メルセデスAMG Oneがニュル最速、レッドブルリンク最速、ホッケンハイム最速の三冠を達成した「舞台裏」を動画にまとめて公開！他サーキットでの記録更新も期待

｜　ここまでメルセデスAMG Oneは来るのは相当に困難な道のりであったが、待った甲斐はあった　｜

ただしまだまだ注意すべきライバルの存在も

さて、メルセデス・ベンツはそのハイパーカー「AMG One」にてニュルブルクリンク（ノルドシュライフェ）を6分35秒183にて周回し市販車最速記録を打ち立て、さらにはレッドブルリンク（1分26秒846）、ホッケンハイム（グランプリレイアウト、1分38秒563）でも市販車最速記録を更新しています。

そして今回、そういった世界「新」記録を更新した数々の挑戦の裏側を収めたダイジェスト動画が公開されることに。

いかにメルセデスAMG Oneであっても記録更新は容易なことではない

メルセデスAMG OneはF1マシン由来の1.6リッターV6ターボエンジン（許容回転数は11,000RPM）、そしてこれもF1直系となるハイブリッドシステムを搭載したハイパーカーであり、その出力は1,000馬力オーバー、0−100km/h加速2.9秒、0−200km/h加速7秒、最高速じつに352km/hという性能を誇ります。

この計画が発表されたのは2017年の「AMG設立50周年記念」の折ですが、実際に発売されたのはその5年後となる2022年つまり「AMG設立55周年」。

要は開発に5年も要してしまっワケで、それはひとえにF1専用のパワートレインを市販車向けに改良すること、そしてユーロ6規制に適応させることに苦労したためだとされています。

そして実際に発売されたクルマは「重量1100kgのはずが実際は1750kg、0−200km/h加速も5.5秒のはずが7秒」となってしまい、”数千万円の”スーパーカー、。つまりマクラーレン720Sなどにパーフォーマンス上の数値で劣るという現実が非難の対象となったことも。

ただしメルセデスAMGとしては、こういった非難、そして3億円以上という価格を許容し契約書にサインしてくれた275人のオーナーのためにも汚名をそそぐ必要があり、よってこういった各サーキットでのチャレンジを行っているものと思われます。※ただし2017年の時点でもメルセデスAMGは「ニュルブルクリンクへの挑戦」については言及している

そしてメルセデスAMGはその「不動」の座を確保するため、今後も同様の挑戦を続ける可能性があり、鈴鹿やスパ・フランコルシャンなど各GPサーキットでの記録更新の報を待ちたいと思います。

ただしメルセデスAMG Oneには強力なライバルも

しかしながらメルセデスAMG Oneの王座を脅かす存在も少なからずおり、その筆頭はアストンマーティン・ヴァルキリー。

こちらはF1マシンの設計で知られるエイドリアン・ニューウェイの設計によるハイパーカーで、F1マシンに通じる設計を持つというよりは「F1で禁止された、もしくは禁止されている」テクノロジーを使用したことが大きな特徴です（AMG OneはF1を強くイメージしているが、ヴァルキリーはそれを越えようとしている）。

つまりは「F1の枠を超えた」クルマということで、このサーキット専用バージョンであるヴァルキリーAMR Proは「サーキットによっては、F1マシンやル・マン用レーシングカーよりも速い」とも言われており、もしこれがひとたびニュルブルクリンクを走ったならば、容易にメルセデスAMG Oneの記録をひっくり返すかもしれません。

そしてもうひとつは、マクラーレンF1の設計者であるゴードン・マレーによる「GMA T.50」。

こちらはそもそもF1、ほかのモータースポーツといった枠に収まらず、完全に独自のコンセプトを貫いたハイパーカーであり、出力は645馬力にとどまるものの、車体重量980kgという驚異的な軽さがその武器となっています（車体の重さをハイパワー、そしてテクノロジーでカバーするAMG Oneとの対比も気になるところ）。

唯一の懸念は「MT」ということですが、こちらもニュルブルクリンクでは相当な強さを発揮するものと思われ、それはマクラーレンF1の圧倒的性能を考慮すれば当然のことなのかもしれませんね。

メルセデスAMG Oneが市販車最速記録を達成した「舞台裏」を収めた動画はこちら

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参照：Mercedes-AMG