| アウディの車両制御技術は恐るべきレベルにまで達している |
ここまでくればもはやスーパーカーの存在は「不要」にも思えてくる
さて、アウディが新型RS3セダン / RS3スポーツバックを発表。
これらはフェイスリフト版となりますが、その変更の範囲は小さくはなく、質感の高められたインテリア、アグレッシブなエクステリアをもってBMW M2やメルセデスAMG CLA 45に挑むことになります。
なお、RS3セダンはニュルブルクリンクにて7分33秒123を記録して「コンパクトカー最速」の座についていますが、このタイムはなんと997世代の911GT3とほぼ同じ、そして991.2世代の911カレラよりも速い数字です。
新型アウディRS3はこんなクルマ
つまりこの新型アウディRS3はとんでもなく速いクルマということになりますが、搭載されるエンジンはおなじみ2.5リッター5気筒ターボ、そして出力は400馬力。
0−100kmhまでの加速はわずか3.8秒で、これは数年前までのスーパーカーのレベルです(最高速はリミッターによって290km/hに抑えられている)。
そしてアウディはこのエンジンについてシーケンシャル点火(1-2-4-5-3)を取り入れていること、さらには可変フラップ制御を備えたツインRSエキゾーストシステムによって心地よいサウンドが増幅されていることを強調しており、さらにはオプションにてRSスポーツエキゾーストシステムも用意されているのだそう。
ただしニュルブルクリンクのタイムを見ても分かる通り、新型アウディRS3は「直線番長」ではなくコーナリング性能も大幅に高められ、その要因の一つはブレーキトルクベクタリングの微調整。
アウディは 「これにより、新型RS3は以前よりもコーナーの半径に正確に追従する」と述べ、トラクションを失うことなくカーブを駆け抜けることが可能になったと述べています。
新型RS3にはアダプティブ ダンパー付きのRSスポーツ サスペンションが装備され、上述のブレーキトルクベクタリングに加え電子安定制御、後輪トルクスプリッターにより車両が安定して”華麗な”ハンドリングを実現すると説明されていますが、さらにドライブモードに応じてRS3のビークルダイナミクスをシャープに調整することができる、とのこと(ステアリングホイールにはパフォーマンスモードへとクイックアクセスするためのボタンが備わり、これはBMWを意識したのかもしれない)。
新型アウディRS3はサーキットを「無駄なく効率的に」グリップし走行できる一方、意図的にテールをスライドさせることがより簡単になったといい、これまではリアをすべらせるには強いスロットル入力が必要であったものの、アウディによると「今ではステアリング角度の調整によってそれを簡単に行うことができる(ちょっと想像がつかない)」。
標準にて装着されるタイヤは「快適性を犠牲にすることなくグリップ力を高めるC定格」だと説明され、オプションではセミスリックのピレリ P Zero トロフェオR が用意されることにも言及されています。※現時点でタイヤサイズは公表されていないが、先代モデル同様にフロントタイヤのほうがリアよりも「幅広」なのかもしれない
そしてそのパフォーマンスを誇示するかのごとくエクステリアはアグレッシブでスポーティになり、クラシックで控えめなアウディの外観を維持しながらも、新しいダイヤモンドパターンを持つシングルフレームグリルが採用され、アウディによれば「旧モデルよりも幅が広くフラットになり、パフォーマンスカーとしての「ダイナミクスを強調」し、このグリルによって再デザインされたヘッドライトとシームレスに溶け込む様を演出しています。※2000年代はじめのカラス天狗デザインが復活したようだ
デイタイムランニングライトの発光パターンには、新しいチェッカーフラッグ型デジタルモチーフを使用したデジタルシグネチャーが採用され、RS3では初めて、マトリックスLEDヘッドライトのDRLデザインが3つからから選択できるように(MMI ディスプレイ経由で設定可能)。
フロントバンパーには黒い垂直ブレードを備えた新しいサイドエアインテーク、そして1987年のアウディ・スポーツクワトロ S1 パイクスピークにインスパイアされたフロントスプリッターが採用されています。
フロントフェンダーはアウディRS6 アバントの最終限定モデル、RS6 アバントGTっぽいデザイン。
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リアにおいても垂直型のサイドリフレクターが採用され(これは今後のアウディのトレンドとなりそうだ)、センターにはレースカーのような赤いリフレクターを備えたRSモデル専用のディフューザーが装備されていますが、この意匠はランボルギーニ・テメラリオでも見られるため、フォルクスワーゲングループ全般に波及する可能性もありそうですね。
そしてこのディフューザーには(おそらくは大きくなった)楕円形テールパイプがインテグレートされ、テールライトの発光グラフィックも新しくなり、さらにダイナミックな照明シーケンスが展開されます。
ホイールは標準にてメッシュ風デザインを持つ19インチ、そしてマットダークグレーまたはグロス仕上げのブラック、あるいは切削加工を選択可能。
シングルフレームグリルやディフューザーは標準でブラック仕上げ(マットもしくはグロス仕上げを指定できる)、そしてサイドスカート、ディフューザートリム、フロントエアインテークにはカーボンファイバーも選べます。
今回公開されたオフィシャルフォトではキャラミグリーンとケモラグレーが紹介されていますが、このほかにも新しいメタリック仕上げであるプログレッシブレッドとアスカリブルーがボディカラーの選択肢に加わっています。
新型アウディRS3セダン / RS3スポーツバックのインテリアはこうなっている
そして新型RS3セダン / RS3スポーツバックのインテリアを見てみると、ステアリングホイールの上下がフラットになり(アウディによるとコーナリング時のフィット感が増すらしい)、標準のパンチングレザー仕上げ、またはオプションのダイナミカ(および12時のマーカー)付きにて提供可能。
シートに関しては、サポート力の高い標準のRSスポーツまたはバケットシートが用意され、標準RSシートだとファインナッパレザー仕上げ、バケットシートではパールナッパレザーの張り地を採用しています(こちらのシェルはカーボンファイバー製)。
テクノロジー面では、「スポーツ、パフォーマンス、ランウェイ」を備えた12.3インチのAudiバーチャルコックピットプラスシステムが搭載され、ランウェイモードを選択すると、デジタルインストルメントクラスターの中央に新デザインのレブカウンターが表示されるほか、トルク、出力、加速、さらにはラップタイムの表示もできるのだそう。
現時点で日本市場での価格は発表されていないものの、本国だとRS3セダンの価格は68,000ユーロ(現在の為替レートにて約1100万円)、RS3スポーツバックだと66,000ユーロ(1070万円)に設定されています。
新型アウディRS3を紹介する動画はこちら
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参照:Audi