| メルセデス・ベンツはこういった事情もあって「競争の激しい小型車を切り捨て、超アッパーマーケット」へと注力 |
やはり持つべきものは「ブランド力」
さて、メルセデス・ベンツはかねてより「小型車ラインアップを整理し、Gクラス、AMG、マイバッハ、そして上位クラスという利益率の高いセグメントに集中する」とコメントしていますが、実際に多くのハイエンドモデルを投入しています。
そしてメルセデス・ベンツは「投入済み」もしくはこれから発売する高価格モデルの販売が来年以降に拡大すると予想しており、とくにEQSのような高価格EVの販売が大きく伸びると考えているもよう。
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メルセデス・ベンツは「EQS SUV」に大きな期待を寄せる
なお、とくにメルセデス・ベンツが期待しているのはEQS SUV。
ちなみにセダンバージョンのEQS、そしてミドルクラスのEQEは(メルセデス・ベンツの重視する)中国ではあまり売れていないと報じられていますが、まだまだSUVボディの超高級ピュアEVは市場に数が少なく、メルセデス・ベンツはそこにチャンスを見出しているのかも。
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さらにメルセデス・ベンツはこのマイバッハ版にも期待を寄せているといい、というのも昨年21,600台という驚異的な販売を記録したマイバッハの半分以上が中国で売れているから(平均すると、毎月1,100台のマイバッハが中国にて売れている)。
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よってEQS SUVのマイバッハ版も非常に高い販売台数を記録するだろうというのがメルセデス・ベンツの目論見ということになりますが、これだけマイバッハが売れ、かつ中国で圧倒的な販売を記録しているのであれば、同社が「高級路線に特化」「中国重視」となるのも無理はないのかもしれません。
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高級ではなく「超」高級へとシフトするのがミソ
なお、現在は中国の自動車メーカーも力をつけており、中国産のプレミアムカーが予想外に売れていて、ハンパな高級車は(中国市場で)これら中華プレミアムカーにシェアを奪われているといいます。
加えて、たんなる「高級車」は景気の波に左右されやすく、景気が悪くなれば販売が失速すると言われますが、「超」高級車は景気の波に左右されず、よってこの価格帯に属するロールス・ロイス、フェラーリ、ランボルギーニなどは「販売絶好調」。
もちろん、「超高級車の価格帯だから」売れているというわけではなく、「他にないブランド価値を持っているから」売れているわけで、仮に中国の自動車メーカーが「ロールス・ロイスと同じ性能で、同じくらい高級なクルマを作っても、同じ価格ではまず売れないだろう」ということも容易に想像できるかと思います。
つまり、マイバッハが売れているのは「マイバッハ」だからであり、メルセデス・ベンツはこれを活用しない手はないと考えたのだと思われますが、メルセデス・ベンツがマイバッハの拡充を開始して以来、平均価格帯が2019年の54,900ドル、2021年では71,500ドル、2022年では77,700ドルにまで上昇しているといい、2022年の利益においては2021年から28%も増加しています。
こういった数字の裏付けもあり、メルセデス・ベンツは「超高級車にシフト」「超高級車は売れる」と踏んでいるのでしょうね。
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参照: Autocar