織り込んだ格子に包まれ、それを支えるベースには緩やかな下向きの角度が付けられています。

この卵の表面には、エットーレ・ブガッティの弟にして芸術家であった（ブガッティ一家はほとんどが芸術家である）レンブラント・ブガッティが”ブガッティのために”デザインした「立ち上がる象（ダンシング・エレファント）」があしらわれ、さらにこのベースはアスプレイのジュエリーにおける伝統と、カルロ・ブガッティの華麗な家具デザインが持っていたアール・ヌーヴォー様式を反映させたものだとされ、つまりはブガッティ一族の想いが詰まった作品ということになるのかもしれません。

なお、このダンシング・エレファントは、”史上最も豪華なクルマ”として知られるブガッティ・タイプ41ロワイヤルのボンネットを飾ったことでも知られており、アスプレイは今回これを再現するに際し、同社のデザイナーがフランスのブガッティ本社へと出向き、現存するType 41 Royaleのボンネットマスコットを正確に3Dスキャンしたのちに職人の手によって仕上げたと述べています。

この複雑な格子とカーボンファイバーのシェルは、さらに複雑な構造を持つヒンジ式のダイヤモンドドアにて開閉が可能となり、それを開くとモルスハイムにあるブガッティ本社でもある邸宅、シャトー・サン・ジャンの風景を現しているそうですが（画像は公開されていない）、その邸宅の前には、純銀製のスタイリッシュなブガッティ・タイプ41ロワイヤル・エスダーが置かれているのだそう。

アスプレイ・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるアリ・ウォーカー氏は「私たちは、アスプレイ・ブガッティ・エッグコレクションを発表できることを誇りに思います。この作品は、生産レベルの限界を超えただけでなく、私たちの戦略的パートナーでありビットコインのエキスパートであるメタグッド（Metagood）が、実際の彫刻の卵形が持つ方程式をビットコインのNFTとしてコーディングしたジェネレーティブアートへと進化させ、新しい表現形式を用いた次世代の芸術そのものです。NFTと彫刻はこの方程式でつながっているのです」とコメント。

さらにブガッティ・インターナショナルのマネージング・ディレクターであるウィブケ・スタール氏は「エットーレ・ブガッティは、美的エンジニアリングを信条とし、自動車の各コンポーネントから芸術を創造していました。彼は芸術家の目を通して世界を見ており、クリエイティブな家族の作品からインスピレーションを得ていました。ブガッティはこの価値観を今日まで守り続け、アスプレイのようなパートナーと緊密に協力しながら、創業者のビジョンに沿ったオブジェを制作しています。アスプレイ・ブガッティ・エッグコレクションの誕生は、ブガッティの歴史とエットーレの作品への素晴らしいオマージュであり、彼のブランドが世界中で尊敬されるようになったパイオニア精神とディテールへのこだわりを持ってデザインされているのです」と延べ、新しい世代の新しい芸術品の誕生を祝福しており、もしかすると今後は「エットーレ・ブガッティのみではなく」、ブガッティ一族の活躍に焦点を当てた製品が多数登場することになるのかもしれません。

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参照：Bugatti