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| ミラノデザインウィーク2026で示した“静かなる革命”とF1への胎動 |
アウディは喧騒を脱ぎ捨て「本質」へと向かう
アウディは新デザイナーを迎えてそのデザイン言語を一新するという予告を行っていますが、このタイミングはちょうど電動化へと向かう時期とも一致しており、そして今回はその「決意表明」とも受け取ることが出来る”物体”をミラノ・デザインウィークへと展示しています。
【要約】本記事のポイント
- アートの融合: ザハ・ハディド・アーキテクツと共同でインスタレーション「Origin」を制作
- 新デザイン哲学: 「明快、技術、知性、感情」を建築的体験へと昇華
- 電動化の頂点: アウディスポーツ初の高性能PHV「新型RS 5」を披露
- F1参戦への決意: 2026年から参戦するF1マシン「Audi R26」を展示
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アウディがデザインウィークで伝えたかったこと
「なぜアウディは、クルマの展示会ではないミラノデザインウィークに13年も出展し続けるのか?」
その答えは、アウディがクルマを移動手段としてのみではなく、「社会や文化との架け橋」と捉えているから。
そして2026年のアウディは、情報過多な現代社会に対するアンチテーゼとして「Origin(起源)」を提示しており、そのコンセプトは「過剰な装飾を削ぎ落とし、本質的なものだけを残す」というもので、今回それを示すべくザハ・ハディド・アーキテクツとの協業によって制作された物体「オリジン(Origin)」を展示することに。
重量感を示しつつも静謐さをまとっており、その空間体験は「電動化」と「最高峰モータースポーツ(F1)」という、アウディが迎える新しい時代の幕開けをも象徴しています。
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ザハ・ハディッド設計、北京大興国際空港へ。現時点では「かなり空いていて出入国に時間がかからず」、市内への移動も至極便利な”使いやすい”空港である
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ザハ・ハディドのDNAと共鳴する「Origin」の衝撃
ミラノの歴史的な場所、旧大司教神学校(現在はポートレート・ホテル)の中庭に出現した巨大な彫刻オブジェクト。それが「Origin」で・・・。
- 対話する建築: チタンのようなマットメタリックの質感が、ミラノの歴史的建築物の色彩を繊細に反射
- 光と影の演出: 時間とともに変化する反射と影が、訪れる人々に「今、この瞬間」への再接続を促す
- 不要なものの排除: アウディの新しいデザインフィロソフィーである「Clarity(明快さ)」を具現化し、視覚的なノイズをフィルタリングする空間を提供
たしかにこの「オリジン」は自動車でもなく、それを連想させる要素すら持たないものの、コンセプトCとの明確な関連性が感じられ、これほどまでにアウディの「進む道」を示す存在は他にない、という印象です。
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今後はこれがアウディの「顔」。コンセプトCの「ちょびヒゲ」垂直グリルが全モデルに波及、共通アイデンティティとして機能することに
Image:Audi | 今こそがアウディにとっての「変革の時」なのかもしれない | この記事の要点(30秒チェック) 新時代の象徴: 垂直に伸びた長方形のグリルが今後の全アウディ車の共通アイデンティ ...
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電動化とF1への挑戦
アウディはデザインだけでなく、技術的なマイルストーンもミラノで形にしており・・・。
【展示車両スペック・概要】
| 項目 | 内容:新型 Audi RS 5 | 内容:Audi R26(F1マシン) |
| 位置付け | アウディスポーツ初のハイパフォーマンスPHV | F1世界選手権参戦用マシン |
| 技術的特徴 | 電動化による瞬発力と日常の使い勝手の両立 | 世界最先端のハイブリッド・パワートレイン |
| デザイン | 精密かつ洗練された新しいRSデザイン言語 | 空力性能を追求した機能美の極致 |
| メッセージ | パフォーマンスの電動化を加速 | 技術進歩と競争力への揺るぎないコミットメント |
「デザインは、人々が雑音をフィルタリングし、明晰さを見つけ、本当に大切なものと再びつながるのを助けるものでなければなりません」
(アウディAG チーフ・クリエイティブ・オフィサー:マッシモ・フラスチェッラ氏)
これからのアウディの方向性を(現時点で)端的に示す存在として新型RS5、そしてF1マシンのR26をオリジンと「対角線を成すように」展示しています。

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こんなぶっといテールパイプ見たことないな。アウディが新型RS5発表、639馬力の怪物PHEV、V6維持も「車重2.3トン超」ヘ
Image:Audi | もはや乗用車が「2トン」を超えても珍しくはない時代に 一方、ディーラーの整備環境、オーナーにとってはタイヤの摩耗など新たなる課題も アウディのハイパフォーマンス部門「Audi ...
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ラグジュアリーの定義はどう変わるのか?
他の競合ブランドが派手な装飾や複雑なテクノロジーを競う中、アウディは「引き算の美学」を選択しており、かつての「高級車」がパワーや豪華な内装で語られていたところ、2026年現在のアウディが定義するラグジュアリーは「マインドフルネス(心の静寂)」。
洗練されたPHV(新型RS 5)は静寂なEV走行と情熱的なスポーツ走行の二面性を持ち、F1(R26)への参戦はその静寂の裏にある「圧倒的な技術力」を裏付けるものという解釈です。
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アウディのデザイナー「今後はもう、怒った顔のクルマをデザインすることはないでしょう。路線を180度転換し、ソフトで柔らかく、フレンドリーになってゆきます」
| アウディのデザイナーは実のところ、アグレッシブでダイナミックなデザインが好きではなかったらしい | しかしアウディらしさを捨てることで、アウディは新しい「アウディらしさ」を考えねばならない さて、 ...
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2026年、F1は「電動化」の新時代へ
なぜアウディはこのタイミングでF1マシンをミラノに持ち込んだのか?
2026年のF1はパワーユニット規定を刷新し、電力比率を大幅に高めた「サステナブル・フューエル(持続可能燃料)」の時代に突入し、そしてアウディがミラノで示した「オリジン」と「R26」との共演は、このモータースポーツの新しい“起源”に、アウディがリーダーとして君臨するという宣戦布告でもあるわけですね(現時点では思うような戦績を挙げることができていないのが残念ではあるが)。
アウディが選んだ「第2の創業」
ミラノデザインウィーク2026でアウディが見せたのは「クルマの展示」にとどまらず、それは、ザハ・ハディド・アーキテクツとの共作による「文化的な対話」であり、電動化によって生まれ変わる「RSの未来」、そしてブランド史上初となる「F1への挑戦」という三位一体の決意表明。
ぼくらは今、アウディというブランドが「より知的で、より感情に訴えかけ、そして何より”本質”を貫こうとする」新しいステージへと進む瞬間に立ち会っているというわけですね。
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アウディ、新型「コンセプトC」を市販化決定。TTの後継ではなく“スピード、デザイン、感性の象徴であり、ブランドの魅力を高める存在”へ
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