【動画】メルセデスAMG GT 63Sがニュルで7:23を記録してポルシェパナメーラの持つ記録を破る！なぜメルセデスはこれほどまでにポルシェを目の敵にするのか

｜　とにかくメルセデス・ベンツはポルシェに勝たねばと考えているようだ　｜

メルセデス・ベンツが「AMG GT 63Sが、ニュルブルクリンクを7分23秒009秒（細かい！）で走り、新たなる記録を打ち立てた」と発表。

これは2018年にメルセデスAMG GT 63Sが記録したタイムより2.3秒速く、当時との違いは「AMGエアロダイナミクスパッケージ」、そしてミシュラン・パイロットスポーツカップ2タイヤを装着しているということにとどまると報じられています。

メルセデスAMG GT 63Sは「高級サルーン」最速

なお、このタイムはメルセデスAMGいわく「高級サルーンでは最速」。

「高級サルーンでは」というくくりがあるのは、「4ドア」としてカテゴライズしてしまうとジャガーXE プロジェクト8の7:18.361という記録があるためで、これを除外するために「高級サルーン」という但し書きを付けているわけですね。

ジャガーXE プロジェクト8はベースこそジャガーXEという高級サルーンではあるものの、（仕様地によって）リアシートを取り外したりという過激な仕様を持つスポーツカーであり、現実的にこれを「高級サルーン」と称するのは難しいのもまた事実。

ニュルブルクリンクのタイムは計測区間によって異なる

参考までに、ニュルブルクリンクのタイム計測については複数方法があり、これまで一般的だったのは「グランドスタンドT（ターン）13の終わりから計測を開始し、T13の始まりで計測を終了する」。

これは走行距離はちょっと短くなる（20.6キロ）のでタイム計測的に有利であり、多くの自動車メーカーそしてカーメディアが採用する方法です。

ただし2019年にニュルブルクリンクGmbHは旧来の方法ではなく、「T13の同じところを計測開始と終了のポイントとし、この方法にて計測したタイムを公式として認定する」と制定。

これによって走行距離は20.6キロから20.8キロへと伸び（正確には232メートル）、しかし今回メルセデスAMGが発表した7:23.009は「以前の方法」によるもので、しかし新しい方法だと7:27.800という数字となるそうです。

参考までに、ポルシェが新型パナメーラにて記録した7:29.81は「新しい方法」によるもので、以前の計測手法だと7:25.04となり、それまでニュルブルクリンク最速サルーンであったメルセデスAMG GT 63S（当時）の記録である7:25.41をわずかながら更新していた、ということに。

当面ニュルブルクリンクのタイムについては「旧方式」「新方式」とが混在することになり、ちょっとややこしくなりそうですね。

なぜメルセデス・ベンツはポルシェを目の敵に？

なお、ポルシェとメルセデス・ベンツは本社所在地が近く、過去には良好な関係を築いていたことも。

かつてポルシェが経営危機に陥った際には「ポルシェに発注する」ことでポルシェの売上を確保し、これによって世に送り出されたのがかの「500E」（ただし、このあとポルシェは、せっかく助け舟を出してくれたメルセデス・ベンツに無断でアウディと同じようなことをやってしまい、メルセデス・ベンツの逆鱗に触れたと言われる）。

その後、メルセデス・ベンツはAMG GTを発売するにあたってポルシェ911をターゲットに据え、ポルシェ911を子供の頃からのドリームカーだとする人々に対し、「その夢は（AMG GTによって追い越された）」というとんでもない動画を公開しています。

そしてMAG GT 4ドアクーペについてもパナメーラを直接に狙ったクルマであり、ほかにはボクスター/ケイマンを狙い撃ちするスポーツカー投入の計画もあったようですね。

ただし両者の関係は（見た目ほど）悪くは無いようで、実際にはお互いのミュージアムにて展示物の乗り入れ、そして両方を訪問すれば割引が得られるチケットの販売も行っており、仲がいいのかそうでないのかわからない、微妙な間柄となっています。

メルセデスAMG GT 63Sの記録達成動画はこちら

参照：Mercedes-AMG