さよならメルセデス・ベンツCLS・・・。予定より1年早く「反響が大きい新型Eクラスの増産を行うため」CLSの生産が終了。なお後継モデルは存在せず「絶版」に

｜　さらにはAMG GT 4ドアクーペ、GLEクーペ、GLCクーペなど「クーペ系」が次々と販売終了に　｜

メルセデス・ベンツはそのラインアップを大幅に縮小する意向

さて、メルセデス・ベンツCLSが「販売終了になる」との報道。

これは公式発表ではなくオーストラリアのカーメディアが語ったものですが、ソースは現地メルセデス・ベンツの広報だとされるので、ほぼ間違いない情報だと考えていいのかも。

なお、メルセデス・ベンツCLSは2004年にはじめて登場し、「4ドアクーペ」というセグメントを生み出した画期的なクルマであり、同じくジャーマンスリーの一角を形成するアウディやBMWはじめ、多くのフォロワーがこのセグメントへと参入しています。

登場時の衝撃は非常に大きく（類似する車種がいち早く他者から投入されたことでもそれはわかる）、このクルマの誕生は「メルセデス・ベンツがジャガーのようなクルマを作ったらどうなるか」と考えたデザイナーの提案によるものだったとされていますね。

サッシュレスドアを採用するスタイリッシュなCLSは多くの人の美意識を刺激したものと思われ、しかし現在ではそういった需要も少なくなり、多くの人がコンベンショナルなセダンに回帰しつつあるのかもしれません（通常のセダンのデザインが美しくなり、クーペ風セダンの意義が薄れたこと、逆に人々が”威厳ある”セダンを求めるようになったという風潮も関係があるのかも）。

すでにメルセデス・ベンツCLSの受注はストップ

この報道によると、メルセデス・ベンツCLSの受注はすでにストップしており、新車で購入できるのは「在庫のみ」。※あくまでもオーストラリアでの話であることには要注意

現行メルセデス・ベンツCLSは2021年4月にフェイスリフトを受けており、そこからわずか2年での販売終了となるわけですが、これが本当だとすると「かなり意外」であり、というのもメルセデス・ベンツCLSは2024年まで販売されると言われていたから。

しかし報道によると「新型Eクラスの反響がよく、こちらの増産を行うために予定を前倒ししてCLSを廃止せざるを得なくなった」とされていて、メルセデス・ベンツとしては限られたリソースを振り分けただけ、ということなのでしょうね。

メルセデス・ベンツはそのラインアップを大幅に整理すると言われるが

なお、メルセデス・ベンツは競争が厳しく利益を確保しにくいコンパクトセグメントを（ほぼ）切り捨て、さらにクーペと名のつくモデルを大幅に整理するというコメントも出しており、これによるとCLSの廃止に加えてCクラスとEクラスのクーペ/カブリオレが統合されて「CLE」となり、さらにはGLCクーペ、GLEクーペといった「クーペSUV」も廃止することで現在33タイプあるボディ形状を14にまで圧縮すると言われています（AMG GT 4ドアクーペも1世代限りで終了）。

いわばこれは「大ナタ」ではありますが、今後メルセデス・ベンツは「台数を追求」することをやめ、「1台あたりの利益を最大化」することを計画しており、「マイバッハ」「AMG」「Gクラス」をそれぞれ柱となるべく成長させるという方針についても触れています（加えて、超高価格限定シリーズ、”ミトス”の立ち上げも行われる）。

そしてメルセデス・ベンツは「高級EVをラインアップの中心に据える」とも述べ、ほか自動車メーカーとの競争が発生しにくいセグメントにおいて自身の強みを活かせる戦略を採用することになるのだと思われ、これは「値上げによって利益率を向上させる」と断言したポルシェの戦略とも通じるものがありますね。

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参照：Drive