| BMWはV8エンジンを存続させるための最良の手段としてこのV8プラグインハイブリッドを選択している |
新型M5のハイブリッドシステムのみで重量は400kgを超える
さて、新型BMW M5の車体重量は2,445kgもあり、これはつまりマツダ・ロードスター2台分よりも重く、GR86約2台分に相当する重量です。
この重量増加の主な理由は「ハイブリッドシステム」であり、これだけでおよそ405kgほどもあると言われます。
さらには車体が大きくなったことで重量増加に拍車をかけているわけですが、これについてネット上では大きな批判が巻き起こっているわけですね。
-
BMWが新型M5向けにMパフォーマンスパーツを大量投入。カーボン製燃料キャップやシャークフィンまでもラインアップ、これで2,445kgのM5が「多少は」軽くなるかも
| 一方、大幅に軽量化が期待できるカーボン製シート、センターロックホイールは用意されていない | ハイブリッド化に対する重量ペナルティは純粋主義者にとっては「受け入れがたい事実」である さて、BMWは ...
続きを見る
参考までに、新型メルセデスAMG C63の重量は2,036kgですが、AMG GT 63 5MATIC+の2,160kgとともにあまり話題にはなっておらず、これは「人々はメルセデス・ベンツの重量はあまり気にしないが、BMWの重量を気にする(つまりBMWには軽量性とスポーツ性を求めている)」ということなのかもしれません。
-
驚愕の680馬力、新型メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス発表!C63初の4気筒、ハイブリッド、4WD、4WSなど新機軸を盛り込んだゲームチェンジャー
| 正直、メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンスがここまで革新的なクルマになるとは想像しなかった | メルセデスAMGは「AMG One」を通じ、電動化をパフォーマンスに結びつける方程式を見つ ...
続きを見る
BMW「実際に運転する前に結論を急ぐべきではない」
そしてこの論争に対してBMW M部門の責任者、フランク・ファン・ミール氏がコメントを発しており(ジャンボキドニーが批判された際にもBMWのデザイナーが説明を行なっており、BMWはけっこう消費者の声に意見を傾けるようである)、新型M5の重さに関する批判について尋ねられた際、「実際に運転する前に結論を急ぐべきではない。私たちは、重さを感じさせないように設計しました」と述べています。
さらに同氏は「データだけに頼って判断するのではなく、実際に運転してみないと車の重さを感じるかどうかは分からない」と指摘。
たしかにこの意見には一理あり、フランク・ファン・ミール氏は、M5の重さに関する世間の反発に「我々は多くの情熱を注ぎ、意識的にハイブリッド路線を選択しているので、こにれは少しイライラした」ことについても正直認めています。
BMW M5のハイブリッドは「唯一の選択」であった
新しいM5が電動化された理由は、V8エンジンをもう一世代生かすための唯一の方法で、特にヨーロッパでのますます厳しくなる排出規制を満たすためですが、BMWは「M5を完全電動化(つまりBEV)することも検討したが、重量が重くなりすぎるのでこれを却下した」といい、なんとかM5を軽く止めようとしたこともわかります。
現在のところ、フランク・ファン・ミール氏はツインターボ4.4リッターV8エンジン、そしてXMから流用された電動モーターの組み合わせがM5にとって完璧な選択だと自信を持っていて、M部門は「新しいパフォーマンスセダンが重くなることを事前に把握していた」と認めているので、重くなることを前提に新型M5を設計したのかもしれません。
ただ、ぼくが思うのは、上述の通り「メルセデスAMGよりはずいぶんいい」のではということで、メルセデスAMGは「4気筒」にもかかわらずハイブリッド化によって大きく重量が増加し、AMG GT63はV8エンジンを積んでいるものの、スポーツカーにも関わらず2,160kgもあるので、新型BMW M5の2,445kgは「まだ頑張った」ほうなのかもしれません。※新型EクラスのAMGバージョンはおそらくM5よりも重くなるであろう
そして仮に、BMW MがメルセデスAMGと同じく「ダウンサイジングターボ」を採用していたならば、自体がもっと悪い方向へと向かっていたはずで。それを考慮するならば、ぼくらは新型M5を受け入れるべきなのだとも考えています。
合わせて読みたい、新型BMW M5関連投稿
-
BMWがM5ツーリング用の「Mパフォーマンスパーツ」発表。なぜか新型M5ではイエローやオレンジという明るいボディカラーが公式フォトに使用されることが少なくない
Image:BMW | 当然ながらそのデザインは新型M5にベストマッチ、その魅力をさらに引き立てるかのようだ | Mパフォーマンスパーツはその性能を視覚化できるように作られている さて、BMWは先日「 ...
続きを見る
-
BMW「M5の主な客層は中年男性、とくに年を取るにつれてMモデルを欲しがる上級管理職です。そしてサーキットをほとんど走りません」
| このBMWからのコメントは「まさにM5のこれまでのイメージそのもの」でもある | 一方、M5の顧客は「アジア市場の影響で」若返りつつある さて、BMWは史上最強スペックを誇る「M5セダン」「M5ツ ...
続きを見る
-
BMWが待望のM5ツーリングを発表。最高速は305km/h、現時点での「世界最速ワゴン」の座に君臨。さらにはPHEVパワートレーンにて高い環境性能を誇る
Image:BMW | 新型BMW M5ツーリングは「パフォーマンス」「環境性能」「ユーティリティ」を高い次元でバランスさせている | おそらくはメルセデスAMGがこの存在を見過ごすことはないであろう ...
続きを見る