
| スーパーカーやハイパーカーを撮影しようと「近づきすぎる」のはよくあることである |
そしてスーパーカーやハイパーカーの制動力に追いつかず追突してしまうのもよくあることである
スペインのシエラネバダ地域でブガッティの最新ハイパーカー「トゥールビヨン(Tourbillon)」のプロトタイプがテスト走行中に追突されるという”何より先に金額を心配してしまうような”事故が発生して大きな話題に。
SNSで拡散された動画には数億円の価値があると言われるテスト車両にフォルクスワーゲン(VW)が衝突する瞬間が収められていて、ここではこの事故の経緯、そして次世代の頂点に立つトゥールビヨンの詳細について深掘りしてみたいと思います。
この記事の要約
- スペインのシエラネバダ地域でテスト走行中のブガッティ・トゥールビヨンにVWが追突
- 前走車の急ブレーキによる玉突き事故であり、VW側の反応遅れ、そもそもトゥールビヨンへの接近しすぎが原因と見られている
- プロトタイプの損傷は軽微な模様ではあるが、ブガッティの最新モデルに対する過酷なテストの実態が浮き彫りに
ブガッティ・トゥールビヨン プロトタイプの事故概要
今回の事故は曲がりくねった山道という過酷なシチュエーションで発生しており、トゥールビヨンの前方を走っていた白いKia(起亜自動車)が突然急ブレーキを踏んだためトゥールビヨンのテストドライバーも慌ててブレーキを踏むことに。
しかし、その後方を走っていたVWのドライバーは反応が遅れ、止まりきれずにトゥールビヨンのリアに追突してしまったというのが大まかな流れですが、動画を見るに、フォルクスワーゲンはトゥールビヨンを見ようとせんがために「近づきすぎてしまった」ようにも思えます。
なお、トゥールビヨンのダメージは外装(コスメティック)の範囲に留まると推測されていて、とはいえ相手が数億円規模の超高額なテスト車両なだけに、VWのドライバーと保険会社とのやり取りは非常にシビアなものになることは間違いないのかも(通常の保険では損害額をカバーすることは難しいであろう)。
トゥールビヨンの特徴と驚異的なスペック
今回事故に巻き込まれた「トゥールビヨン」はシロンの後継として登場したブガッティの新世代ハイパーカーで、最大のトピックは長年採用されてきたW16エンジンから”新たに開発された”8.3リッターV16自然吸気エンジンと3つの電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムへと移行した点。
| 項目 | スペック詳細 |
| パワートレイン | 8.3L V16自然吸気エンジン + 3モーター(ハイブリッド) |
| システム最高出力 | 1,800馬力 |
| 0-100km/h加速 | 2.0秒 |
| 0-400km/h加速 | 25.0秒未満 |
| 最高速度 | 380km/h(スピードキー使用時:445km/h) |
| EV航続距離 | 60km以上 |
| 車両重量 | 1,995kg未満 |
デザイン面においても伝統的な馬蹄形グリルを継承しつつ、インテリアではスイスの時計職人が手がけたアナログ計器類を採用するなど、車名の由来でもある「機械式時計の複雑機構(トゥールビヨン)」を体現する”、時代を超越する美しさ”を備えています。

ハイパーカー市場での位置付けと競合比較
トゥールビヨンの価格は約6億円超とされており、デリバリーは2026年末から開始される予定だと報じられていますが、ハイパーカー市場において1,800馬力クラスの出力を誇るライバルとしてはケーニグセグやパガーニ、そしてリマック・ネーヴェラなどの電動ハイパーカーが挙げられます。
ブガッティは完全電動化ではなく、あえて「大排気量V16自然吸気エンジン」という内燃機関のロマンを残しながらプラグインハイブリッド化を果たしており、これによってEVならではの圧倒的なレスポンスと内燃機関の持つ官能的なサウンドを見事に両立させ、同セグメントにおける唯一無二のポジションを確立しているというわけですね。
テスト車両の過酷な日常と新たな発見
数億円の価値があるプロトタイプが公道テストで事故に巻き込まれるというのは珍しいケースに思えますが、実は自動車メーカーのテスト車両は常にこうしたリスクと隣り合わせ。
トゥールビヨンもこれまでに、クロアチアの雪深くでスタックしている姿が目撃されるなど、あらゆる極限環境下での耐久性がテストされ、その都度「予期せぬトラブル」に見舞われているのかもしれません。
今回のような追突事故も後方からの衝撃に対するカーボンモノコックやリアサブフレームの強度、ハイブリッドシステムの安全性を確認する「想定外の実地テスト」になったと捉えることもでき、開発チームにとっては痛手かもしれませんが、市販前のネガ出しとしては貴重なデータになるという考え方もできそうです。
結論
スペインでの過酷なテスト中に不運なもらい事故に遭ってしまったブガッティ・トゥールビヨン。
幸いなことに深刻な大破と怪我には至らなかったようですが、追突してしまったVWドライバーの精神的・金銭的負担を想像すると少し同情したくなるような気も。
それでもハイパーカーの公道テストは将来のオーナーが安全かつ快適にモンスターマシンを楽しむために欠かせないプロセスで、2026年に控えたデリバリー開始に向け、今回の事故の経験をも糧にして、このプロトタイプがさらに完成度を高めていくことに期待したいと思います。
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
ブガッティ「トゥールビヨン」がオーロラ輝く極寒のスウェーデンで限界テストを敢行、「どんな条件下でも完璧でなければ、それはブガッティではない」【動画】
Image:Bugatti | トゥールビヨンはV16エンジンとハイブリッドバッテリーを「いかなる過酷な環境においても」適切にコントロールせねばならない | 現地に滞在しテストを行うスタッフにとっても ...
続きを見る
-
-
「クルマはタイヤの性能以上に速く走れない」。ブガッティとミシュラン共同による「トゥールビヨン専用タイヤ」開発の裏側とは【動画】
Image:Bugatti | ブガッティのレベルになると「その性能を支えることができるタイヤがそもそも市場に存在しない | ミシュランとの「共同開発」舞台裏が明かされる どれほど強大なエンジンや最先 ...
続きを見る
-
-
新時代を告げる狂気の咆哮。ブガッティがトゥールビヨンの「自然吸気V16」におけるサウンド開発の「裏側」を公開。「いかにして騒音規制をクリアしたか」
Bugatti | 現代のスーパーカーやハイパーカーにおける大きな壁、それが騒音規制である | いずれの自動車メーカーであってもここから逃れることはできない 20年以上にわたり、ヴェイロンやシロン、シ ...
続きを見る











