
| 次世代Z4が登場したとしても、ノイエクラッセ・プラットフォーム採用の「電動版」となりそうだ|
BMW Z4、まもなく生産終了
現行型BMW Z4は、2026年上半期で生産終了となることが発表されています。
つまりBMWの次世代EVアーキテクチャ「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」を採用したニューモデルがアナウンスされないまま、Z4は(いったん)BMWのラインアップから消えてしまうこととなるわけですね。
デジタル上では、独立系デザイナーによる「ノイエクラッセ(Neue Klasse)風Z4」のレンダリングが公開されていますが、現時点でBMWは正式に後継モデルについて触れておらず、しかしその一方で、BMWは後継モデルを「完全否定」していないことからも、電動時代に再びスポーツカーとして復活する可能性が残されています。
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Neue Klasseはスポーツカーにも適用可能?
オーストラリアの自動車メディア、DriveがBMW開発担当役員ヨアヒム・ポスト氏に「Neue Klasseでスポーツカーは実現可能か」と尋ねたところ、ポスト氏は「可能だ」と回答したといい、BMWのモジュール式アーキテクチャは、多様なボディタイプや性能レベルを共通部品で展開できるため、技術的にはスポーツカーを作ることも不可能ではないとしています。
ノイエクラッセシリーズはまずSUVのiX3でデビューするものの、EV、ハイブリッド、内燃機関すべてに対応可能な設計思想を持ち、バッテリーセルや制御ユニットなどを共通化する「バウカステン哲学」に基づいていて、この柔軟性により、もし市場が求めればロードスターの復活も迅速に実現できるというわけですね。
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Image:BMW
BMWの大規模投資と商品計画
BMWは2027年までに40以上の新型・改良型モデルを投入予定だとされ、その中には次期3シリーズ、新型X5、新型i3セダン、そして新しいX1も含まれます。
これらはノイエクラッセのデザイン言語や技術を採用し、最新の電子制御システムやパノラマiDriveインターフェースを搭載する予定。
同プログラムには約180億ドル(約2.7兆円)が投資され、BMWのエンジニアとプランナーたちの数年間をフル稼働させることになる、とも報じられています。
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Z4が直面する「ビジネス的課題」
しかし、現実問題としてロードスターの市場は縮小傾向にあり、現行Z4はアメリカ市場でBMWの販売台数の中でも下位に位置し、2024年にはXMに次ぐワーストの販売実績という現状も。
マニュアルモデルの追加によって「息を吹き返す」も大きな起爆剤にはならず、少量生産のロードスターには多額の開発コストがかかるため、BMWとしては収益性の高いSUVやセダンとの兼ね合いが課題となり、とくにこれから主力モデルを「ノイエクラッセ」へと置き換えるという壮大な計画を持つBMWにとって、「利益が見込めないロードスターに開発リソースを回すことはできず」、結果として、Z4の直接的な後継車は現時点では計画されていない、というのが実情なのかもしれません。
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トヨタ・スープラとの関係も終了へ
なお、現行Z4はトヨタ・スープラとプラットフォームを共有していますが、トヨタはスープラの次世代モデルを単独で開発すると発表しており、よって(スポーツカーにおいては)BMWとの協業は終了すると考えてよく、スープラが「Z4の兄弟車」だった関係が途切れることも、BMWが新型ロードスターに踏み切らない理由のひとつかもしれません。
まとめ
現行BMW Z4は2026年で生産終了を迎えます。
ノイエクラッセ プラットフォームでの復活は今のところアナウンスがありませんが、BMWは将来的なオープンスポーツ復活の可能性を否定しておらず、よって「主力車種がすべてノイエクラッセに置き換わった後」、そして市場動向と需要次第では、電動ロードスターが再び登場する日が来るのかもしれません。
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参照:Drive