| 今見ると、その飾り気のなさにかえってBMWの本気と凄みを感じる |
E46 M3 CSLはBMWとしては「2台めの」CSL
さて、BMWは先日20年ぶり、「BMW史上3台目」となるM4 CSLを発表したばかりですが、「CSL」はBMWが1916年に会社を設立したのち、1972年の3.0CSL、2003年のM3 CSL(E46)、2022年のM4 CSLのたった3モデルのみにしか使用されていない名称です。
このCSLは「クーペ・スポーツ・ライトウエイト(Coupe Sport Leichtbau)」を意味していて、その性格は限りなくレーシングカーに近く、極端な軽量化やモータースポーツ寄りの装備を持つことがいずれにも共通する特徴。
なお、つい最近になってBMW自身が「M5とM6にもCSLを追加する計画があった」としてそのプロトタイプを動画にて紹介していますね。
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BMW M3 CSLはこんなクルマ
そして今回、RMサザビーズ主催のオークションに登場するのがE46世代のBMW M3 CSL。
E46 M3そのものは1999年のフランクフルトモーターショーにて予告され、翌年3月のジュネーブモーターショーでデビューを飾っていますが、2002年には、最もパフォーマンス志向の強いバージョンが発表され(生産は2023年から)、ここでCSLという歴史的な名称が復活しています。
通常版のM3より110kgも軽量化されており、その手法としてはカーボンファイバー、ガラス強化プラスチック、薄肉ガラスの使用が主な手段。
2003年6月から12月までの間にて、わずか1,383台がレーゲンスブルク工場にて生産されています。
BMW M3 CSLは見れば見るほどスパルタン
そこでこのM3 CSLを見てみたいと思いますが、フロントには専用デザイン、そしてカーボン製のスプリッター。
サイドギルには「CSL」バッジ。
ルーフはまるごとカーボンファイバー。
今でこそポルシェ911やランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ等に採用されているものの、当時としてはかなり珍しく、市販車に装着するというのは異例中の異例であったと記憶しています(つまり、それだけBMWが本気である)。
テールパイプは4本出し(切りっぱなし)、そしてリアスカートもカーボンファイバー製。
惜しむらくはノーマルのM3と大きく外観が変わらないことで、もうちょっと差別化を設けても良かったんじゃないかと思ったり。
ただ、この「飾り気のなさ」こそがE46 M3の本気度、そしてピュアさを表しているのかもしれませんね。
E46 M3 CSLのインテリアも特別だった
そしてM3 CSLのインテリアもまた特別で、アマレッタ合成スエードとリフレックス・クロスが用いられています。
ドアインナーパネルは非常に簡素な作りを持っており、カーボンファイバーが使用されて軽量化が追求されることに(当時はまだカーボンファイバーが装飾的に使用されていなかったということがわかる。今となってはこの飾り気のなさが新鮮でもあり、タイムレスな価値を発生させているとも解釈できる)。
センタートンネルにもカーボンファイバーが使用され、ちなみにトランスミッションはオートメーテッドMTの「SMG II」。
BMWはかなり早い段階からロボタイズドトランスミッションを導入していますが、トラブルも少なくはなく、これを敬遠する人も多かったようですね。
この個体は2003年7月4日に製造されたという記録が残っており、最初の出荷先は日本向だとされています。
オプションにてヘッドランプウォッシャー、パーキングセンサー、レインセンサーワイパー、キセノンヘッドランプを装備しているようですね。
なおシートのリクライニング機能は「ナシ」。
搭載されるエンジンは3.2リッター直6「S54B32HP」で、標準仕様のM3が343馬力であるのに対し、M3 CSLでは360馬力を発生します。
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