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BMWは「イタリアン」デザインにも強い興味を示していた。これまでにはジウジアーロ、ガンディーニ等による数々の名車が誕生している

BMWは「イタリアン」デザインにも強い興味を示していた。これまでにはジウジアーロ、ガンディーニ等による数々の名車が誕生している

Image:BMW

| BMWミュージアムで「イタリアン・デザイン展」開催へ──名匠たちが魅せた“美しきマシン”の系譜 |

イタリアの美学 × ドイツの技術が織りなす、珠玉の名車たち

BMWミュージアムにて、2025年6月7日より新たな特別展「Belle Macchine(美しきマシン)」がスタート。

本展は、「イタリアン・オートモーティブ・デザインとBMWの関係性」をテーマとし、歴代のコンセプトカーや名車、デザインスケッチなどを通し、イタリアの美学がBMW車に与えた影響を振り返るものだと説明されています。

参考までに、BMWの本社所在地(バイエルン)はメルセデス・ベンツやポルシェの本拠地よりもイタリアに近く、よってBMWは古くからイタリアの影響を受けてきたと言われますが(そのため社員食堂の食事も美味しいとされる)、実際にイタリアとのつながりがけっこう深かったようですね。

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Image:BMW

イタリアン・デザインの系譜とBMWの歴史

イタリアといえば、ファッション、インテリア、プロダクトデザインの分野で世界的な美意識を築いてきた国。

自動車においても例外ではなく、BMWは1930年代からイタリアのカロッツェリア(コーチビルダー)と協業し、革新的な車両デザインを展開してきましたが、本展では、ジョルジェット・ジウジアーロ、ジョヴァンニ・ミケロッティ、マルチェロ・ガンディーニといった名匠たちによるBMWのデザイン史を、23台の実車展示と多数のスケッチ・資料で解説しているといい、BMWのデザインアーカイブから貴重な資料が初公開される点にも注目です。

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Image:BMW

展示車両の一部はこんな感じ

そこで展示車両の一部を紹介してみると以下の通り。

  • BMW Garmisch(1970年)
    マルチェロ・ガンディーニによる幻のコンセプトカー。後の3シリーズや5シリーズに通じるエッセンスを内包。※長らく行方不明となっていたが、近年発見されレストアされた
  • BMW 1800 TI/SA
    イタリアの影響が色濃く残る名スポーツセダン。レースでも活躍。
  • BMW 3000 V8 “グラセラーティ”
    BMWが買収したグラス社との統合によって誕生した、ラグジュアリーとスポーツの融合車。
  • BMW Pininfarina Gran Lusso Coupé(2013年)
    ピニンファリーナとの共作で、現代のクラフトマンシップを象徴するモデル。
  • BMW Nazca M12(1991年)
    ファブリツィオ・ジウジアーロによる近未来的コンセプトカー。幻のスーパーカーとも称される。
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こんなコンセプトカーもあった。BMW NAZCA三兄弟「M12」「C2クーペ」「C2スパイダー」

| BMWは昔からスーパーカー/ハイパーカーには強い興味を持っている | BMWとイタルデザインとの共同プロジェクトによって誕生した一連のコンセプトカーシリーズ、「NAZCA M12(1991年、ジュ ...

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展示構成:5つのプラットフォームで展開される“イタリア美の旅”

この展示は、BMWミュージアムの象徴的な構造「ボウル(Bowl)」内の5つのプラットフォームとランプを使用して構成されているといい、最新シリーズ「ノイエクラッセ」へと通じる物語が紡がれるようですね。

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Image:BMW

  • Part 1:イタリア・デザインの源泉
    ファッションやプロダクトデザインにおける美意識の紹介からスタート。
  • Part 2〜4:名車とデザイナーの系譜
    実車展示と共に、各デザイナーの功績やスケッチを紹介。
  • Part 5:未来へ繋ぐデザインDNA
    「BMW Vision Neue Klasse(ノイエクラッセ)」など、現代のモデルに引き継がれる“イタリアのエスプリ”を体感できます。
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Image:BMW

■ イタリア的“詩的世界”を360度で体感

さらに、会場ではジョルジョ・デ・キリコ(一時期ミュンヘンで学んだイタリア人画家)の作品をモチーフにした360度映像インスタレーションも展開し、芸術と自動車デザインが交錯する空間にて、まさに“視覚的ロードトリップ”を味わうことができる、とも説明されています。

ぼくはまだBMWミュージアムを訪れたことはありませんが、いつの日かBMWミュージアムそしてポルシェ、メルセデス・ベンツ博物館を訪問したいものだと考えています。

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参照:BMW

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