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BMW Z4がついに生産終了へ。MTも選べる究極の限定車「ファイナル・エディション」発表、その歴史に幕

BMW Z4がついに生産終了へ。MTも選べる究極の限定車「ファイナル・エディション」発表、その歴史に幕

Image:BMW

| さよなら、美しきロードスター。Z4が迎える24年の歴史の終焉 |

BMW Z4は中古市場では「かなりお買い得」でもあり、どこかで手に入れたいクルマでもある

BMWが誇るエレガントなロードスター、Z4の時代がついに終幕へ。

1990年代のZ3から続く伝統を受け継いだZ4は、その美しいデザインと”駆け抜ける歓び”によって多くのドライバーを魅了してきましたが、今回発表された「BMW Z4 ファイナル・エディション」は、その有終の美を飾るにふさわしい特別仕様の限定車。

ここでは”最後のZ4”に込められたBMWのこだわりを見てみたいと思います。

サマリー

  • Z4、24年の歴史に幕: 3世代にわたるBMW Z4の歴史が2026年をもって生産終了
  • 究極の限定モデル: 最終記念モデルとして、豪華装備の「Z4 ファイナル・エディション(M40iベース)」が登場
  • マニュアル車が選べる!: 多くのファンが望んだ6速マニュアル(MT)仕様も選択可能
  • 生産期間はわずか3ヶ月: 2026年2月から4月までの超限定生産
  • 価格は$78,675: 現在の為替レートだと約12,281,168円。装備を考えると戦略的な価格設定だとして話題に※現時点では日本市場に投入されるかどうかはわからない
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究極の仕様:Z4 ファイナル・エディションの特徴と特別装備

このファイナル・エディションはZ4のトップグレードであるM40iをベースとし、多くのオプションと専用装備が加えられています。

エクステリアとデザイン

特徴詳細
専用ボディカラーBMW Individual フローズン・ブラック サテン塗装(マットブラック)
シャドーラインPKGキドニーグリル、ミラーキャップ、エアインテーク、エキゾーストフィニッシャーなどをブラックアウト化し精悍なルックスに
ホイール19/20インチの前後異径Mデュアルスポーク・バイカラー800Mホイール(Z4の最上級オプション)を標準装備
ブレーキ専用のレッド・ブレーキキャリパー
ソフトトップムーンライト・ブラックのソフトトップ(光沢感のあるブラック)
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インテリアと快適装備

  • シートとステッチ: Mスポーツシートを含め、インストゥルメントパネル、センターコンソール、ドアパネル全体にレッドステッチを施すことで情熱的な雰囲気を演出
  • シートベルト: BMW Mの象徴であるトリコロールカラーのシートベルトを特別採用
  • ドアシルプレート: 「Z4 Final Edition」の文字が刻印された専用プレート
  • 標準装備パッケージ: Harman Kardonサラウンドサウンドシステム、プレミアムパッケージ、ドライビング・アシスタンスパッケージなど、快適装備をフル搭載
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待望の6速MT車:専用チューニング「Edition Handschalter」

このファイナル・エディションにおける最大のトピックの一つが6速マニュアル・トランスミッション(MT)の選択肢。

この世代(G29)のZ4登場時、まずはオートマチック(AT)のみでスタートしましたが、2024年にMTが遅れて追加されており、そしてこの最終モデルでもMTが選択可能(つまりBMWは「わかっている」)。

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 MT専用の特別な「走り」へのこだわり

MT仕様を選択すると、特別な「Edition Handschalter(エディション・ハンズシャーラー)」パッケージが自動的に適用され、これは、単にギアボックスを変えるだけでなく、走りの質を高めるための本格的なアップグレードです。

  • サスペンション強化: 専用スプリングの採用とフロントの強化型アンチロールバーを装備
  • 電子制御の最適化: リアショック、パワーステアリング、トラクションコントロール、Mスポーツ・ディファレンシャルのプログラミングを再調整

これにより、MT仕様は標準のAT仕様(標準Z4サスペンション)とは一線を画す、よりダイレクトで機敏なハンドリングを実現しているわけですね。

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価格と生産スケジュール:最後のチャンスを逃すな

価格情報

  • 車両本体価格: $78,675(北米)
  • 内訳: 車両価格 + $1,175の配送手数料(Destination Fee)
  • コストパフォーマンス: 同等の装備を標準のZ4 M40iで揃える場合と比べてもわずか数千ドルの差しかなく、限定車としての専用装備やコレクターズアイテムとしての価値を考慮すると非常に魅力的な価格設定である

生産スケジュール

  • 生産期間: 2026年2月~4月
  • 数量: 「ごく少量」のみが生産される、とのこと(いかに受注が多くとも、受注台数すべてを生産しないかもしれない)

生産期間はわずか3ヶ月と非常に短く、市場に出回る台数は限られるものと考えてよく、さらにこれは「新車のBMW Z4、しかもマニュアル・トランスミッションが選べる」という条件で手に入れられる最後の機会となります。

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兄弟車「トヨタ・スープラ」との関係と市場での位置付け

Z4の登場、そして生産終了は自動車市場の大きな変化を象徴しており、というのもZ4はトヨタとの共同開発によって誕生した兄弟車「トヨタ GR スープラ」とプラットフォーム、エンジン、そして生産工場(オーストリアのマグナ・シュタイヤー社)を共有しているから。

  • Z4のポジション: 高級感、オープンエア、快適なツーリング性能を追求したロードスター
  • RGスープラのポジション: 剛性の高いクーペボディで、よりスポーティでサーキット志向のドライビングを追求

この「Z4とGRスープラとの共同開発」という事実は、現在の自動車業界においていかにスポーツカーの需要が少ないか、そしてニッチなスポーツカーを自動車メーカー単独で開発することが難しいかを示しており、さらにその販売終了は「市場規模が小さいスポーツカーの継続がビジネス的に許されない段階に来ている」ことを意味します。

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今回のZ4の生産終了に伴ってGRスープラも(同じ工場で生産している以上)生産がじきに終了することとなりますが、次世代のGRスープラはトヨタが単独で開発を行うとされており、これは「いかに逆風であってもそれに立ち向かうトヨタの姿勢」を示すと同時に、Z4がここで途絶えていることをも示唆しており、そう考えるならば、Z4 ファイナル・エディションは、「BMWが提供する数少ないマニュアル車」、そして「ソフトトップを持つ最後のロードスターの一つ」として、未来のクラシックカーとしての地位を確立する可能性を秘めているのだとも考えられます。

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結論:Z4 ファイナル・エディションが意味するもの

BMW Z4 ファイナル・エディションは、単なる特別カラーの限定車ではなく・・・。

  1. コレクターズアイテムとしての価値: ごく少量の生産であり、ブランドの歴史の終焉を告げるモデルでもあるため、将来的に高いプレミア価値を持つ可能性がある
  2. ドライビングの純粋な喜び: 専用チューニングが施された6速MTが選べる点はスポーツカーファンにとって最高の魅力

BMWの「駆け抜ける歓び」を、伝統的なロードスター形式とマニュアル操作で提供する、最後の傑作であるとも考えられます。

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参照:BMW

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