| BMWは昔からスーパーカー/ハイパーカーには強い興味を持っている |
BMWとイタルデザインとの共同プロジェクトによって誕生した一連のコンセプトカーシリーズ、「NAZCA M12(1991年、ジュネーブ・モーターショーにて発表)」、「C2クーペ(1992年、東京モーターショーにて発表)」、「C2スパイダー(1993年、モナコF1GPにて発表)」。
エンジンについてはM12が5リッターV12(300馬力)、C2クーペも5リッターV12ながらも350馬力にパワーアップ(アルピナチューン)、C2スパイダーは5.6リッターV12(380馬力)。いずれもミドシップレイアウトを持っています。
実際に3台を製造し販売
デザインを行なったのはイタルデザイン創始者であるジョルジエット・ジウジアーロ氏とその息子、ファブリッツォ・ジウジアーロ氏。
なお、ファブリッツォ・ジウジアーロ氏が公式にデザイナーとして名を記した最初の作品だとされています。
ちなみにこれら「三部作」は1990年にブガッティが発表した「ID90コンセプト」への対抗だと言われ、BMWは昔からハイパーカーに対する関心が高かったのだということがわかりますね。
こちらがそのID90。
やはりイタルデザインの作品です。
BMW NAZCA M12のデザインイメージはF1とグループCカーだとされており、フレームやボディパーツはカーボンファイバー製。
フルカーボンのバスタブシャシーを持つメルセデス・ベンツSLRマクラーレンの登場が2004年であることを考えると、これは「驚くべき事実」で、V12エンジンを持ちながらも車体重量は1100キロ、と非常に軽量。
さらには風洞実験によって空力性能に磨きをかけ、cd値は0.26と非常に優秀で、継ぎ目を無くすためかフロントセクションやリアセクションのボディパネルはなんと「カーボン製の一体モノ」。
なお名称の「NAZCA(ナスカ)」の由来は不明。
ただ、1998にイタルデザインは「アズテック(AZTEC)」なるコンセプトモデルを発表しており(実際に生産され販売もされた)、なんとなく南米に傾倒していた時期があったのかもしれません。
その一年後にリリースされたのが「NAZCA C2」で、これはNAZCA M12のエンジンをアルピナが350馬力にまでチューンしたものを搭載し、さらに重量を100キロ削って1000キロまで落とした「発展版」。
NAZCA M12もそうですが、ドアは横に開いた後に「ルーフも上に開く」方式。
乗降性を考慮したものと思われますが、ピニンファリーナやイタルデザイン(ジウジアーロ)はこの手法を好んで用いる傾向がありますね(最近発表された、中国メーカーのEVにも同じ手法が採用されている)。※ドアハンドルは市販モデルからの流用と思われ、ここだけが妙に現実的
ヘッドライトはフロントバンパーに格納され、フロントスポイラーはより「突き出た」形状となってアグレッシブなイメージに。
こちらがさらに1年後に登場したNAZCA C2スパイダー。
スパイダーというよりはタルガトップに近く、リアウインドウの形状も変更に。
C2スパイダーのみトランスミッションは6MT、M12とC2クーペは5MT、とのこと。
驚くべきことにNAZCA C2クーペのみ実際に市販され、コレクターに売却されたそうですが、いったいいくらで販売されたのかは気になるところ。
アウディもかつてコンセプトカー「アヴス・クワトロ」を実際に販売しようとし、その際の価格は「15億円」であったと言われます。
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